翻訳者の名簿
夢の中では翻訳者の名簿のメンテナンスはわたしの仕事になっている。
昨日も亡くなった人、犯罪を犯した人、完全に需要がなくなった言語の方などを削除し、新規の方を何人か追記した。
そのうちの一人。「吉田」と書いて「ギザギザ」と読むらしい。さすがに世にも珍しいあの言語の使い手。出鱈目にもほどがある。弊機構の名刺はもれなくフリ仮名が入るのだが、これは印刷屋が拒絶するレベルの珍名だ。
この後の総務のにがり切った顔など想像してニヤニヤしていたら、備考欄にはなんと、仕事上は「ヨシダ」で通す、という記述が。なんと凡庸で退廃的で背徳的な。一家心中して先祖にあやまれ。
下の名は極めて平凡だった。全く記憶にない。確か、寺の息子みたいに音読みしたくなるような名前だった。