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"初登板"から1年 佐々木朗希の面白さ
初めにお断りしておきます。これは高校時代から佐々木朗希さんのことを見たい知りたいという思いに取り憑かれたオタクの認めた文章です。オタク歴マウントと捉えられてしまう部分も多々あると思いますが、長く見てきたなりに感じている魅力についても語っていますので、歴マウントくらいは見逃してやるよ!というご寛大な方は読んでくださると幸いです。
"初登板"から1年
佐々木朗希投手が実戦の対外試合で初めて投げてから、今日で1年が経ちます。一般的に初登板といえば一軍の公式戦で初めて登板することを指しますが、私にとっては今でも、2021年3月12日ZOZOマリンスタジアムでの1イニングの登板が”初登板”。
結果は、中日ドラゴンズの主力選手たちを相手に三者凡退。
登板後の第一声は、「超楽しかったです!」と #佐々木朗希 投手。「マリンは最高です!」と笑顔。#chibalotte #広報 pic.twitter.com/OUDZK5n9U0
— 千葉ロッテマリーンズ (@chibalotte) March 12, 2021
この登板以前から応援していたファンや見守っていた地元の方には分かっていただけると思いますが、この日投げるまでの一年間は本当にいろんなことがありました。それだけに、涙なしでは見られなかった。
<12>1年目は実戦登板なし。厳しい声もあった。
「プロは結果を出さないといけない。その時に自分が言い返しても無駄だし、自分のやるべきタイミング、出番が来るまでコツコツやり続けようと思った。元々、僕は野球がうまくない。ヘタクソだった時の経験が生きた」
本人がこう言っているので私も多くは語らないことにしますが、良かった点を少しだけ。
本拠地で観戦する地元のマリーンズファンには残念ながら見る機会がなかったと思いますが、投げなかった1年目もビジターの試合前練習では吉井理人投手コーチ(当時)に見守られながら、これだけでチケット分の価値があると思えちゃうようなキャッチボールを見せてくれていました。実際、私はこれを見るためだけに京セラドームのロッテ戦に通ってました。(我ながらよくやってたなと思う)
以下、現地ファンのツイートをお借りします。
朗希のキャッチボールを見守る吉井さんの図 pic.twitter.com/dOxP02pSYJ
— シラスポン (@hihitotoF) October 9, 2020
早く試合で佐々木朗希みたいな〜 pic.twitter.com/QHBRgIKFaq
— えんどー丸 (@Mendomalu) October 21, 2020
……ね、すごいでしょ? 佐々木朗希さん。沈黙を貫いた1年目、新たに出発した2年目、そして3年目のオープン戦。PayPayドームでのあの投球。プロで投げ始めて実質1年の人があれ。すごくないですか?(すごくないわけがないですよね)
ここまでがこのnoteを書こうと思い立ったきっかけ。初登板から1年が経ち、これから始まるのは否応なしに注目が集まり、たくさんの人に期待されるシーズン。せっかくだから朗希投手の面白さを綴ってみよう! と、そういうわけです。どうか最後まで読んでいただけると嬉しいです。
きっと本質は変わらない 妥協しない強さ
タイトルにもあるように、私は朗希投手のことを「おもしれ〜」と思いながら見ています。もちろん「かっこいい!」とか 「すごい!」とか そういう感情もあるんですけど、根底にあるのはいつでも「おもしれ〜」です。だから何回でも見たくなるし目が離せない。少年心をくすぐるとでも言えばいいのかな。
そもそも、私が朗希投手を推し始めたのも「おもしれ~」が発端でした。読んだのがこの記事。当時、朗希投手は高校2年生の16歳。
2回に人生初の本塁打を浴びると“本気の佐々木”が顔をのぞかせた。直後の打者の3球目から154キロを2球連続で投げ込んだ。
「前の打者に小中高で初めてホームランを打たれていたので、悔しかった。ヤバいなと思ったので、ギアを上げた」
面白くないですか? この感じ。あんまり面白いとばっかり連呼してると語弊がありそうだけど、マンガやん! 的な感動がある。
被弾した直後に自己最速を更新する154キロを続けて投げちゃう。この負けん気の強さがめちゃくちゃ面白いな! と。そこからどんどん気になってきて、今に至ります。
負けん気の強さはプロ入りしてから徐々に落ち着いているというか、ムキになることなく冷静な投球が出来るようになってます(という印象を受けます)が、三つ子の魂百までというように、意志の強さという本質は変わらないんじゃないかな? と、彼を観察しているとそう思います。一言でいえば、頑固。それもまた面白い。
頑固と聞いてマイナスイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、私は誉め言葉としてそう表現することにしてます。昨年末のnoteにも書きましたが、頑固な朗希投手は自分が納得するまで妥協をしません。そしてそれは、筋トレに対して自身がどのような方針をとるかについても。
私のnoteから中略して抜粋したものを下記に。
筋力トレで身体を大きくするということに本人が多少違和感を持っていた。身体を大きくして自分の思うように動かなくなったらどうしようという不安があったと思うので、大きくなることが悪いのではなくて身体を大きくしようと無理をするのがよくない。自分の身体を動かすためのトレーニングをやって、その中で勝手に身体が大きくなるという形にすればいい。そのためには食事面もしっかりやるのが必要、という話をした。
ABCラジオ 道上洋三の健康道場(2021年12月18日)
