グルメはとても難しい
希少で貴重な友人からありがたいお誘いをいただいて、ちょっとお高めなイタリアンに行ってきた。
なんでも予約取るのもなかなかに困難であるほどの人気店なのだと。
その名も「サローネ2007」。
横浜の中華街近くにあるレストラン。
それなりに格式は高い印象で、店内は高級感と品の良さが漂う。
最低限のテーブルマナーやドレスコードはわきまえた方が良さそうだ。
とりあえずジャケットを着てきて正解だった。
テーブルマナーは自信ないけど、まぁなんとかなるだろう。
うーん、こういう食事って結婚式くらいでしか経験ないな。
僕はグルメには極端に疎くて、小洒落たこういった店とは無縁の人生だったもんで。
そういえばビジネスでも、こういうタイプの店を利用したことはなかった。
せいぜい回らない寿司とかそんなもんくらいだったかな。
ところで、僕は絶望的に味オンチである。
不味いと感じる嫌いなモノ以外は、大体なんでも美味いと思う。
それから食に拘りも無いから、腹を満たせればもう何を食べてもいい。100円以下の激安カップ麺でも十分に美味いと満足する。
米だって全ての種類が美味いと思う。
ささにしき、コシヒカリ、あきたこまち、と言われてももう全部美味い。違いが全くわからない。
パンも同じ。6枚切り100円の食パンとちょっとお高めの食パン。多少の味や風味、やわらかさの違いくらいはわかるけど、どっちもたいして変わらずに美味い。
ただ、僕はこのように味にルーズなくせに、好き嫌いはとんでもなく多い。だからかなりの偏食。
そして食わず嫌いも多い。
見た目がグロいと感じたらもう絶対食べない。例えばナマコとか。
それからクサいのもイヤ。納豆とか。
でも、同じような独特のニオイのある銀杏やチーズは大好き。自分でも好みの基準はよくわからない。
まぁとにかく僕は味オンチ、偏食、食の拘りも無い、という「グルメ」とは対極に位置する残念な人間なわけであります。
でも誤解はしないでほしいんだけど、食べるのは大好き。美味いものは美味いと素直に喜んで食うし、食は楽しめるつもりである。
料理人を尊敬する気持ちだってちゃんとある。
・・・というわけで、今回のこの「サローネ2007」だって、どんな食事が楽しめるのかともうウッキウキだったのである。
こんな僕だって、ゴージャスな内装に包まれ
オシャレなテーブルを前にしたら気分は上がる。
ただこの店のグルメリポートはネットにくさるほどあるので、ここでは料理の感想に関して細かいことは書かない。
と言うか書けない。
なぜなら、「めっさ美味い!」という稚拙な感想しか抱けなかったからである。
濃厚で美味い!サッパリしてて美味い!とか、
それくらいのバリエーションはある。
でもそれ以上、詳細に感想を言うのが僕には難しいのである。
料理や食材に関して、まるで知識も興味も無いのでどう評論していいのかまったくわからないからだ。
ただ、全ての料理は嘘偽りなく美味かった。
普段食べられないような食事を味わえて、高級感漂う雰囲気も楽しめて、大いに満足。
あと、スタッフさんの配慮も良かった。丁寧でありつつフランクさもあったので、身構えずリラックスできたので。
これが気取ってツンツンしてるようなスタッフさんだったら、また違ってたのかもしれない。
まぁ今時そんな店もあんま無いかね。知らんけど。
なんにしても、ネットでこの店の高評価が多かったのも納得だ。
ちなみに料理はこんな感じ。写真が上手い人はより美味しそうに撮れたのかもしれない。
料理名はなんか難しくて覚えられなかったので、まあ省く。メニュー貰ったんだけど、持って帰るの忘れてしまった。スタッフさんごめんなさい。
少し話は逸れて、こういったグルメに関するリポートなんだけど、ネットでの口コミを見ると表現豊かで詳細で「通」っぽい感想が多くてビビる。
「素材の風味がなんちゃら」
「◇◇がアクセントになってうんちゃら」
「〇〇と△△のバランスがとても良く・・」
「◎◎の甘さと××の香りがマッチして・・」
何をどうしたらこんな感想言えるようになるんだろか?
僕みたいな味オンチには、それらの全てが
美味い!!最高!!の二言に集約されてしまうんだけど・・・
食材や料理にもっと興味を持てばまた違うのかな?と言っても、食に関して「美味いものを食う」こと以外にまるで興味がない僕には、それはなかなか難しそうである。
でも舌が肥えてる人なら、味わい方を知ってそうだし、だからこそ料理の良さを理解し楽しむことが出来るんだろうなと。
そう思うと、僕みたいなバカ舌野郎がそれなりに高級料理というか、手の込んだ料理を食べに行くのはなんだかもったいないような気がする。
もったいないとは、お金のことじゃない。
例えば一流のシェフが、創意工夫し試行錯誤の末めっちゃくちゃ素晴らしい料理を作り上げたとする。
そんな素晴らしい絶品料理が、僕みたいな何も知らないアホに貪られ、奥深い味わいを堪能することも無く「うま~い♡」の一言で片づけられてしまうのである。
これではシェフも料理も報われないなと。
口に合う合わないは別にして、少なくとももっと違いの分かる人にじっくり味わってもらわないと、なんだかもったいない。
とは言え、もちろん食の楽しみ方は人それぞれだから、誰がどんな料理をどう味わおうが、他人に対してはとやかく言うつもりも思うところも何も無いんだけど。
ただ少なくとも僕は、自分自身に対しては、
もうちょっと食に対する姿勢を見直すべきなんじゃないか・・・?と、今回の食事で真面目にそんなことを思ってしまったのである。
・・・と、御大層なことをここまで書いて、いったん手を止めて、1日ほど時間を置いた今。
うーん。やっぱりそれでも食に関して、どうしても食うこと以外には興味持てる気がしない。
ま、別に無理せんでもこのままでいっか。
と思うに至り、結局何も変わらず。
まぁなんて言うか、食に拘れる人やグルメな人ってのは、ある意味それも一つの才能なのかもしれない。
どうも僕にはその才能は無いようで。
でも貧乏飯でも満足できちゃうので、それはそれで良しだなとも思う。
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