サラリーマン麻雀プロが考えた麻雀プロのMonetize Strategy
初めまして。現在某外資系IT会社に勤めております、岡林晃嗣(おかばやし こうじ)と申します。
現在平日は会社に属して働きながら、兼業として日本プロ麻雀協会に所属をさせていただいており、会社員と麻雀プロのどちらも全力で取り組ませていただいております。
さらに詳しい岡林の自己紹介はこちらをご覧いただけますと幸いです。
0.このnoteはなにか
麻雀プロが麻雀の仕事で生活をすることを目的において、お金を稼いでいく理想的な戦略と戦術を机上の空論ベースで考えてみたものとなります。
先日「麻雀プロが麻雀だけで食べていくために必要なことの解像度をあげてみた」というnoteを書いたのですが、この中で言及しているHOWの部分にフォーカスした内容となっていますため、こちらを読んでいただいた方が内容はクリアになるかと思います。お時間のない方は冒頭にまとめていますのでそちらだけでもご覧いただけると幸いです。
また今回重要視しているのは「麻雀プロとして投資すべき領域とアクション」という内容にフォーカスしているため、具体的な金額をベースにした議論は割愛します。
1.このnoteのまとめ
今回のnoteをまとめると下記となります。
●個人のマネタイズの方向性は2種類ある
・労働集約型→知識集約型へのモデルチェンジ
・マネタイズポートフォリオの拡大
●麻雀プロにおいてはどちらのマネタイズゴールにおいても、
・ファンの拡大
・雀力向上
は重要な変数である
●短期的,長期的に行うべきアクションはいくつかあるが、いずれも継続していくことで積み上がっていくことに投資をするべきである
2.前提整理
今回のアクションを考えるにあたって、整理すべき前提をここでクリアにしたいと思います。
A.マネタイズをする上での変数について
前回のnoteでも言及した部分ですが、重要なため再度触れます。
麻雀プロの給料を分解すると、極論下記で十分議論ができるかと思います。
その上で、労働時間については限界があるため今回は定数として考えて、変数を時給を上げることにフォーカスとして議論を進めます。
3.前提を覆すリスク
また、上記前提を覆すリスクについても整理をしておく必要があります。
それは稼働時間がフルで仕事で埋まらないケースです。
例えば下記のケースは実際に発生することが考えられるケースでしょう。
・毎日ゲストで呼ばれる訳ではない
・自分が体調不良になる
・コロナなど外部要因により仕事ができなくなる
これらが発生しても対応可能な戦略を組むことが重要になります。
4.個人のマネタイズの目指す方向性
次に個人のマネタイズ手段の深掘りをします。これは麻雀プロだけでなく全ての仕事をする個人全てに通じる内容です。
個人のマネタイズにおける方向性は個人的に2種類あると考えております。
それぞれ重要な要素となりますため深掘りをしていきたいと思います。
4-1.労働集約型→知識集約型へのモデルチェンジ
この言葉はビジネスモデルを整理するときに活用することなので、個人ではあまり利用しない言葉です。そのためまずはそれぞれの言葉の定義をしたいと思います。
ここでいう労働集約型というのは、下記のような仕事と定義をします。
・自分の労働時間を対価に給与をもらう形態
・労働力に関する単価は他の人と大きな差はない
例えば、一般的にコンビニバイトなどのような給与が時給で定義されているアルバイトなどはこれに該当します。
また知識集約型というのは、下記のような仕事と定義をします。
・自分の労働時間を対価に給与をもらう形態
・知識や経験などによって、単価が変動する
例えば、コンサルティングファームや医師,弁護士などの仕事はこれにあたります。
どちらの仕事も共通している要素としては自分の労働力を対価にして給与をもらうことですが、二つの違いは自分の代わりを誰かができるかという点です。
労働集約型は労働力のみが価値となっているため、自分がいない場合代わりの労働力を補うことが容易です。
ただ知識集約型の場合、本当の価値は労働力ではなく、その人が持つ知識や経験のため自分の代わりを補うことが難しくなります。
これらを踏まえた上で性質上、麻雀プロは知識集約型の仕事です。そのため一般的なアルバイトなどと比較をすると時給単価は高い傾向があるかと思います。
今回は麻雀のみで生活をしていくことを決めたプロについて議論を進めるため、より自分の価値を高めていくためにより高い専門性を身につけることが重要になります。
4-2.マネタイズ手段の多様化によるポートフォリオ分散
自分の労働時間には制限があります。
その上で一つの仕事だけでマネタイズをすると、仕事の内容次第では2章で言及したようなリスクなどで生活に必要なお金が得られないケースがあります。
そのためお金を得られる仕事を複数行い、リスクを分散させることもゴールの一つかと思います。
一般的な会社員の場合は、8時間が拘束されているという特徴上復業をすることの時間的ハードルがありますが、今回議論をする麻雀プロの場合はスケジュールに柔軟性があるため、こちらについても積極的に考えていきたいと思います。
5.麻雀プロにおけるマネタイズの変数とは
4章で個人における話を整理しましたが、では麻雀プロ特有の話に落とし込んだ時に何がマネタイズの変数になるのかを考えてみます。
今回は個人のマネタイズなので、その人の持つ強みが変数になりそうですが、それは大きく2点あると考えています。
1つ目は、自分を応援してくれるファンの数です。
ファンの数は他の麻雀プロと差別化を明確にできるポイントの一つであり、自分のファンの数が多ければ多いほど、自身の影響力が大きくなります。
ゲスト活動などを行った際にお店に来てくれる人も期待ができるでしょう。
