電通大・筑波大・都立大 院試合格体験記(院試浪人)

はじめに

私は2023年8月に実施された電気通信大学の院試に落ち、院試浪人をした。
その後、2024年8月に3つの大学院入試を受け、全ての大学から合格通知をいただくことができた。
このnoteでは、受験のスケジュールや対策方法についてお伝えできればと思う。

スケジュール

2023年8月17-18日
電気通信大学の院試を受けた。全体的に対策不足、特に力学と電磁気学は問題を見ても解法が思いつかず、高校生の頃の知識で解く羽目になった。

点数開示。合格圏内まであと2人だった。

2023年8月24日
研究室の教授から、進路についての面談をしたいとメールが来た。合否については書かれていなかったが、この時点で不合格だと察し、就活と院試浪人について調べていた。

何を血迷ったか、↓のnoteも買った。

他の多くの記事でも書かれているが、院試に落ちた場合は以下の選択肢がある。

  1. 就活

    1. 大学の支援室を使って25卒

    2. 就活浪人して26卒

  2. 院試浪人

    1. 計画留年

    2. 研究生(非推奨)

  3. 他大の冬入試

周りの院試に落ちた人たちの割合的には2-1を選ぶ人が大多数で、1-1が2割くらい、3と卒業して社会人枠で受験する人も知る限りでは1人ずついた。
これらの選択肢の中で、私は26卒として1~2社のみ企業の就活を進めつつ、院試浪人をすることにした。
もし本命の企業から内定を頂ければ26卒の学部卒で就職。ダメだった場合は2024年度実施の院試を受ける(2社程度なら院試勉強の妨げにならないと判断した)。
詳細は省くが、第一志望の企業で選考落ちしたため、院試に向けて舵を切ることにした。

なお、 2-1を選んだ場合のスケジュールは、2023年後期に卒論を書き終え、2024年前期は休学、2024年後期に復学して卒業となる。

2023年9月-2024年2月
卒論を書き終え、発表まで終わらせた。
この期間、院試勉強はしていなかったが、併願校については考えていた。1校のみだと今後半年間のプレッシャーとストレスで苦労するだろうと予想していたためである。
決め方は後述するが、この時点で

  • 電気通信大学

  • 筑波大学

  • 東京都立大学

の3校を受験することに決めた。

2024年3月12日
休学のために類長と面談をした。院試に落ちて計画留年する人は多いらしく、スムーズにサインをいただくことができた。その足で教務課に向かい書類を提出した。

2024年4月21日
筑波大の分野ごとに行われるオープンキャンパスに参加した。全ての研究室を見て、受験時に提出する第一志望の研究室を決めた。

なお、願書には第一志望と第二志望の研究室を書く欄があるが、必ず埋めなければならないというわけではないらしい。私は、面談と研究計画を考えるのに時間をかけられなかったため、第二志望の研究室は書かずに出願することにした。

2024年4月25日、5月24日、5月28日
都立大の研究室見学に行った。3日に分けて研究室見学をしたが、可能であれば1日で見学できるようスケジュールを組むのが良いと思う。
研究室見学は各研究室のHPに書かれているメールアドレス宛にメールして行った。

このとき、受験許諾書のようなものにサインを貰う必要があるため、自分で印刷して持っていくのを忘れずに。オンラインでもできるかもしれないが、手間がかかる。

2024年5月21日
筑波大の教授とZoomにて面談をした。受験の意志があることを伝え、入学後の研究内容について話した。
入学後の研究内容については受験時にプレゼンする必要があったため、念入りにすり合わせる必要があった。

2024年6月17-19日
都立大出願。期間が短いので注意。

2024年7月9日-22日
筑波大出願。ほぼオンラインで完結するのはすごい。電通大も見習って欲しい。

2024年7月22日-26日
電通大出願。3校の出願料がトータルで9万円を超え、破産。

2024年8月7−8日
都立大試験当日。

家から都立大までは1時間半くらいなので、前泊はせずに挑んだ。
試験会場には当日座る席が張り出されているのだが、65名の定員に対して、57名分の席番号しか書かれていなかった。倍率1倍切り。合格確定演出。そのおかげか、精神的に余裕を持って受けることができた。

試験の出来については、埋めることができたのは数学は2.5割、専門科目は8割くらいだった。また、2日目の面接では希望する指導教員が目の前にいる場で、緊張のあまり上手く話せなかった。

2024年8月16-17日
電通大試験当日。

家から電通大まで近いため、同じく前泊はせずに挑んだ。
こちらは倍率が1.93倍。

試験の出来については、数学7割、物理5割、専門科目8割くらい埋めることができた。力学が易化しており、試験後にざわついていたのを覚えている。面接についても去年の院試の面接と同じ内容を話し、個人的に満足のいく受け答えをすることができた。

2024年8月22-23日
筑波大試験当日。

家から筑波大まで2時間半くらいかかるため、睡眠時間の確保と寝坊対策のため前泊した。
1日目はつくば駅から徒歩10分くらいの旅館、2日目は秋葉原のカプセルホテルに泊まった。
倍率は約1.4倍。

