Scentlyさんでイメージ香水頼んだよ②
推し香水レビュー!オーダーシート内容も少し。
前回ふつうに推しさんイメージで注文し、ふつうに心が満ち足りたのですが……。
他の方の記事を読むと「自身の創作キャラクターで注文しました!」というものがけっこうあり、なにそれ楽しそう〜〜〜私もやりたいぞ〜〜〜とワクワクしてしまいました。
ただ私はそういったキャラクターを抱えていない身、せめて「ほぼ自分しか知らない人物」はいないか?自分であれこれ考えたいから実在の人物じゃないほうがいいな……と身辺を見まわし、某MMORPGのプレイヤーキャラクター君(外見をカスタムできる主人公)でオーダーしました。
これまで設定を考えて遊んでいたわけではないのですが、今回のため彼にプロフィールをつける過程はとても楽しかったです。
オーダー内容
オーダーシートはこんな感じ。
今回はそこまで伏せる必要もないので、需要はともかく記載内容も一部書いておこうかな。
作中で人柄が提示される既存キャラクターとは違い、空想のさじ加減でいかようにも化ける自PCを描写するのは難しくも楽しいですね。止めどきがわからなくなり、最終的には少しばかりビターな青年になってしまいました。
届いた!香水レビュー
注文完了メールには「現在2~3週間でのお届けとなっております」と記載がありましたが、なんと2週間弱で発送されました。幸運!
届いたのはこちら。
早速試しましょう。まずはシュッとね。
…… ……
……
オッ……梨みたいなフルーティな香りがする。水晶とかきれいな氷のような、透明感がある香り。
でも、その奥底に男性っぽい掠れた空気がチラ見えしていますね……。
前回のオーダーとは初手からまったく違う!
これは最後にどんな香りが残るのか待ち切れないな……などとソワソワしているうちに数十分経過。
気づけばクリアなフルーティさは消えて、じんわりスパイシーな香りに支配されていきました。ミドルノートは怒涛のスパイスタイム。
そして最終的には、暗く男性的な森の奥のような香りに。それもスッキリ森林浴ムードではなくて、どこまでいっても少し違和感を感じる、レジャー向けではない森。地元民でなければちょっと歩けないようなやつです。
……
…… ……
ギャップが激しい。
初手と最後で全然印象が違います。
前回のオーダーは一貫した方向性があるなかで柔らかく変化していった印象でしたが、今回のものはトップだけが謎の華やかさを放っています。何?
いや……もちろんミドルやラストノートの要素だって初めからそこに「いる」んですが(香水の香りの変化は、香り自体が変わるわけでなく香料が順々に揮発していってるだけなので)、少し注意深くしていないと見逃してしまうかも。
たとえばちょっと時間が経ったムエットを頂いたとしたら、そこからこのトップはまるで想像がつきません。これはおもしろい。
キレイでみずみずしく華やかなトップから、
気をひくスパイシーへ
引っかかりのあるウッディへ
陰気でウェットなアーシーへ、
徐々に何かが剥がれていく感じ……。
スンとした無害な青年に見えて自傷的な放蕩生活に堕ちこんでいる、という彼を感じさせます。なんちゅう設定考えついとるねん。
お手紙!
香りを味わったところで、お手紙を見てみましょう。
おお、今回はオーダーシートへの記入内容が要所で引用されていますね。
「感情が掴みにくい」「掴みどころのない」
ああ……なるほど……そこを拾ってくれましたか……。
「孤高の人」
あ~そこ実はちょっとオーダー意図と違うのだけど……でもこれはこれでアリ……。
……そういえば、前述のヤバな一面には全く触れられていませんでした!笑
「あ、そこ拾わないんだ」と少し拍子抜けしちゃったんですが、香料のラインナップやそれらの花言葉なんかを覗いてみたら、ちょっとだけ仕掛けがあったかも。深読み前提というか、読み取り方次第で楽しめるくらい微かに、仄めかすような要素が隠れていて興味深かったです。
それは花言葉だったり、植物の生え方(?)や用途だったり。
今回の彼は、言ってしまえば「別に普通です〜みたいな顔して生きているけど心の底には大穴も抱えてる(でもまあ誰しもそんなものだよね)」みたいな人として造形しました。自分自身の青春時代そのものといっていいほど大切にしていたひとを失い、自傷的放蕩に甘んじる男。歩みを止めてしまっているわけではないけれど、決意に満ちて前向きに生きているとまではいえない。
そうした過去や思い出に対して愛と神性を抱いてるんだな、と思える構成でした。
もう行けない懐かしい場所を想い、もう会えない愛しい人を神聖なもの・パーソナルな女神として胸に抱え続けているのかな……みたいな……。ふーん……。や、全部(設定考案から解釈まで)空想の産物なんですけど……。
オーダーしてみて
なかなか満足。
Scentlyさん、届いた香り・香調やお手紙内容を取っ掛かりに自分であれこれ空想して、楽しい〜〜〜☝️☝️となれるタイプの人にはうってつけだと思います。
いい意味であまりこだわりがないだとか、言葉を尽くして他者とやり取りするのが(伝わらなさ・もどかしさも含めて)楽しいとか、自分の創作に新風を吹かせたいんだ!とか、そういう方にはいい刺激になるんじゃないかな。
一方、(もちろん好みもありますが)フレグランスそのものの質というか、重厚さや香りの奥行きみたいなものはさすがに百戦錬磨のメゾンに一歩譲るかな、とは感じました。私は重苦しい香りも好きなほうなので、あくまで個人の感想ですってことで。
なので「フレグランスそのもののクオリティをどこまでも追い求めたいんだッ!」みたいな鼻の求道者よりは、「対象への思いや解釈を研ぎ澄ませたいんだ!」みたいな心の求道者向けかもしれないですね。道にもいろいろあるな……。
何にせよ自分の好きなものと向き合う作業はかなり楽しいので、そう言った意味でもイメージフレグランス、オススメです。