「おい!」「応答しろ!」《Can you celebrate?な夜》第10話
「おい!」 という女の声で目が覚めた。
「応答しろ!」
しばらくしてから
「おい!」
ちょっとしてから
「応答しろ!」
私は何か悪いことをしたのだろうか。大きな声で寝言でも言ったのか。
時計を見たら午前2時半だ。
「おい!」
「応答しろ!」
私は「は~い。」とか言って、返事をするべきなのか。
「おい!」
「応答しろ!」
だんだんと覚醒度合いが大きくなってきて、思考能力がよみがえって きた。
『隣の部屋で男が酔いつぶれてリビングで寝てしまい、女が起こそうとして いる?』
『でも、目の前で寝ている人間を、夜中に大声をあげて起こすものだろう か。』
『揺り起こせばいい話じゃないの。』
『ささやけばいいだろう。愛のささやきで。』
でも、女の声がいつもより低い気がした。隣室の女性はもうちょっと高い 声だった気がする。とすると、下の階なのか? しかし、音がよく響く建物だ。