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342 義母の終活⑤~突然お金を借りに来た義母。
《前回の話》
2か月ぶりのシリーズ投稿です。
週1でお願いしているデイサービスに義母もようやく慣れたようで、毎週のお迎えを楽しみにするようになりました。施設のスタッフも優しい方ばかりなのか、私が準備を手伝わなくても自分でイソイソと用意をしては待ち焦がれています。先週など時間前に私のところまでやってきて「なかなか迎えに来ないので玄関の前で待っている」と報告。暑いので止めましたが。
しかし残念ながら認知症は緩やかに進み、時々病院には連れて行くものの状況的にはデイサービスに世話になる日を追加することも検討中。幸い今のところ体は健康なので食事や洗濯、買い物など日常生活は自分で行っているのですが。
ところが今週、ちょっとした問題が。たまたま自宅事務所で仕事をしていたら急に義母がやって来て「お金を貸してほしい」と言うのです。何に使うのかを確認したところ「薬を買う」とのこと。薬って何?「今もう薬を売りに来ているので支払いたいのだけど財布が見当たらなくて」。
置き薬の管理は想定外だった
慌てて階下の祖母の家に行くと、置き薬専門の会社の営業マンが来ていました。義父が生前に契約をしていたのです。そういえば彼らの家には色んな薬が常備されていたのはこれだったか。かなり色んな事前準備や事後対応をして、病院で処方される薬はもちろん、お金のことなどもほとんど我が家で管理できるようにしておいたのですが、迂闊にもこれは失念していました。
というか、義母が認知の進行で財布を見つけることができなくなって私にお金を借りに来たので気付くことができたのは幸いだったかもしれません。と言うのも、彼女は明らかに不要な薬を購入し、また飲むはずもない高価なコーヒー豆なども大量に購入していたからです。これは営業マンの口車に乗せられて買ってしまったのでしょう。
この営業マンに名刺を求めた後で「悪いけど全部この場でクーリングオフするね」と有無を言わさずに断言しました。「母は少し老化と認知が進んでいるので、金銭的なことは全部我が家で管理しているから、今後は必ずウチを通してからにしてください」とも。そして最後に「僕もビジネスマンだから営業マンであるあなたの気持ちはよく分かるけど、こういうやり方は絶対に良くないのでやめてください」と。彼はそそくさと帰っていきました。
今回は運よく気付いてあげることができたのですが、独居老人などでこのように不要な契約をしてしまっている方は沢山居るんだろうなぁ、と思うと少し胸が痛みます。でも孤独に生きている高齢者は、いざというときの薬は必要ですし、誰かが話相手になってくれるだけでも嬉しいこともあるのは事実なんですよねぇ。
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岡橋秀樹
一般社団法人プリエンド協会 代表理事
㈱プリエンド・マーケティング 代表取締役
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