人間のちから
買い物をしたときや、人からお菓子を頂いた時などについてくる、紙袋。
わりと頑丈で、素敵なデザインがプリントされていたりするので、私はとりあえず取っておいて、人に何か渡す時や、普段持っていかない荷物がある時に使ったりしています。
2、3回使ったら、素材もくたびれてしまうので、最終的には燃えるゴミを出す際にまとめる為に使ったりして終わるのですが、一つだけ、8年使い続けている紙袋があります。
それは高級ブランドの紙袋のようにビニールコーティングされたものではなく、100円ショップで2枚組で売っているような、無地の、ごくごく普通の紙袋です。
その紙袋をもらったのは、宮崎県の椎葉村にある、とある農家民宿に家族で宿泊をした帰りでした。民宿の奥さんが、お手製のパウンドケーキをその紙袋に入れて渡してくれたのです。
オレンジ色の紙袋には、持ち手に大きめの葉っぱがくくりつけられていて、その葉っぱには、「Thank you for coming」と手書きで書かれていました。
なんて素敵なんだろう。
その時の感動は、今も鮮明に覚えています。
私にとって特別なものとなったその紙袋は、しばらく実家にあり、その後、母がこの紙袋で差し入れを持ってきてくれて以来、私の家にあります。
頻繁に使うわけではないのですが、自分にとって、ちょっと大切なものを持ち運ぶ時に使っています。
人に渡す前のささやかなプレゼントを入れたり、お気に入りの文庫本を入れたり。
逆に、車で出たごみを家に持って上がる時など、他の紙袋であれば躊躇なく入れるところ、どうしてもその紙袋には入れたくなかったりと、
無意識に、入れるものを選んでいる自分がいます。
自分にとっては当たり前のことになっていたけれど、よくよく考えると、これってとても不思議なことだなと思うのです。
他の紙袋との違いは、ただ一点、メッセージが書かれた葉っぱが付いているということだけ。
もし、このメッセージが機械でプリントされたものだったら、私はきっと燃えるごみの処理に使うでしょう。
物質としては「物」であっても、そこに人の手が入る、そして気持ちが入ることで、私という一人の人間の行動をまるきり変えてしまうのです。
ところで、世の中では少し前から、AIに仕事が取られてしまうのでは、という話題が出たりしていますが、人が持っているこういう力って、AIはこれからも持ちえない力だと私は思います。
今の教育は少し変わってきたかもしれませんが、少なくとも私が学校で受けてきたテストでAIと競ったら、きっともう人間は誰も、AIには勝てないでしょう。
だからこそ悲観的に捉えがちになるのだと思うのですが、すでに私たち人間は、点数化できない次元において、素晴らしい力を持っている、
ということは、これからの時代を生きていく中では、特に自覚しておく必要がある気がしています。
AIの素晴らしさと、人間の素晴らしさは、まったく質の違うものです。
これまではなぜだか、AIの得意分野において、人間が試されていたから、起きてしまった勘違いなのかもしれませんね。
AIが活躍してくれるおかげで、より人間が人間らしく生きることができる時代がやってくると私は期待しています^^
紙袋からAIへ、、、だいぶ飛躍しましたね笑
今日も読んでいただき、ありがとうございます(o^^o)