ツルでもガキでもわかる!全米映画興行収入ランキング6/23-25編『米国映画史上2位の記録をもつ男!』の巻
まいど!ワイは鶴や!ツルヤナンボクや!
ええじゃろうだよ!
おかえもんです。
もういつもの溜息は無しか。ようやくパンツマンの大ブレイクを諦めたんやな。
6月23日から25日の週末ランキングは、どうだったの!?
早く教えて~!
うん、これがトップ10だ。
① Transformers: The Last Knight
$45.3M (合計$69.1M)初登場
② Cars 3
$25.2M ($99.9M)2週目
③ Wonder Woman
$25.2M ($318.4M)4週目
④ Johannes Roberts' 47 Meters Down
$7.4M ($24.3M)2週目
⑤ All Eyez on Me
$5.9M ($38.6M)2週目
⑥ The Mummy
$5.8M ($68.5M)3週目
⑦ Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales
$5.2M ($160.0M)5週目
⑧ Rough Night
$4.7M ($16.6M)2週目
⑨ Captain Underpants: The First Epic Movie
$4.3M ($65.7M)4週目
⑩ Guardians of the Galaxy Vol. 2
$3.0M ($380.2M)8週目
1位はやっぱりトランスフォーマーか。
日本では『トランスフォーマー/最後の騎士王』っちゅうタイトルで8月4日から公開されるで。
ナチスドイツを倒したのもトランスフォーマーだったんだ…
『カーズ3』と『ワンダーウーマン』は僅差だったね。
ちなみに『ワンダーウーマン』は世界グロスで6億5千万ドルを突破した。日本円にすると約720億円だ。女性監督作品としては歴代最高を記録して、今もまだまだ売上を積み上げている。どこまで記録を伸ばせるか注目だ。
すっご~い!
でもなんで日本だけ公開が8月末なんだろう?
他の国では6月アタマからずっとやってるのに。
最近DCコミック映画は不発続きだったからね。こんなにヒットするとは思っていなかったんだろう。夏の話題作との対決を避けた結果だと思うよ。それに日本のサマーシーズンは短いから、スケジュールがキツキツなんだ。
4位には、B級サメ映画がしぶとく残っとるな。
5位は伝説のラッパー「2PAC」、6位にトム・クルーズのミイラ映画か。
7位は、お姉さんたちの、おバカで破廉恥な独身さよならバチェロレッテ・パーティームービー『ラフ・ナイト』。日本公開は無さそうだね。
そして9位が…
我らが『キャプテン・アンダーパンツ:エピソード1』。
これまで三度にわたりツルガキでフィーチャーしてきたから、もう説明はいらないだろう。
PTAからは嫌われ、原作は二年連続で全米有害図書No.1に選ばれ、他の映画のように海外展開もされず、孤独な戦いをよくここまで耐えてきた…
今週末(6/30~7/2)には『怪盗グルー3』など話題作が控えているから、トップ10ランクインもここまでだろう。
本当によく頑張った…
僕は心から誇りに思ってる…
フォーエバー、パンツマン…
日本でも公開されへんし、DVDが出る予定もあらへん。残念なこっちゃ。
おいらも観たいんだけどな!
またNetflixとかで独占配信されるのかな?
ところで話は変わるんだけど、4位のサメ映画のタイトル『Johannes Roberts' 47 Meters Down』の「Johannes Roberts」って誰?
せやな。
邦題も『海底47m』やし、主演はプリチーなギャルやし…
Johannes Robertsっていったい誰やねん?
いいところに着目した!
さすがだよ、君たち。
そのヨハネス・ロバーツとは…
ヨハネス・ロバーツとは…?
ヨハネス・ロバーツとは…
(ゴクリ…)
監督の名前だ!!!
意外とフツー!
でも、わざわざ映画タイトルのアタマに監督の名前が付けられるなんて、ちょっと気になるよね。
ふつうタイトルのアタマに名前が付けられるんは、アイドル映画と相場が決まっとる。
もしくは、売れっ子になった監督や俳優の有名になる前の作品を、何とか売りたい切実な事情が絡んだ時や。
でも「ヨハネス・ロバーツ」なんて名前、聞いたことあらへん。
確かに。世間の人は誰も知らないだろう。映画に詳しい人でもほとんど知らないと思う。僕も今回のツルガキに取り掛かるまで知らなかった。
でも彼は、
米国映画史上2位の記録をもつ男
なんだ。
べ、米国映画史上…2位の記録…?
す、すごいじゃんか…
いったい、どんな?
