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非住宅木造建築の最新技術「プレカット加工機」「ハイブリッド構造」

非住宅木造建築における最新技術について考えていきます。
〇プレカット加工機
大工さんが墨ツボ、手鋸、鉋、ノミ、金槌をふるって手刻み加工をしていたところに「プレカット」という加工機が登場したのが1970年代後半から1980年代初頭です。
初期のプレカット加工機は、単純な接合部の加工を行う単能機ものでした。
1980年代以降、コンピュータ制御が導入され、加工精度が飛躍的に向上しました。これにより、複雑な接合部の加工や曲線加工も可能になりました。
現在のプレカット加工機は、CNC(コンピュータ数値制御)技術を活用し、設計図から直接加工指示を出力できるようになっています。
プレカット加工機の登場は、日本の木造建築業界に革命をもたらし、現在でも建築効率と精度を支える重要な技術として進化を続けています。
中大規模木造建築物向けの特殊加工機としてドイツ・フンデガー社の加工機が最近では各プレカット工場で導入が進んでいます。
弊社が2016年に導入した「フンデガーK2i」で加工できる最大断面は300㎜×1250㎜です。長さは13mです。柱であれば450㎜角まで加工可能です。
〇ハイブリッド構造
異なる材料(木材、鉄骨、コンクリートなど)の特性を組み合わせて建物を建てるハイブリッド構造が注目されています。
1.木材 × 鉄骨・・・木材の暖かさと軽量性、鉄骨の強度と剛性を組み合わせた構造
2.木材 × コンクリート・・・コンクリートの圧縮強度と耐火性、木材の引張強度と軽量性を相談した構造
3.木材 × CLT × 鉄骨・・・CLT(直交集成板)を加えたハイブリッド構造では、広い境界や床の施工が可能
特徴とメリット
・材料の組み合わせで強度と安定性の向上が図れる
・各材料の特性を活かした設計の自由度
・環境性能の向上として木材は二酸化炭素を保存する性質があり、ハイブリッド構造に使用することで建物全体の環境負荷を軽減します。
・コスト効率として必要な箇所に最適な材料を使用することで、コストパフォーマンスを向上させます
・施工の効率化はプレキャストコンクリートやプレカット木材を利用し、現場施工時間を短縮します。
以上、非住宅木造建築も加工技術・構造はまだまだ進化していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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