22年前の北海道旅行記①
2002年。
大学4年だった僕は、この頃から既に人生に行き詰った感を覚えていた。
というか、なんだかいつも寂しかった。
昔から人間関係を構築するのが苦手で、うわべだけの友人ならいたのだが、真に自分を慕ってくれる人は誰一人としていないとずっと感じていた。だから寂しかった。
もちろんその原因は自分にあるのだろうが、青二才だった僕にはその解決策などまったくわからなかった。ただ人と上手く関われない自分を嫌悪するだけの日々が続いていた。
その結果
「もういいよ!じゃあ僕ちんもうずっと一人で生きるから!まずその決意表明の第一歩として、長期の一人旅でもしてやるんだから!プンプン!」
と、誰にも何も言われても無いのに、一人で勝手にいじけて今後の人生の方針まで決めてしまうぐらいに何かを拗らせてしまった。
一人旅を満喫することが今後一人で生きていくことの足掛かりになるであろう、という発想がもうね。脳みその少なさがうかがえるというかね。
まあそれは置いといて、かくして大学四年生のとある残念な男は行き先を北海道に決め、長期の一人旅の計画を立てるのであった。
北海道に決めたのは、一度は行ってみたかったというのと、長期で旅をするなら広大なこの大地はうってつけだと思ったから。
それと、漫画「めぞん一刻」の主人公である五代君が、旅先の北海道でささやかなロマンスに遭遇するというシーンがあるのだが、それに影響されたってのも正直ある。僕にも旅先でそんな夢みたいな出会いとかないかなぁ♪と。(無かった)
それと旅の期間は2週間ほど。言うほど長期でもない気はするが。んで出発は夏休み後半の9月初旬。
道内は自由に回りたいから移動手段は車。
予算は船代も含め確か20万円以内くらい。節約のため宿にはなるべく泊まらず車中泊で。
風呂はあちこちに点在する温泉を利用する。
飯は適当。
以下に書く行程はほとんど記憶だよりになるので、曖昧な箇所や事実とちょっと異なる部分もあるのと、あと描写はもちろん当時のものだから、現在とは大幅に違うかもしれんけども、まぁそこはごかんべん。
まず北海道への脱出ルートとしては、茨城県の大洗港発~北海道の苫小牧港着の商船三井フェリーを利用。車ごと乗っけて24時間の船旅だ。
当時、自宅から大洗に車で向かうのもまぁまぁ時間のかかるドライブであった。高速なら早いのだが、貧乏学生なので節約のためひたすら国道6号を走った。この時点でもう最高に楽しかった記憶がある。
さあ、これから旅に出るぞ!というあの感じがいい。
国道を北上するにつれ景色が変わっていくのもいい。土浦を過ぎたあたりから土地の空気が地方のそれっぽくなるのが好きだ。
大洗町に入ったところで、個人商店かと思われる雑貨屋のようなところで飲み物を買って小休止。高い建物が周りに無く、古さが残る素朴な街並みと夏の終わりをうっすら感じさせる空がマッチした風景は未だに忘れられない。
まだ北海道に上陸すらしていないのに、この旅での印象深い1コマであった。写真に残してないからより美化されてるのかもしれない。
船で記憶に残ってるのは、誘導員に従って車を移動させるところと、わりと質素だった船内。
だだっ広い客室で大勢で雑魚寝。
一人一畳分のスペース。
両隣はおっさん。
北海道マップを眺めてたら、「兄ちゃん1人旅か?初めてか?〇〇と○○は行っておいた方がいいゾ」と、お約束の教えたがりおぢ。どこにでもいるものなのだね。とはいえ北海道談義は楽しかった記憶がある。「向こうでまた会うかもな~」なんて話したりして。
そんなむさ苦しいおっさんズトークも、当時からコミュ障だった僕には長時間は疲れるので、適当なタイミングで離脱して船内を回る。
映画館や売店やレストラン、風呂があったっけな。
デッキに出てみると一面青い。ひゅう。テレビとかでしか見たこと無い景色だぜ。トップ画像はその時のやつ。人生に一度はこういう景色を好きな人と眺めてみたかった。
「キレイだね・・・」
「うん・・・」
「でも君の方がもっとキレイさ」
「もう、バカ///」
発想がもう貧困だし昭和。まぁ昭和生まれだし仕方ないね。
あと今時「///」が何を表してるのか分かる人いるんだろうか。敢えて説明はせんけど。
24時間の船旅は流石に退屈だった。
暇をつぶそうにも当時はスマホは無いし、マップ以外は本とか持ってきてないし、節約したいから売店で雑誌とか買う気にもなれないし、映画はカケラも興味なかったしで。
どうやって暇をつぶしたかはもう記憶にないけれど、何はともあれちょうど24時間後には無事苫小牧に到着した。
おお・・・記念すべき初北海道!やってきました苫小牧!
苫小牧では真っ先に行っておきたいところがあった。
実はとある知人から、「苫小牧のクリッパーという回転寿司は行っとけ」と聞いていた。寿司屋にしちゃ随分とファンキーな店名だなぁと思ったけど、まずはマップを頼りにそこを目指した。
そうそう、今回の旅のお伴であるこのマップ。実はこれもその知人から勧められたもので、「北海道ツーリングマップ」なのだ。車用ではないんだな。
これがまたライダー用なだけあって、詳細に宿や温泉や道の状況(ダートやら何やらと)が記載してあって本当に便利だったのだ。この時まだ車にナビは無かったので、唯一の頼りになる相棒だ。
この知人は僕が旅好きになるキッカケを与えてくれた人なのだが、話すと長くなるのでここでは省く。今も元気にしてるといいけど。
話は戻ってそのクリッパー。無事店舗を見つけて寿司をいただいた。
好き嫌いが幼児並みに多い僕は、寿司と言っても貝類、エビカニウニ、魚卵系はダメなのです。なので食えるのは魚とか玉子だけ。
てなわけで王道のマグロをいただく。
うんま。
月並みな感想だがそれしか出てこない。美味い。語彙に乏しくグルメ評論は苦手なのでこれ以上は何も言えんが、問答無用の美味さ。さっそく北海道からの強烈な先制打だ。ああ、来てよかったぜ。
というわけで、1記事2500文字程度に収めたいので、今回はここまで。
また次もどうぞよろすくね。
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