金沢大学の標石
金沢大学角間キャンパスに訪れて、初めに目につくのは大学名を記した標石ではないでしょうか。大階段前の池の中にそびえたつ大きな岩に、大学名が記されています。一方で、角間キャンパスにはこの標石以外にもう一つ、旧城内キャンパス時代の標石も置かれてあります。
この標石の奥には大階段があり、学生が登校する際にはこの大きな標石を目にします。
水辺だけあって、色々な生き物が棲んでいるようです。春には小鳥が水をついばむ様子が見られたり、梅雨時にはカエルの鳴き声が聞こえたりします。奥に少しだけ見えている滝は常時流れており、夏には涼しい音を立てて流れ落ちていきます。
標石の後面には、「第八代学長 岡田晃 書 平成八年」と書かれた銘板が埋め込んであります。平成8年ですから、1996年になります。
さて、角間キャンパスの岩石の来歴となると、以下のサイトが参考になります。当時金沢大学理学部地球学科教授の石渡明先生のサイトです。石渡先生は現在原子力規制委員を務めていらっしゃるようです。
このサイトを見ると、角間キャンパス内に16の岩石が点在しており、大学の標石がそのうちの一つであることが分かります。また、2000年前後に石渡先生本人が撮影されたと思われる岩石の写真が、地球科学的な視点の説明とともに添付されています。
2000年代、金沢大学が角間キャンパスに移転してすぐの標石は、現在の標石と比べると随分色鮮やかに見えます。撮影環境の違いというのもありますが、およそ20年、30年の味が現れているように思えます。
さて、角間キャンパスには旧城内キャンパスの標石もあると先述しました。その旧標石は、金沢井波線を見下ろす位置にある、金沢大学本部棟の正面にあります。
先ほど紹介した角間キャンパス岩石散歩案内にもこの標石が紹介されています。
金沢大学が金沢城跡にあったとき、城内入り口である石川門の前に置かれていたそうです。
第二代学長の書によるもので、1967年に石川県から寄贈されたと説明があります。添付された写真から、現在金沢城公園となっている場所に、丸の内キャンパスが本当にあったことを実感しました。