彼が監督した2013年公開の映画『Storage 24』はね…
アメリカで劇場公開された映画の歴代興行収入ランキングで…
(ゴクリ…)
歴代2位なんだ!
うそっ!?
嘘じゃないよ!
「ワースト」だけどね!
ワースト2位!?
ビリから2番目ってことか!?
その通り。
しかも、その売上は…
たったの72ドル!
な、ななじゅうにどる?!
アメリカの映画料金がだいたい10ドル前後だから…
9ドル×8人ってことか!?
いや、8ドル×9人、もしくはスペシャルデーで6ドル×12人かもしれないよ。
たいして変わらん…
ヨハネス・ロバーツは、この記録でアメリカ映画史に名前を遺しているんだ。
この話は学術的に意義のあることだから、証拠にこれを貼っておこう。
Box Office Mojo集計による興行収入ランキングの下位10作品だ。
ヨハネスさんの映画『Storage 24』は…
14891作品中、14890位…
しかも配給会社のマグノリア・ピクチャーズは3作品もランクインしてる…
大富豪マーク・キューバンの会社か…
しかし下には下がおるんやな。
『Zyzzyx Road』の30ドルって、どうゆうこっちゃねん!
これは明らかに10ドル×3人やろ!
スタッフや出演者の親兄弟は何してたんや!?
親類のおっちゃんおばちゃんは観に来てくれへんかったんか!?
ふつう友達や知り合いも10人に1人くらいは来てくれるやろ?
なんちゅう世知辛い世の中や!
だよね。
『Zyzzyx Road』同様にヨハネス・ロバーツの『Storage24』も、たった1つの劇場で、たった1日しか公開されなかったらしい。
ちなみにこんな映画だよ。
けっこう面白そう…
どんな事情やったんかは知らんけど、ヨハネスはさぞかしショックやったろうな…
72ドルやもんな…
でもね、彼の母国イギリスではそこそこヒットしたんだ。香港とかでも。それでB級ホラー映画界の期待の新星として注目されるようになった。
そして2016年に『The Other Side of the Door』がスマッシュヒットを記録する。
世界グロスで1430万ドル(約16億円)、アメリカでも300万ドル(約3億3千万円)を記録した。
72ドルだった監督が、300万ドルも稼いだ!
彼の作品はビデオとかテレビで人気があるんだよね。Vシネマみたいな感じで。だから彼の作品は、世界中のマニアの間で徐々に有名になっていった。
そしてヨハネスは、満を持してB級ホラーの王道ともいえるサメ映画に取り掛かる。
そうして『Johannes Roberts' 47 Meters Down』で大ブレイクしたってわけさ。
今のペースなら、アメリカだけで4000万ドル…いや、もしかしたら5000万ドルにも達するかもしれない。
7920円男が、55億円男に!?
すごい!
まさにアメリカンドリームだ!
歴代サメ映画でも、9位にランクインしている。
またBox Office Mojoから拝借するよ。これは意義ある学術的考察だからね。パクりじゃないよ。
(Box Office Mojoサイト「Shark」カテゴリより)
1位と3位は非ホラーのアニメだから、純粋にサメ映画としては7位ってことだね!
しかもこのまま行けば、ホラー映画界の鉄板ジャンル「サメ映画」歴代ベスト5に食い込む可能性もあるっちゅうわけや…
その通り。
ヨハネス・ロバーツは、ついに映画史の光が当たる表舞台に、その名を遺すことになった…
いや、まだこれは彼の輝かしいサクセスストーリーの序章なのかもしれない…
せやで…
こっからホラー映画界の巨匠になるかもしれん…
ヨハネス・ロバーツよ!
72ドルの屈辱にも負けず、米国映画史上歴代ワースト2位という恥辱にも耐えて、よく頑張った!
感動したっ!おめでとう!
ヨハネス・ロバーツは、ホラー映画界の未来の大横綱やな。
夢に向かって一直線の男の顔っちゅうのは、ええもんや。
キラキラしとって、まるで少年のようやで。
いや、貴乃花とジョン・トラボルタを足して2で割った感じやな。
次回作は、あの『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』の続編だってよ!
おいら怖くて予告編を最後まで見れない!
まじ怖すぎる!今夜夢に見ちゃう!
もうバイバイ、また来週!
おねしょパンツ履いて寝とけよ。
『Johannes Roberts' 47 Meters Down』(邦題:海底47m)
監督・脚本:ヨハネス(ヨハンズ)・ロバーツ
出演:マンディ・ムーア 、クレア・ホルト 、サンティアゴ・セグーラ 、マシュー・モディーン ほか
8月12日より全国順次ロードショー
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