筆記試験については6割くらい埋めることができた。が、その後の筆記試験の内容を先生方の前で説明する試験では線形代数のある分野の定義について質問され、上手く答えることができなかった。2日目の研究計画プレゼンの方が配点が高いと聞いていたので、引きずらないようにし翌日の発表練習をした。

2日目は入学後の研究内容についてのプレゼンを行った。1週間前から毎日練習していたのもあり、カンペ無しでスムーズに発表を終えることが出来た。プレゼン後、教授3人から5つほど質問されたが、卒研発表を経験していたおかげか、そこまで狼狽えずに答えられた。分からない点については正直に「分かりません。」と答えたし、突かれたくない部分を突かれたら「その点については、入学後に指導教員の先生と相談しながら進めていきたいと考えています。」と答えた。多分耐えた。

2024年8月30、9月9日、9月12日
各大学院の合格発表日。全ての大学院から合格通知をいただくことができた。

2024年10月~(今後の予定)
現時点では筑波大学へ進学予定。

その旨を現在の研究室の教授に伝え、2024年後期は去年の卒業研究のブラッシュアップ、引き継ぎ資料の作成、就活0年目として資格取得、TOEICの勉強などを進めたいと考えている。

併願校の決め方

個人的な意見だが、筆記試験の科目を見て決めるのが良いと思う。今回であれば電通大を受験するのは確定していたため、そこと試験科目が被っている大学院から選んだ。

特に私の場合は学部生の頃に流体力学を履修せず、熱力学にも2年ほどのブランクがあった。卒業研究を3月までしていた身としては、本番までの4~5ヶ月で流体力学と熱力学をほぼ0から勉強する時間を取ることが厳しいと判断。そのため、それらが受験科目にない大学院を選ぶ必要があった。関東圏内の大学院を考えていたが、この時点で、横浜国立大学、千葉大学、東京農工大学が選択肢から消えた。

一方で、下の表に示すように、都立大は筆記試験の科目が数学と力学と材料力学。筑波大は数学のみである。電通大の試験勉強が他の大学の勉強にも活きると考え、この3校を受験することにした。

もし現在大学1~3年生で他の大学院への進学を考えている人は、受験したい大学院の科目から逆算して履修計画を行うと進学先の選択肢を広げることができると思う。

試験対策方法

この章では試験対策について書く。
先ほど説明した併願校から、対策しなければいけない科目は優先度順に以下の通り。

  1. 数学

  2. 力学

  3. 材料力学

  4. 制御工学

  5. 電磁気学

TOEICは去年の4月に取ったスコアがそのまま使えるため、勉強はしなかった。

対策としては、基本的にマセマと授業資料を使って勉強し、大まかに概要を確認した後、過去問の演習を行った。過去問でわからない部分はマセマと授業資料に戻っての繰り返し。

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過去問は電通大と筑波大の10年分を3周、都立大は5年分を2周演習した。院試は明らかに過去問ゲーなので、6月までは過去問を集めながらマセマの1周目と授業中の演習問題を行い、7~8月に過去問の周回+マセマで抜けている部分の確認をしていた。

勉強時間は1日5~6時間程度。その他の時間はアルバイトや息抜き、睡眠時間に充てていた。

各教科の得点配分を確認するもの大事である。私は電磁気学が死ぬほど苦手かつ、上の表のように点数配分が50/600点だったため、捨てる選択肢を取った(去年に電磁気を捨てた人と物理6点で合格している人が知り合いにいたのも決め手の一つ)。そして、電磁気学の勉強に使う予定だった時間を数学と専門科目に使うことで、電磁気学分の点数を補う戦略とした。

点数配分の公表は大学によって異なるが、普通は募集要項に書かれているため、そちらを参照してほしい。

メンタルケアの方法

精神を病む方ではないため、参考になるかは分からないがメンタルケアのために行っていたことを記す。休学が始まる3月から院試本番の8月まで行っていたのは以下の通り。

  1. 月1での親とのビデオ通話

  2. 院試コミュニティへの参加+情報集め

  3. 毎日外に出る

  4. 同じ院試浪人の友達との勉強会

浪人生は毎日勉強しかしないため、身近な人や一緒に頑張っている人とのコミュニケーション、進捗の共有をするのは大事だった。また、スタディプラスと呼ばれる勉強時間記録アプリで友人と競ったり、修士1年生の同級生が就活をしているのを見たりして、モチベーションを保っていた。

加えて、毎日外に出るのも効果があったと思う。太陽光は体内時計をリセットするのに必要だし、セロトニンによって気分が鬱々するのを回避できていた気も、する。

おわりに

以上が院試に落ちてから計画留年をし、再受験する院試浪人生のスケジュールである。

このnoteがこれから院試を受ける人、院試浪人を予定している人の役に立てば幸いである。

以上。

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