孤独こそ至高

右足、左足、右足、左足…
次はどっちの足を前に出せば良いのか
分からなくなって立ち止まる
急に立ち止まった私を、迷惑そうに一瞥して過ぎていく人間たち

私の頭はいっぱいいっぱいだった
今日は、初対面の人間とたくさん会わないといけない
私は何よりそれが苦手だった
変わらない毎日を送るのでさえ私には苦痛だった
いつもと違う日、それが一番怖い
他の人間と関わらないといけない日、それが一番しんどい
どうにか、無難に、穏やかに、毎日を過ごしていきたい
あの人、頭おかしいよね。
普通じゃないよね。
そういう言葉を投げつけられないように
少し離れたところで珍しい生き物見るみたいに
全部聞こえてる
私がなにも言わないのは、何を言っても全部他の人間のおもちゃにされるから
何が面白くてそんなに笑ってるのか私には分からない

右足だ
一歩前に出せば、あとは、歩けば良いだけ


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