リーダーの能力はチームの成長曲線に蓋をする
サイボウズに入って若手から中堅に差し掛かろうとしていた頃、当時の上司から「リーダーの能力がチームの成果のキャップになる」という話を聞きました。わかるようなわからないような感覚でずっと過ごしてきましたが、僕自身いろんなチームのリーダーを経験したり、たくさんのリーダーやチームを見てきて、社会人15年目を目前にしてようやくわかってきた気がします。
リーダーの能力とチームの成長
チームはどんどん成長します。タックマンモデルでは、チームは形成期から始まり、混乱期、統一期を経て、成果を出せる機能期に至るとされています。優秀なリーダーはチームを機能期までスムーズに導き、機能期ではチームで成果を出し続けることができます。未熟なリーダーは、チームを混乱期に長くとどめてしまったり、機能期に達することができないままチームや自身が役割を終える場合もあります。
タックマンモデルに成長曲線を当てはめると、次のようになります。
最後は散会期でチームが解散するとされていますが、実際は解散しないチームもたくさんあります。機能期が長く続くと、その成長曲線はどうなっていくのでしょうか。
僕は2パターンあると考えています。チームの規模拡大が認められていて、規模拡大に応じてリーダーが役割分担や権限委譲を進められるチームは無限の可能性を秘めています。一方、チームの規模拡大が見込めない場合、同じ人がリーダーを続けているとチームの成長はいずれ頭打ちします。
リーダーの能力はチームの成長曲線に蓋をする
もちろんリーダーもどんどん成長します。それでも、過去に作り上げた仕組みや意思決定を自身で覆すのは簡単ではありません。当時の判断にはちゃんとした理由があるはずで、その理由を一番よくわかっているからこそ変えるのは難しいのです。また、チームで作る仕組みや意思決定はリーダーの能力に依存します。誰だって自身の能力以上のことはできません。
これが、僕の当時の上司が言っていた「リーダーの能力がチームの成果のキャップになる」で、言い換えると「リーダーの能力はチームの成長曲線に蓋をする」ということなんだと思います。
リーダーが変わるとチームの成長曲線はリセットされる
リーダーが変われば、過去のやり方を疑って変えていくことができます。過去のリーダーが思いつかなかったことにもチャレンジできます。過去のリーダーよりも成果を出せる保証はありませんが、成長曲線の蓋はいったん取り除かれます。そこからどう成長していくかは新しいリーダー次第です。
チームの規模にそれほど変化のないチームでは、長くても3年ほどでリーダーを変えた方が良いでしょう。チームの新陳代謝ですね。規模拡大が見込めても、役割分担や権限委譲が得意でないリーダーはチームの成果をスケールさせられないかもしれません。
リーダーは、いずれ自身がチームの成長曲線に蓋をすることを理解して、適切なタイミングでリーダーを退くことを決断しましょう。そうすることで、チームは成長し続けることができます。
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