見出し画像

ICF認定資格試験サンプル問題5 - SolutionsAcademy動画解説

こんにちは。ライフコーチのタクです。

4月も後半に差し掛かりましたが、私の住んでいる札幌はまだ桜が咲かず、暖かい日と寒い日を行ったり来たりしています。でも雪は溶けて、街に緑が戻ってきました。真っ白だった景色がカラフルになり始める今の季節は、心も自然と明るい方に向かっているような気がします。

SolutionsAcademyの動画によるICF認定資格試験対策、引き続きやっていきましょう。

あくまで英語で発信されている内容をそのまま日本語で読めるようにしていくというコンセプトで、わかりやすさのための最低限の手直しだけをして、公平に、透明に、お届けしていきます。

題材にするのは、MCC, PCCコーチからなり、 2018年より累計1000人以上のICF資格申請のサポートを行ってきた実績のあるSolutionsAcademyという団体による動画です。こちらの動画シリーズです。

試験やサンプル問題について詳しくは、1回目の記事をご覧ください。
それでは、早速いってみましょう。


サンプル問題Q5

サンプル問題の5問目について、動画の内容をもとに考え方、解き方を解説していきます。

ICFのサンプル問題8個ありますが、動画では、それぞれがコンピテンシーの8項目にそれぞれ対応していると述べています。というわけで、以下にサンプル問題の拙訳と、5つ目のコンピテンシーを提示します。

サンプル問題5

普段しっかり準備をしてくるクライアントが、葛藤を示しているというシナリオです。

あるコーチは最近、クライアントの退職後の計画を支援するために協力し始めました。クライアントは、地元の小学校で30年間教鞭をとっている評判の良い教師です。クライアントは常にコーチング セッションに向けて十分な準備と体制を整えてセッションに参加し、セッション間の進捗状況を定期的に報告し、コーチングの会話中に焦点を当てるべき特定のトピックを持ってきてくれます。顧客は退職を楽しみにしていると話していますが、退職後の計画については非常に淡々と話します。現在実施中のセッションで、クライアントは退職が始まるまであと 2 週間あると話し、クライアントは策定する必要がある残りのいくつかの計画に集中したいと考えています。突然、クライアントは泣き始め、「私は人生の半分をこの学校で過ごしてきました。私は生徒たちを愛していますし、同僚は私の親友です。毎朝学校の正門を通らないなんて、私の人生がどうなるか想像もできません。」と言いました。コーチは何をすべきでしょうか?

選択肢
1. 少し時間をとってから、今日集中したい残りの計画を見つけるようクライアントを促す。
2. クライアントに本当に退職したいかどうかを尋ねる。
3. 退職は人生の重要な転換点であり、感情的な反応は正常であることを認める。
4. 少し立ち止まって、それからこの変容がクライアントに与えていると思われる感情的な影響を認め、その感情と向き合う時間を過ごしたいかどうか尋ねる。

ICFより引用(筆者訳)

コンピテンシー5

05. 今ここに在り続ける

定義:開放的で柔軟で安定的で自信に溢れる態度を以って、クライアントに対して感覚をフルに開き、今ここに共に在り続けている

1. クライアントに対して、集中しており、観察者であり、共感的で、反応良く対応し続けている
2. コーチングの過程において、常に好奇心を示している
3. クライアントとともに居続けるために、自身の感情を管理している
4. コーチングの過程において、クライアントの強い感情と向き合うことへの自信を示している
5. 知らないことに対しても、快適に対応している
6. 沈黙、間、または振り返りのための余白を作り出し、許容している

ICF Japanより

動画では、コンピテンシー5.1 「反応良く対応し続けている」という表現について、重要なのは今ここで起こっていることについて反応よく対応することであって、先に決まっていた計画を前提として対応することではないことに注意を促しています。

また、今回のシナリオでは、コンピテンシー5の中でも、柔軟性、観察者であること、共感的であること、反応よく対応すること、好奇心を示すこと、自身の感情の管理、クライアントの強い感情と向き合うことへの自信が重要になってきます。これらを念頭において、選択肢を見ていきましょう。

解き方と解答

いつものように、選択肢の中から、良さそうな選択肢と悪そうな選択肢を二つずつに分け、その上で最善と最悪を決めていく解き方で取り組んでみてください。

この先を読むと解答がわかるので、まずは自分で解いてみたい場合は、以下を読み進める前に、ご自身で最善の選択肢、最悪の選択肢を選んでみてください。


ここからは解答の解説です。動画では今回は良さそうな選択肢2つと悪そうな選択肢2つという分け方をせずに、最善と最悪をすぐに決め、残り2つの選択肢に関しては判断していませんでした。それぞれの選択肢と、最善・最悪の行動について、動画の解説を見てみましょう。

1番は、こちらは完全にクライアントを軽視しています。「反応良く対応し続けている」という態度が全く見えません。「人生がどうなるかわからない」という強い感情を共有しているのに、コーチが「はい、ではセッションに戻りましょう」という反応をしてしまっています。以上から、こちらが最悪の選択肢です。

2番は、少なくとも葛藤について触れていますし、3番も、悪くはありません。2番と3番はどちらも悪くはないですが、最悪とも最善とも言い切れません。

4番は、パートナーシップがあり、感情の承認も認められます。クライアントの強い感情に向き合うことへの自信も見えますし、観察者であり、共感的で、今ここに反応よく対応しています。こちらが最善の選択肢になります。

みなさんは正解できましたか?腑に落ちない部分などは、ぜひ周りのコーチ仲間と話し合ってみてください。
というわけで、今回のnoteでは、サンプル問題5についてSolutionsAcademyの動画の内容をまとめました。

おわりに

ここからはまとめてみた感想や個人的な考えを述べていきます。

ここまではどの問題も二つの良さそうな選択肢と二つの悪そうな選択肢に分けられたのですが、今回はそのように回答していませんでしたね。最善、最悪がパッと選べれば、確かに残りは吟味してランク付けする必要はなさそうです。

今回も、コーチ仲間とのディスカッションで気づいたことをシェアしてみたいと思います。

SolutionsAcademyの紹介するPACTにもありますが(詳細は1回目の記事をご覧ください)、やはりコーチがやらなさそうなことは、最善の選択肢としては選ばない方が無難だと思っています。たとえば今回の3番ですが、「感情は当たり前のことだと伝える」とあります。もちろん場合によっては、感じていい感情だと伝えることが有効な場合もあると思いますが、この発言がクライアントに「診断」のように伝わってしまうのは危険だと思います。アドバイスや診断はコーチの役割ではなく、コーチの関わり方以外のものに触れてしまう可能性があります。こうすると権威性が出てきてしまってパートナーシップが崩れたり、契約外の関わり方になったり、最悪の場合間違った診断はひいては命に関わる可能性もあるので、特に注意したいところだと思いました。というわけで、個人的な気づきとしてコーチの役割を超えそうな選択肢に注意した方が良さそうということを共有しました。参考になったら嬉しいです。

ここまで読んでくださりありがとうございます!
もし役に立ったと思ったら、ページの下部にある"記事をサポート"ボタンからの応援もいただけたらとっても嬉しいです。いただいた応援は、まだ日本語で紹介されていないコーチング関連の資料探しに大切に使わせていただきます。

*あくまで個人的な活動のため、お気づきの点、ご指摘などありましたらお知らせください。

それでは、また次の投稿でお会いしましょう~!🙌


今回登場したコア・コンピテンシーの解説noteはこちら:

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングもクライアント募集中です!
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?