きちんと納得してからでないと動かないけれど、納得が出来て突き進んでいくときの朗希投手の集中力と成長速度には目を見張るものがあると、そう思っています。
投球についての妥協しない姿勢についても例を挙げてみましょう。例えば、先日話題になったこれ。
5回、9奪三振、無失点の好投をみせた #佐々木朗希 投手。「今日はあまり調子は良くなかったのですが、試合の中で修正しながら投げ切ることができて良かったです」と登板後は落ちついた表情で話をしていました。#chibalotte #オープン戦 #広報 pic.twitter.com/wm3VCDhRcr
— 千葉ロッテマリーンズ (@chibalotte) March 5, 2022
163キロを出しておいて調子が悪いとは? と話題を呼んでましたね。あれだけの速球ならばストライクゾーンに投げられる制球力があれば抑えられるという考え方もありますが、彼はここにも妥協しない。
スピードとコントロール。自分はどちらもいいと言われたい。
高校生からプロへ、猛々しい負けん気の強さから、自分の投球を追究する強さへと、妥協しないという本質そのままに大人の投手へと変幻しつつある。そこも、私が思う朗希投手の面白さです。
好縁を惹きつける豪運
さて、話は打って変わって、今度は朗希投手の周囲について。
まず、好縁とは何か。辞書を引いてもそんな言葉は存在しないのですが、好ましい縁という造語です。朗希投手が歩んできた野球人生において、様々な縁に恵まれてきた点も面白い(interesting)んです。
力不足ではありますが、いろんな媒体でかき集めてきたお話を少しばかりご紹介。
野球を始めたばかりのころ、最も身近な指導者であったお父さんの功太さんは「朗希はすごい選手になる」と仰り、内角を突くことの大切さを教えてくださったそうです。
大船渡に移り住んでから進学した大船渡第一中学校の当時の野球部部長には、親交のあった花巻東高校の佐々木監督に紹介してもらい、腰の痛みについての正確な診断へと導いてもらっています。
腰の痛みを訴えた当初、大船渡市内の病院に行くと、「身体が硬いだけ」と言われたが、鈴木氏は釈然としなかった。入学前から、投手として成長していく上での柔軟性の大切さを、兄を通じてアドバイスし、中学入学後も佐々木はストレッチなどを怠らなかったからだ。それゆえ、鈴木氏はこれまでも教え子が進学していた花巻東の佐々木洋監督に相談する。同じく成長痛に苦しんだ大谷翔平が高校時代に通った青森県八戸市の病院を紹介してもらい、そこで疲労骨折と診断されたのである。
そういった周りの方に支えられて成長した朗希投手は、大船渡高校へ進学。3年生の夏の大会で話題になったためにご存じの方も多いと思いますが、ここで2年生から硬式野球部の監督を務めていらしたのが國保陽平氏です。
ここから怒涛の好縁が連鎖。まず、國保元監督は筑波大のご出身。そこで、川村卓准教授に師事されました。名前を見たことのある方も多いと思いますが、川村準教授はスポーツ力学の権威。つまり、大船渡高校の國保陽平氏は筑波大の大学院で川村准教授に師事されていた吉井理人氏と同門にあたるわけです。
そういった背景の中、朗希投手は2019年のドラフト会議にて、吉井コーチの在籍する千葉ロッテマリーンズに指名を受けます。4球団競合の中、井口監督の黄金の右手が大仕事を成し遂げました。
井口監督黄金の右手、やりました!4球団競合の末、大船渡高の佐々木朗希投手との交渉権を獲得しました! #chibalotte #ドラフト会議2019 pic.twitter.com/Gh5n6W2Ocm
— 千葉ロッテマリーンズ (@chibalotte) October 17, 2019
そうして縁が繋がってきた吉井コーチ(当時)との2年間は、前項で私が(勝手ながら)頑固と称したように、何事にも根拠を求める研究者気質の朗希投手にとって貴重な時間だったことと思います。まさしく豪のつく指導者運。
<13>吉井投手コーチに指導を受けた。高校時代との違いは。
「学生時代の指導者は投球だけを教えるわけでないし、投球自体を教わったことはない。吉井さんは自分の質問に対し、的確に答えをくれる。自分で考えさせてくれた」
今季から吉井理人氏はピッチングコーディネーターの役職に就かれ、現場からは少し離れてロッテの投手陣をサポートしていかれます。
後任の1軍投手コーチである木村龍治氏も、プロとアマ両方から野球界を盛り上げてこられた名コーチ。朗希投手が木村コーチからどんなことを吸収し、どのような成長をしていくのかが今から本当に楽しみです。
佐々木朗希は面白い
とうとう最終項です。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。むしろ読ませてしまって申し訳ないまである。
備えた1年目、いよいよ出現した2年目、そして3年目。OP戦から163キロだとか平均160キロだとか話題性たっぷりで、たくさんの期待がかけられている今シーズン。正直ただのファンですらビビっちゃうくらい各方面からの期待が重いんですが、朗希投手なら今まで見たことのないものを見せてくれるはず。
登板日にスポナビをチェックしてみるとか、それくらいでもいいので、みなさんも朗希投手を気にかけて、少しでも応援してくれると嬉しいです! そしてこの記事がその一助になれちゃったならもっと嬉しいです!
最後に朗希投手の登場曲である、あいみょんさんの今夜このままから歌詞を引用し、結びとさせていただきます。
みなさんもどうか、朗希投手の沼に溺れてください。彼の面白さを分かち合いましょう!
消えない想いは
軽く火照らせて飛ばして
指先から始まる何かに期待して
泳いでく 溺れてく
今夜はこのまま
泡の中で眠れたらなぁ
(了)
21年シーズンの振り返りと22年シーズンへの期待を綴ったこちらの記事も併せて読んでいただけると嬉しいです(宣伝)。