丸ノ内サディスティックの「メロディ」:おかの場合
いつもとは趣向が異なりますが、
バチバチに音楽理論について書かせていただこうと思います。
今回は
丸ノ内サディスティックのメロディについての僕の見解を発表します。
ちょっと難しく感じるかもですが、音楽理論を分からない人向けに書きました。
分かると面白いので頑張ってついてきてください!
よろしくお願いします!
丸ノ内サディスティックといえば、もっぱら話題にあがるのがいわゆる丸サ進行。コード進行がめっちゃかっこよくてめっちゃエモいんですよね。
キーがCだとすると、
F E Am (c)
こんなコード進行
このコード進行を使ったカッコイイ有名な曲は他にもいっぱいあります。丸サ進行を使っちゃえば、かっこいい曲なんか簡単に作れると思っている方も多いのでは?
しかしそれは甘いです。
Jpopで一番大事なのはコードじゃなくてメロディです。
コードがかっこよくてもメロディがダメな曲は人気でません。
椎名林檎なめんな!
売れてるミュージシャンなめんな!
って話です。
メロディの話をします。
ただ、丸ノ内サディスティックのメロディがいかにすごいかみたいな話というより、正確には丸ノ内サディスティックのメロディのタイプ分類が日本人が大好きなタイプなんだって話をしようと思います。
僕が考えるにJpopのメロディには基本的に5つのタイプがあります。
それは
メロディの一音目の音がコードのルートに対して
1度か3度か5度か7度か9度か
というものです。(例外はあります。紅蓮華なんかは13度ですし。近年のアニソンは音楽的に凄いことやりすぎなので例外にさせてください。)
もう一度言います。
メロディの一音目の音が何度の音なのか、
です。
ちょっと難しいこと言ってますね。
説明します。
度数っていうのはコードのルート音(CコードならC、FコードならFです)からの距離の話で
コードにFコードを使ってる場合、Fコードのルート、つまりF、とそのFの上で歌われてるメロディとの距離がどれだけあるのか、それが例えばFから始まるメロディだとしたら、FからFまでの距離ということになり、この距離は音楽理論的に1と数えるので、そのメロディは1度のメロディです。
ではFコードに対してAから始まるメロディが鳴ってた場合、それはFから、F→G→A、と3個上のところにAがあるので、3度のメロディです。
あともう一つ例をあげると、Fコードに対してGから始まるメロディが鳴っていたら、GはF→G、と2個上にあるので2度、ではなく9度のメロディです。何で2度じゃないのかと思いますよね。違うんです。そういうもんだと思ってください。
はい、では今の説明で度数のことなんとなくわかってくれたものとして話を進めますね。
(わかんなくてもとりあえずいいよ!)
メロディのタイプにはそれぞれ特徴があって
1度 素直で純粋な主人公メロディ
例
Mrs. GREEN APPLE 「青と夏」サビ
あいみょん「君はロックを聞かない」サビ
milet × Aimer × 幾田りら「おもかげ」サビ
3度 感情のこもったメロディ
例
米津玄師「Lemon」サビ
Ado「うっせぇわ」サビ
神聖かまってちゃん「ロックンロールは鳴り止まないっ」サビ
5度 カラオケで歌うと気持ちいいメロディ
例
DISH//「猫」サビ
RADWIMPS「前前前世」サビ
P丸様。「ないばいたりてぃ」サビ
7度 都会感のあるメロディ
例
藤井風「何なんw」サビ
Vaundy「東京フラッシュ」サビ
Suchmos「MINT」サビ
あいみょん「愛を伝えたいだとか」サビ
9度 エモいメロディ
例
BUMP OF CHICKEN「天体観測」サビ
YOASOBI「夜に駆ける」サビ
米津玄師「海の幽霊」サビ
では、日本人が一番好きなタイプのメロディって何度だと思いますか?
それは7度か9度です。日本人は都会感のあるメロディとエモいメロディが大好きなんです。日本でも人気が出る洋楽は大体7度か9度になってます。
で結論言うと、丸ノ内サディスティックは日本人が大好きな7度と9度のメロディでできているんです。
まずAメロのメロディタイプがぜんぶ7度なんですね。
ほうしゅーはにゅーしゃごー
の
「ほ」は7度です。
そこから7度タイプのメロディが続いて
で、サビ
しょーらいそうになってー
の
「しょ」
これが9度
サビはメロディタイプが全部9度なんです。
都会的な7度メロディで始まって
サビでエモい9度メロディにいく。
丸ノ内サディスティックは日本人の大好きなメロディと最強のコード進行を組み合わせた邦楽の究極系ということです。
ちなみに7度メロディのAメロと9度メロディのサビ、という構成の曲で、僕が他に知ってる曲は米津玄師の海の幽霊です。(コード進行はマルサではありませんがⅣから始まる循環コードを使ってるところは一緒です)
米津玄師は海の幽霊について、やりたいことをやり尽くした満足のいく曲、と言っていたんですが、それはメロディの構造的に邦楽の究極系を作ってしまった、ってことに自覚的だったからかもしれません。
まあ、そんなわけでつまり丸ノ内サディスティックのメロディ最強ってことです。
今回紹介した理論がわかれば丸ノ内サディスティック以外の曲のメロディの聞こえ方に対しても分析できますので、あなたの好きな曲の好きなメロディが何度のメロディなのか調べてみても面白いと思います。
ほな!