初期型ランサー
昨日見た夢。子供の頃うちにあった車。
クラッチを繋いだら勢いよく発車してしまった。足がブレーキペダルに届かない。アクセルペダルも当然踏んでないのだが、なぜか速度はどんどん増していく。ライトは暗く前方はほとんど見えない。ハンドルにしがみつき脚を伸ばしてなんとかブレーキに触れた。腰はシートから浮いている。ペダルの感触は堅いが効きは悪く速度はダラダラとしか下がらない。ああ事故はこうやって起きるのかと恐怖の中で納得した。しかし何にもぶつからず何も轢かずどうにか車は止まった。
見知らぬ場所にいた。人気のない山の中。母の勤め先の小学校へ向かう山道かもしれない。車は初期もののランサーだった。デメキンのような丸いヘッドライトとその内側には四角いコブのようなフォグランプが付いた顔。4ドアセダン。月明かりでは正確な色はわからないがおそらくくすんだ緑色だろう。五十年前に親父が乗っていたのと同じ色だ。
思い出した。俺はこいつのリアビューが猛烈に気に入らなかった。何がそんなに嫌だったのか確認しようと後ろにまわったところで目が覚めた。
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