書籍: 『AI時代の質問力 プロンプトリテラシー』が発売されました
※ この記事はPR、宣伝を含みます
はじめに
去る7月10日、書籍『AI時代の質問力 プロンプトリテラシー』が発売されました。自分が所属している研究室 のボス(@miz_oka)と会津大学の橋本先生(@yashichi)の共著です。橋本先生も以前は弊研究室に在籍されていました。
7月16日現在、amazonの売れ筋ランキングでカテゴリー内1位になっているそうです!すごい!
そして大変ありがたいことに、レビューという形でこの書籍に関わることができました。商業出版されている書籍に何らかの形で関わるのは今回が初めてだったので、大変貴重な経験になりました。
少しこの書籍の紹介・レビューをしたいと思います。
概要・紹介
ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルに「どのようにプロンプト - 入力を与えたら良いのか」そのテクニックや手法が紹介されています。Zero-shot / Few-shot promptingのようなシンプルな手法に始まり、ReActやエージェントモデルのような専門性の高い内容まで紹介されています。
これらの手法が提案された一次リソースは学術論文であるため、どうしても読む敷居が高く感じられます。しかし本書籍内では、はじめて学ぶ人にも理解しやすいようにまとめられています。「多くの人に向けて書かれたプロンプティングに関するサーベイ論文」のような位置付けの書籍に感じました。
余談ですが、書籍内で紹介されている手法は以下のページなどにもまとまっています。興味があればこちらも合わせて確認すると面白いと思います。
総評として「ChatGPTという名前こそ知っているが触ったことはない」方々の取っ掛かりとして、非常におすすめできる一冊です。実際に手を動かしながら体感することができるため、多くの方の参考になると思います。ぜひ手に取ってみてください
余談: 大規模言語モデルと人工生命
書籍の紹介自体は上述した通りで、以下簡単な余談です。書籍の中に以下のような記述があります。
元々(というか今も)研究室が扱っている対象として『人工生命』があります。著者のお二人の専門も人工生命や複雑系、それに近しい分野であるためこのような考察がされていたと思います。
「計算機によって生命を再現できるのか」というのは長らく研究されているテーマの一つであり、古典的にはLife Game (Game of Life)などがわかりやすい例です。
「大規模言語モデルによって生命を再現できるのか」という部分問題を考えた時、"生命の再現" をどのように解釈するのかによりますが、チューリングテスト的な観点で見るとすでに実現されているのではないでしょうか。つまり、「インターネットの向こう側にいるのは人間だと思っていたが、実際は大規模言語モデルだった」ということが起こっていることは容易に想像ができます。
その一方、"生命の再現" を時間軸によって - 学習、進化や自然淘汰といった現象を元に捉えるのであれば、この実現はまだ完璧にはできていないかもしれません。
いずれにしても「大規模言語モデルによって生命を再現できるのか」ないしは「計算機によって生命を再現できるのか」という問題を考えてみると面白いかもしれません。
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