ファン数は3章で説明したマネタイズの方向性に以下のような効果があります。
2つ目は、麻雀力です。
麻雀というゲームの構造上、麻雀が強ければ強いほどその人の価値は高くなります。そのため、麻雀プロとしての価値を向上してくれる効果が期待できます。
またこれらの指標はどちらも計測が一定可能という点も非常に重要なポイントです。
ファン数はSNSのフォロワー数やゲスト活動を行った際の来店数、麻雀力は所属リーグ、獲得タイトルやネット麻雀の段位などある程度一般化された指標で計測することができます。
そのため、「Twitterのフォロワーが3,000人よりは1万人の方が影響力があるよね」だったり、「A1リーグに所属している人は麻雀強いよね」などの評価をすることができます。
上記で記載したことをまとめると下記のような図で表現可能です。
6.Monetize Strategy
ここまで長々と整理をしてきましたが、ようやく上記を踏まえた上で具体的な時間の使い方について言及をしていきたいと思います。
前提として、麻雀プロとして行うべき活動の全ては5章で整理した
・応援してくれるファンの拡大
・麻雀力向上
の2つの要素に紐付く活動をするべきだと考えます。
その上で自分が考える理想のアクション一覧は下記です。
重要なポイントに触れていきたいと思います。
6-1.短期的なMonetize Strategy
まず短期的なマネタイズ期では、ゲスト活動を中心にマネタイズを行います。
男性プロの場合は、ゲスト活動の機会が女性プロと比較しても少ないため、雀荘でのアルバイトや場合によっては麻雀以外の仕事をこのフェイズではしないといけないかもしれません。
このタイミングにおいて重要な指標は自分のファンを増やしたり、雀力を上げていくことです。
そのためには麻雀プロとして人の目に触れる回数(以下でインプレッションと呼びます)を増やしていくことが重要です。
特に自分からアクションできる部分を頑張ることが重要で、ゲスト活動を逐一SNSで報告する、毎日YouTubeなどでネット麻雀のライブ配信を行うなどは積極的に取り組んでいくべき内容かと思います。
もちろんプロとして雀力の向上にも取り組む必要があり、合間の時間は雀力向上のための学習に努めるべきです。
各論部分である、「効率的なSNSの伸ばし方」や「効率的な雀力向上の方法」などももちろん議論の対象かと思いますが、ここの深掘りについてはもっと専門的な方々もいますためここでは割愛します。
短期的にはこれを続けていくだけでも十分な効果が得られると思います。何故かというとマネタイズに重要な変数はアクションをすればするほど積み上がっていくからです。
このアクションを始めた当初と1ヶ月後では同じアクションを行ったとしても、得られる効果は後者の方が大きいです。3か月,半年と続けていくことで複利的に効果は大きくなります。
ちなみにこの戦略でアクションを行うと、3章で触れたリスクについても、家で活動が出来るネット麻雀配信などを活用することで効率的に時間を使うことができます。
6-2.中長期的なマネタイズ期
続いて中長期的なマネタイズ期ですが、この頃にはファン数や雀力について一定の成果が得られている頃かと思います。
例えば「ゲスト活動の頻度が増えた」、「麻雀ライブ配信で同時視聴者数が増えてきた」など徐々に麻雀活動が充実をしてきたタイミングかと思います。またこのタイミングになって、やっと今までのアクションをして撒いてきた種がマネタイズの華を開き始めるのかなと思います。
ここからのマネタイズについては様々な方向性があると思っておりますが、重要な変数は引き続き変わらず、ファンの拡大と雀力の向上(もしくは雀力の証明)です。
例えばファンの拡大について言及をすると、更にたくさんの人に自分をインプレッションしていくために、自分のことを知らない人にリーチをしていく方法を考えたり、今までと異なるSNSにチャレンジをしていくなどの方法もあるかと思います。
またこの辺りのタイミングから是非ゲスト活動ごとにきていただいたお客様の数なんかもメモしながら活動をしていくと良いと思います。
前回のnoteでも触れましたが、自分の集客力は自分の時給単価と直結します。客観的に数字で自分の実力を測ることで更なる自分の発信力の向上に繋がります。
これも色々な変数があると思っていて、行く雀荘の立地、毎回遊びにきてくれる固定客の人数、天候などゲスト先との相性が色々見えてくると思います。
それらを考えながら効率的に活動幅を広げていくことができるとベストです。
7.まとめ
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
改めて今回のnoteをまとめると下記となります。
●個人のマネタイズの方向性は2種類ある
・労働集約型→知識集約型へのモデルチェンジ
・マネタイズポートフォリオの拡大
●麻雀プロにおいてはどちらのマネタイズゴールにおいても、
・ファンの拡大
・雀力向上
は重要な変数である
●短期的,長期的に行うべきアクションはいくつかあるが、いずれも継続していくことで積み上がっていくことに投資をするべきである
という内容となります。
当初は「月42万円を稼ぐための方法」のような具体的な内容で議論をしたかったのですが、変数が多すぎるため抽象度を一段上げた内容でアウトプットいたしました。
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■今後書く予定のnote(自分へのプレッシャー)
・【雀荘オーナー,店長向け】マーケター兼プロ雀士が考える麻雀プロのゲストを活用した雀荘来店者数を増やすための効果的なマーケティング戦略とは
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