印刷のこと③ 印刷におけるCMYK
今までのおさらい
○大きい紙にデータを沢山貼って→刷る→切る
○本には右綴じと左綴じがあって、どっちもよき
さて。本を語りだしたら長くなりそうなので、先に別の話。
今日は印刷の基本と言ったら基本なのですが「色のはなし」です。
プリンターのCMとかを見ると「何色インクでキレイ!」とかやっているし、
実際に電気屋さんでもプリンターのインクを購入した事のある人はなんとなく、「3~4色あるんでしょ?」というのはわかっていると思います。
もちろんそれは家庭用のインクジェットプリンター、
もしくは会社で出力するためのレーザープリンターの事だと思います。
さあ、ガチな印刷会社は何色使っていると思います?
シンキングターイム!
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答えは4色です!
4色なの!?と驚いてもらえたらとっても嬉しい…!!
WEBのデザインというのは光の三原色である「RGB」(アールジービー レッド・グリーン・ブルー)を使います。
(この画面上でも、「なるほどRGB」だなんてわかる事はありませんが、RGBが使われています。多分)
それに対して紙の印刷物というのは、「CMYK」(シーエムワイケー)が使われています。
C シアン
M マゼンダ
Y イエロー
K 黒(スミ)
なんでKだけ黒やねーん!と多くの人が今までにつっこんでると思うので割愛。
オフセット印刷という、版を使用し大量に印刷する場合は、この4色に基づいて、カラーの場合は、基本的には版を4枚出して印刷します。
その4枚というのがイメージするとこんな感じです。
↑シアン
↑マゼンダ
↑イエロー
↑スミ版
今回これを書くために調べましたら。
K→C→M→Yと刷るのだそうです!
スミ版とシアン版重なったかんじ
それにマゼンダ版も重なるとこうなり…
イエロー版も重なるとこうなります!
(ちなみに画像の右上の4色がCMYKです)
恐ろしいことにこの画像の文字がリッチブラックで作られていることを堂々と発表してしまいたしたが
(実際の印刷物でやったら怒られるやつ)
当然4版使うとなると、モノクロ一色に比べると3枚プラスで版を出すので、物理的にお値段もお高くなってしまいますし、刷る時間もかかります。
でもその分、プリンターとは違う、美しい色の印刷物ができるんです!
特色(指定した色用に版を出す)なんて事もできますが。これはまた別のはなしで。
CMYKと、RGBのことはデザイン会社に勤めていたので、当然、常識というか知ってはいたのです。
印刷会社で初めて知ったのは、「RGB」だったら「版が出ない」ということです。
版出す前の段階で「おとといきやがれ」となります。門前払いです。(※イメージです)
CMYKでも、モノクロの印刷で、ほかの色の要素が入っているのに気がつかずに進むと、出来上がりが想定よりうっすーいグレーになるという地獄が印刷後に見つかり「ぎゃー!」と叫ぶことがあったりしますが。
これはもう、それ以前の扱いです。
なぜかというと、RGBは上に書きましたが、光の三原色だからです。
中学で習いましたが覚えていますか?
あの3色が交わるところは白くなるというアレです。
そして絵の具を想像してみてください。
絵の具で濃いピンクと…水色と…黄色を混ぜたらさあ、パレットの上はどうなるか!
誰しも経験あると思いますが。くろっぽい色になりますよね?一言で言うと残念な色。
似ているように見えても、そもそも違うものなのです。
私たちのような印刷物のデザイナーがPC上でデザインするのも、実は見えている色はRGBなのです。
それをPCがCMYKに近づけた色で見せてくれているのです。
RGBで入稿されたものをする刷る際にはCMYKに変換させてもらうのですが、時々「モニターの色に近づけてください」という指定が入ることもあるのですが、
モニターによっても色が変わって見えるので正解の色がわからないーとなるのです。
(どうぞ、入稿の際はCMYKを、ぜひCMYKで、どうかCMYKでお願いします)
長くなりましたが。
生活に隠れるCMYK。当然、世にあふれる紙ものはCMYKでできているので、
印刷物やお菓子のパッケージを見たときにちょこっとこのはなしを思い出して貰えたら幸いです。
牛乳パックなんかには印刷面にあの4色が印刷されてるのが多いので。
ぜひ、見てみてください!
さて最後に。
上の画像がCMYKで下がRGBです。
こんなに色が違うなんてびっくりです。