カーズ_ワンダーウーマン_キャプテン_アンダーパンツhedder

ツルでもガキでもわかる!全米興行収入ランキング6/16-18編&全米有害図書ランキングの巻!!!

まいど!ワイは鶴や!ツルヤナンボクや!

ええじゃろうだよ!

はぁ…

どうした!?

理由はわかってるけど)

元気を出すんだ、おかえもん!

ありがとう、君たち…

では先週末(6/16-18)のランキングを発表しようか…

カッコ内の売上はトータルだよ…


①『カーズ/クロスロード』

$53.5M (初登場)

②『ワンダーウーマン』

$40.8M ($274.6M:3週目)

③『All Eyez on Me』

$27.1M(初登場)

④『ザ・マミー』

$13.9M ($56.5M:2週目)

⑤『海底47m』

$11.5M(初登場)

やっぱり来たね、カーズ3

アマゾン姉ちゃんは2位に後退やな。

そやけど世界でのグロス収入は500億円を突破したっちゅう話や。今年のトップが『美女と野獣』の1300億円やさかい、どこまで迫るか楽しみやで。日本でもヒットするやろしな。

3位には「2PAC」の伝記映画が飛び込んできたね。

伝説のラッパーの語られることのなかった真実って何だろう!?

日本でも冬に公開されるみたいだね!

トム・クルーズのThe MUMMYは4位か。


5位の『海底47m』は、”お約束”の低予算サメ映画やな。

ようランクインしよった。

あれ?パンツマンは?

もしかして、トップ5からも…

はぁ…

残念やったな、おかえもん。

おっさんイチオシのパンツ一丁中年変態ヒーローは、ついに1位を取れんかったんやな。

8位にランクダウンだ…


⑧『キャプテン・アンダーパンツ』

$7.2M ($57.8M:3週目)


今週は『トランスフォーマー』、来週は『怪盗グルー3』が控えてる…

再浮上はキツいだろうね…

でも立派に戦ったよ!

パンツ一丁でも恥じないパンツマンも偉かったけど、それを応援していたおかえもんも負けないくらいカッコよかった!

日本にも映画サイトやブログは数あれど、パンツマンをここまで取り上げてた人は、ついに見かけなかったよ。

ドリームワークスは感謝状を…いや、仕事をくれてもいいレベルだ!

いいんだよ…

まだエピソード1だからね…

キャプテン・アンダーパンツの戦いは、まだ始まったばかりだ…

スターウォーズやハリーポッターに匹敵する人気シリーズになることを僕は信じている…

しかしなんでオッサンはそこまでパンツマンに肩入れするんや?

判官贔屓か?

そうかもしれないね…

僕は弱き者、虐げられし者の側にありたい…

どゆこと?

パンツマンは虐げられし者なの?

そうなんだよ…

『キャプテン・アンダーパンツ』シリーズは、2000年から2009年、つまり00年代のBanned/Challenged Books Top 100で13位にランキングされているんだ。

なんやねん?

Banned/Challenged Booksっちゅうのは?

世界最古にして最大の図書団体であるアメリカ図書館協会が発表しているランキングだ。

challengeってのは、特定の書籍を学校や公立図書館で利用者の目に触れさせないようにしようとする運動のこと。閲覧制限をかけたりしてね。

bannedは禁書だ。完全に排除してしまうこと。

つまり「どれだけ図書館や教育現場で排斥運動が起こったか?」のランキングだね。

ひゃあ!そんなものがあったんか!

アメリカってのは市民団体や教育委員会やPTA、そして宗教団体の悪書追放運動が盛んなんだ…

そうなんか!

でも00年代総合ランキングで13位って、下着男は超有名人だったんだな!

これぐらいで驚いてはいけない…

なんと2012年と2013年のランキングでは堂々の1位を獲得しているんだよ…

見てよコレ…

アメリカ図書館協会HPより

おお!すげえ!

