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人はなぜセクシー女優の写真集を買うのか

セクシー女優の写真集、というジャンルがある。カテゴリー的には芸能人の写真集で括られるのだが、そこには他の芸能人の写真集にはない、一種のロマンがある。

そもそもセクシー女優というのは当然エッチな動画を売り物にしているわけである。男性が受ける性的刺激というものを考えると、静止画よりも臨場感のある動画の方が遥かに強いに決まっている。単にそれ(実用性)だけを求めるのであれば、セクシー女優の写真集の需要などどこにあるのか?ということになるだろう。

でも、人はセクシー女優の写真集を買う。何のために?そこには3つのパターンがあると思われる。

1つ目、推し活。純粋にその人のファンで、グッズなら何でも手に入れたい。某アイドルグループのように写真集にイベント参加券が付いているケースもある。このパターンの場合、熱が覚めるとあっさり手放すケースが多そうである。

2つ目、転売ヤー。長期的な資産価値を考えて購入する。セクシー女優の写真集を多く出版する彩文館では3000部限定といったレア感を強調した売り方が多く、昔の人気女優の写真集は定価よりかなり高く中古品が売買されているケースも多い。とはいえ、全部が全部資産価値が出るわけでもないので、さほど知名度が高くない女優の写真集は価値が高まらないことがほとんどである。

3つ目、アート的な価値。見せることを意識して磨かれた身体というのは、芸術と呼ぶのが相応しいほど美しい。もちろん水着でも着衣でも美しいものは美しいのだが、生まれたままの肢体が放つ色香というものには独特の魅力がある。古代にもヴィーナス像と呼ばれる裸婦像の一群があり、女性の裸というのは人類に共通する普遍的な美の象徴と言えるのではあるまいか。また、純粋な美しさだけではなく、表情、ポーズ、構図、見せ方と隠し方のバランス、道具、周囲の環境などを組み合わせて裸体を中心として描かれる世界、そこにも芸術性を見出すことができる。

かくいう自分は、おそらく大半の諸兄と同じくもともとは1つ目の入り口からセクシー女優の写真集の世界に足を踏み入れた。しかし今は3つ目の世界に住んでいる。と自分では感じている(もちろん厳密な線引は難しく、純粋にその女優さんのファンという側面も多分にあることは否定しない)。気がつけば買った数は50冊をゆうに上回り、本棚の中でも中々な存在感を放ちつつある。嫁さんの目にあまり入っていないこと(見ないフリしてるだけなのかもしれないが)、子供が娘じゃなくて息子であることはせめてもの救いだ(救いか?)。

そんな自分が、これは素晴らしい写真集だと思っている作品を3つ紹介する。

①美竹涼子写真集 ドラマティック涼子(竹書房) 撮影:西條彰仁

2000年初頭にデビューし瞬く間に大人気となった美竹涼子さんの作品。均整のとれた身体と、並ぶ者はいないと激賞された美貌が堪能できる作品。セクシー女優写真集の王道と言える一冊。

②かすみ果穂写真集 甘い果実(彩文館) 撮影:野川イサム

匂い立つような色香とはまさにこのことではないか、と思わせる作品。もっとプロポーションがきれいなモデル、もっと透き通るような肌の女優さんはいるかもしれない。しかし、この作品のテーマは「妻との日常」であり、すっぴんも含めた飾らない彼女の女性としての魅力が溢れ出ている。

③葵つかさ写真集 葵つかさ(徳間書店) 撮影:西田幸樹

セクシー女優がモデルのアート系写真集の最高峰だと思う。セクシー女優が性的に消費される対象ではなく、ひとつの芸術としてこのレベルに到達できるのだということを示した金字塔。アイドルになるのでもなく、お金を稼ぐ手段でもなく、このような生き方があるのだという1人の女性の信念が刻まれた作品。

いずれも絶版となっている写真集だが、一見の価値はあるものばかり。手元のものを大切に愛でたいと思う。

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