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35歳専業主婦がIT系ベンチャーを起業したワケ

私は人生で何がしたかったのだろう。

子育てに専念するため会社員をやめて専業主婦になったあと、気持ちがドーンと落ちた時期がありました。

結婚して子どもに恵まれ、自分の望んだ生活が目の前にある。幸せなはずでした。

毎日掃除して、ご飯を作って、子育てをする。

これだけでも立派な仕事なのに、当時は「私は何も生み出していない」「私は誰の役にもたっていない」と存在意義が見いだせなくなっていました。

次第に、子どもに対して満面の笑みをみせることができない自分が余計に嫌になるという悪循環。

忙しい日々を必死に生きているのに、虚無感から抜け出せる感じがしない。

子どもを寝かしつけたあとに涙が止まらない夜が続き、自分でもどうしていいのかわからなくなっていました。

【簡単な略歴】
2009年:大学卒業とともに就職と結婚を同時にする。作業療法士として精神科病院に勤める
2012年:長女を出産し、産休・育休を取得
2013年:保育園に預けて仕事復帰
2015年:次女出産し、産休・育休取得
2017年:三女出産後、専業主婦となる。

自分を変えるための職探し

苦しみの原因を考えていました。

・ワンオペ子育てをしている
・多忙な夫とのすれ違い
・沖縄の実家は遠くて頼ることができない
・仕事をしていないので社会との繋がりが薄い

これらはすべて事実ですが、環境のせいにしている自分がいることに気づきました。

そして、私の出した結論は

自分を変えよう!

環境を変えるため、変わる糸口を探そうと正社員でない新しい仕事をしようとすぐにネットで職探しと子どもの預け先を調べました。

しかし、未経験で子どもがいて融通の利く仕事はあまりなく、子どもの預け先の問題にもぶつかりました。

「やっぱり子ありは厳しいな…」
3ヶ月くらい彷徨っていたかと思います。

どうせツラいなら、何でもいいからはじめよう。

すがる思いでたどり着いたのがオンラインで人と会話をする仕事でした。

なんか怖いけど、これなら在宅で仕事ができるので、子どもがお昼寝している間や夜中にできる。預け先を探す必要もないし、隙間時間にできるので子どもが体調を崩しても職場に迷惑をかけることもない。

未経験で不安もありましたが、とにかく現状を変えたい一心で、勢いだけでスタートしました。

コミュニケーションが仕事に

勢いではじめてみたものの、私と話すことにお金を払う価値はあるのだろうかと不安は拭えませんでした。

見ず知らずの人と会話に緊張してうまく話せないこと、何を言っていいのか分らず相手に通話を切られてしまうこともありました。

「やめた方がいいよ」「なんでここにいるの」

こんな事を言われることもありました。

「私には向いていない」と何度も心が折れそうになりました。

でもここで諦めたら何も変わらない。そう思い、1日30分でも隙間時間があれば仕事を続けました。

お客さまと話した内容をメモしたり、メールでのやりとり、心理学やコーチング、銀座のキャバ嬢の書籍を読んだり、思いつく限りのことは色々やりました。

「イイ時間だった!楽しかったよ、ありがとう」
「あなたと話をすると元気が出るよ」
「居てくれて、ありがとう。」

気づけば感謝されたり、喜んでもらえるようになり、リピートのお客様が増えていきました。収入も会社員時代をはるかに超えていました。

私とのコミュニケーションに価値を感じてくれている人がいる!これがコミュニケーションの価値に気づいたきっかけです。

過去の辛かった経験も、すべてが人とのコミュニケーションの糧になっていました。

「自分には価値がない」と塞ぎこんでいたのに、人に喜んでもらえることで自信を取り戻すことができ、人生の可能性が広がったように感じられました。子どもたちに満面の笑みを見せられる母に戻ることができました。

あのとき行動しなかったら。この仕事に出会えていなかったら。まだ泣いている夜を過ごしていたかもしれません。

他人事には思えなかった、貧困問題

いつものように仕事をする前、何気なくニュースを読んでいると”沖縄の風俗、時給は1500円”の見出しに目が止まりました。

安すぎる!という感想だけでなく、生まれ育った沖縄のことだったので余計に気がかりでした。

実際、沖縄の貧困率は34.8%で全国で一位。全国平均の18.3%を約2倍近い数値となっています。

もっと詳しく知りたくて「沖縄の風俗、時給は1500円」の記事にでてきた沖縄の風俗業界で働く女性の聞き取り調査を続けている上間陽子さんの著書を手に取りました。

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貧困・孤独・DV・風俗、これらの問題が絡み合い、厳しい状況の中でもわずかな選択肢の中から道を選んで必死に生きていく姿が書かれていて、胸を打たれました。

同時にこれは沖縄だけの問題じゃないと思いました。

資格がない・キャリアがない・育児や子育てなどの理由で働ける場所は限られています。能力があっても働けないことで苦しい状況を我慢せざるえない場合があります。

でも働くことで、人生の選択肢が広がる。そのことを私も強く実感していました。

チャンスをつくりたい

働きたいけど働く場所がない。キャリアがなくても、機会(仕事)さえあれば持っている能力を発揮できるような仕事を作りたい。そう思うようになりました。

コミュニケーション力で働くということは誰にでもチャンスがあります。資格を取得する費用や期間もいりません。勉強も必要ですが、それよりも生きてきた経験や培ってきた人間性が活かせる仕事です。

そして相手に喜んでもらえる仕事です。どんどん便利になっていく世の中だからこそ、必要とされるのが「人と人とがつながるコミュニケーション」なのだと思います。

私には事業開発や経営の経験はありません。家事や育児が好きで、3人の子育てに奮闘している普通の主婦をしていました。

それでもコミュニケーションという素晴らしい仕事を通して、人生を変えるチャンスを作り出したいのです。一人でも多く「この仕事と出会えてよかった」って思える人のために、新しい働き方をつくるため仲間と挑戦していきます。

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