今回の映画化で、また再燃するだろうね…

今年のランキングではTOP10に復活するかもしれない…

そうなると、ひょっとしたら…

’10年代の総合1位も夢じゃない…

夢っちゅうか悪夢やな。

ねえねえ、おかえもん…

ちなみに’00年代の1位って何だったの?

あれだけ下品なパンツマンでさえ13位なんだから、さぞかし嫌われ者だったんだろうね…

そうだね…

何だったと思う?

何やろな?想像つかんわ。

これだよ

はぁ?!

リーポッター?!

断トツで1位だったらしいね。

な、なんで?

「オカルト信仰や悪魔崇拝を助長する!」って禁書運動が起こったんだ。

主にキリスト教保守派によってね。

マジか。

日本と違いアメリカ社会はキリスト教が土台になってできているからね。しかも国土が広いアメリカってのは、オカルトブームが起こると洒落にならない事件が起こってしまう。ロシアなんかもそうだ。

だから非常に神経質なんだよ。”魔法”を扱う作品に対してね。

当時日本でも報じられたよ。

そうだったのか…

他はどんなんが入っとるんや?

これが’00年代の総合トップ20だ。

全米図書館協会HPより

おお!

2位の『アリス』シリーズって不思議の国とか鏡の国とかの?

違うよ。

フィリス・レイノルズ・ネイラーという人気作家の作品だ。

アリスという少女の赤裸々な成長物語なんだけど、日本では途中までしか翻訳されなかった。

3位の『チョコレート・ウォー』って知ってる!

チョコレート戦争』のことでしょ?

違うよ。

ロバート・コーミアという反骨の作家の作品だ。

児童文学なんだけど、彼の作品は徹底してリアルに悪を描き、生半可な正義は敗れてしまう。だから忌み嫌う人も多い。

4位の『And Tango Makes Three』っちゅうんは?

ゲイのペンギンカップルと飼育係の子育て物語だ。NYのセントラルパーク動物園での実話らしいんだけど、これも派手にバッシングを受けてしまった。

ちなみに日本語版は『タンタンタンゴはパパふたり』ってタイトルだ。

なんかハートウォーミングな感じだけど!

アメリカは広い。LGBT先進国でもあり、後進国でもある。宗教が大きく絡む問題だから難しいんだけどね。

5位の『二十日鼠と人間』はスタインベックやんけ。アメリカ文学の大御所やで。映画にもなっとったな。


実を言うと、ジョン・スタインベックのこれと『怒りの葡萄』への禁書運動が、アメリカ図書館協会による調査・記録開始のきっかけとなったんだ。

米国全土であまりにもスタインベック作品を除去する図書館が続出したんで、図書館利用者の知的自由を守る決意として「図書館の権利宣言(Library’s Bill of Rights)」が採択された。

そうだったのか!

ノーベル文学賞を取るような大御所でも、こんなことになるんだな!

日本じゃ考えられん!

そして13位が『キャプテン・アンダーパンツ』なんだけど、14位はマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』だ。

『トム・ソーヤの冒険』の続編やんけ。なんでやねん。

片親のホワイト・トラッシュの少年が「黒人奴隷の逃亡幇助」という重犯罪を犯す物語だからね。しかも「ニガー」という言葉が連発される。

当時は普通に使ってたんやから、ええやんけ。しかも人種差別反対の物語やん。作者は明らかに黒人を蔑視してへんやんけ。

このへんは難しいんだ。日本でも似た話があるよね。志那とか朝鮮とか土人とかクロンボとか…。言葉と表現と芸術の関係は、とっても難しい。

ちなみにアメリカで最初に全国規模の禁書運動が起きたのは、この『ハックルベリー・フィンの冒険』なんだよ。

そ、そうなんだ…

17位はカラー・パープルか!

アメリカっちゅう国は、びっくりするような才能やアートが飛び出してくるワンダフルな国やけど、びっくりするような考えをいまだにもっとる連中も多いオーフルな国やな。

だね…

でもそれが文化のダイナミズムの原動力だったりもするんだ。

さて、そろそろ時間だね。

お別れはこの素晴らしい歌で。

また来週~!



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