【幾億光年】を自分なりに解釈する。
ご無沙汰しております。
最近は、別のクリエーティブに夢中になっておりnoteが疎かになっていました。
(反省)
今回はタイトルにもあるように
Omoinotakeさんの【幾億光年】という曲について
自分なりに解釈していきます。
久々にハマった曲です。
歌詞はこちら。
なぜこの曲にハマっているかと言いますと、
ワードセンスが好きなんです。
もちろん歌詞の背景にある
主人公の感情も想像はしますが、
それより、絶妙なワードチョイスに惹かれました。
そもそもこの曲自体、
作詞を担当されている福島さんがご友人と死別されたというバックストーリーがあるようですが、「死別」とは切り離して考えていきます。
「めくれないままでいる夏の日のカレンダー」
ここ、具体的でとても好きです。
俵万智さんの短歌にある
「思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ」
これがまず頭に浮かびました。
どの季節にも濃厚な思い出、ありますよね。
戻りたいけど戻れない、思い返すと懐かしくて特別な瞬間。
具体的に「夏」と言ってくれているので、聴いている側も想像が膨らみやすいです。
「送り先もわからない忘れものばかりだ」
きっと、思い出も一緒に送りたいと思っていることでしょう…。
いや、むしろ取りに来て欲しいまであるんです。
「デイバイデイ」
デイバイデイ=1日1日、日増しにといった意味です。
「時が経つにつれて、どんどんあなたを想う気持ちが膨らんでくるよ」という気持ちを、たった6文字で伝えられるのすごい。
サビのトップに置かれているので、さらに思いが強く伝わってきました。
「どんなスピードで追いかけたら また君と巡り逢えるだろう」
個人的にはこのフレーズが1番刺さりました。
「光年」…。
光の速さによって、時間の流れるスピードが変わるゆえの
この言い回し。とてもおしゃれじゃないですか?
さらに、
恋愛にしろ何にしろ(恋愛目線で書きます)、
相手とスピードを合わせるものなんですよね。
「相手に」じゃなくて「相手と」です。
この主人公からすると、復縁したいからこそ、
そこまでの駆け引きだったり
相手への気持ちの寄り添い部分を
どんなスピードで行えば、また好きになってもらえるんだろう、っていう。
追いかけたいんだけど、追いつつ歩幅を合わせるんです。
絶妙だなあ…!
「めぐりあい」も「幾億光年」というタイトルにも掛かっています。
ここのワードセンスすごく好きです。
「囁けばさ 届けられた距離」
「近くにいた」とかって言いたくなりがちなんですが、このワードになっていることで、こちらも具体的な情景を想像することができます。
また恋愛目線で書きますが、
付き合っていた頃の2人のイチャイチャラブラブあっちあちなシーンを想像しちゃいました。
囁けば届くんですよ?
ゼロ距離ですよね。
それだけ心も体も身近な存在だったんだな、と。
「どうしてかな 離れている方が 言葉溢れだすのは」
恋愛中や、家族と離れて住んでいる人、
なかなか会えない大切な友人…
多くの人が、誰かのことを考えながら
会えない日の夜などに思いがちなことを言語化されています。
いいなと感じる曲って、どんな状況の人が聴いても共感できますよね。
例えばofficial髭男dismさんの【pretender】
失恋した人はもちろん、LGBTQ、不倫、叶わぬ相手との恋など
どんなシチュエーションにも当てはまる歌詞になっています。
「あの日君が見上げてた 藍色の先を見つめ」
藍色の空に流れる星を見つめていた。
空です、空。だけど、
藍色→深い色の海→ポジティブではない涙
こんな連想もできました。
「君があのとき見上げていた藍色の空」を
今は主人公が見てるんですよね。
心の中で涙を流しながら。
「瞬きもせず照らして待ってる」
ここも「幾億光年」とかかっていて素敵です。
まばたき=星のまたたき。
歌詞は本当に奥深い…。
音にのせようとすると、
意外と単純なワードの方が
人の心に刺さったりしますが、
その分かりやすいワードで、
なおかつ聴いた人の想像を膨らませるためには
すごく技術が必要だと思います。
この【幾億光年】という曲は、
切ないストーリーであるにも関わらず
明るい曲調で進行していくのが、またいいですよね!
切なさをわざと隠している、このギャップ。
「頑張って耐えてるんだな、明るく振る舞いながら」
って、ちょっとキュンとします。
以上。