私たちのせどりの裏側。
『せどり』という言葉を耳にしたことのない人は多いと思います。
私も初めて、その話を聞いた時
『それって仕事?』
『仕入れた物を高く売るって相手を騙しているようなもの』
と、とても嫌なイメージを持ったことを覚えています。
せどりという言葉が一人歩きしてしまうと、その本質を理解しようとする人は少ないのではないのでしょうか。
せどりについて私自身が、やっと『せどり』が理解できるようになったのは主人が本職を片手間にせどりを初めて2年くらい経った頃でしょうか。
朝一で仕入れに行き、夜帰ってくる主人。
子どもを寝かせてくれるのは主人なので、子どもたちが寝入るとゴソゴソ仕入れた物の整理を始めます。
出品にあたっての商品の清掃です。
仕入れるものによっては、これが売れるのだろうかと思うほど汚れている商品もありました。
でも、主人は空気清浄機のフィルターを丁寧に洗ったり、ベビーチェアをパーツごとに綺麗に拭きあげたり、プリンターの修理に何時間もかけたりしながら、やっと『出品』に辿りつくんです。
「こんなのも掃除したら、使えるようになるんだよ。」
と、嫌な顔一つせず毎日のように黙々と作業をこなす姿に私のせどりの見方が変わっていきました。
私にはそんな根気がないので、まめな性格の主人はお手本です。
私が病気になり、外出ができないほど落ち込んでいたとき、たまたま「一緒に行かない?」と誘ってくれた主人。
正直、めんどうだけど1人で毎日不安に過ごすより良いかもしれないと思いながら、その日は主人のせどりに付き合うことになりました。
お店で主人がリサーチをする間、特に何かに興味をもつわけでもなく店内をフラフラしていた私。
時々、主人のところに行ってスマホで商品相場のリサーチをする手元を見たり。
私「何それ。」
主人「リサーチ。」
私「へぇ。」
主人「こういうのは品番があるから、それを入れるんだよ。」
そんなつまんない会話だったのですが。
また、主人から離れて店内を歩いているとショーケースにあった置物が目に止まりました。
以前にも少しお話したことがあるので読んでくださった方はご存知かもしれませんが、それが私にとってのはじめての仕入れになった商品です。
素材は艶やかで女の子の姿がとてもとても素敵な置物でした。
これが私の、せどりの一歩目です。
あんなにつまらないことと思って見向きもしなかったせどりから、生活に楽しみができ、ちょっとだけ癒された感覚をもらったことを覚えています。
出品にあたり、主人の真似事でキズなどを確認したり吹き上げたりという簡単な検品と清掃をして。
どこをどう検品するべきなのか、気をつけるのかなど一つ一つ教えてくれました。
実は、家電が主な仕入れのジャンルだったその時の主人にとっては目から鱗だったそうです。
仕入れの後の車の中で、主人が何度も
「すごいな。はじめてなのに。」
と言った言葉は私への褒め言葉と言うよりも、どっちかというと主人の独り言に近いような一言だった気がします。
1週間ほどして、商品を気に入ってくださった方がいて無事にお譲りできました。
せどりを『そんなの仕事じゃない』と、白い目で見る人はいるかもしれません。
では、会社という建物がある仕事であれば立派なのでしょうか。
公務員が地域の人のために仕事をすることだけが素晴らしいのでしょうか。
誰かに指示された作業を黙々とこなすことだけが仕事なのでしょうか。
主人が言うには、やらされていることは『労働』自分がこれがやりたいと思うことが『仕事』だと。
せどりなんて仕事じゃない。
ただのお小遣い稼ぎだ、いつまでそんなことをするんだと見下す人は『経験』なしに考えてはいないでしょうか。
せどりの裏には、少なくとも個人の限りないやる気と根気と商品を欲しいと思う人への思いやりがあります。
あなたにはありますか。
毎日それを途切らせることなく仕事をする自信が。
せどりは楽しい仕事です。
そして勉強、経験が自分には大切な成長になります。
商売は人と人との繋がり。
それは、どんな仕事も同じです。
だから、どんなことでも自分から学ぶ、相手から学ぶ気持ちで何かに向かう人を尊重し合えることが望ましいのだと感じています。
せどりの裏側には思いがある。
今日、働いているあなたの姿の裏側にはどんな気持ちがありますか?
関係ないんですけど、これめっちゃ美味しいです。
蒸しパンだけだと口の中の水分もってかれるけど(歳のせいじゃないと信じたい)とろけるプリンがいい仕事してくれます。
ではまた。