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雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の簡素化の詳細が発表されました。(一部追記修正)

社会保険労務士のこうぶちです。

雇用調整助成金および緊急雇用安定助成金について、申請手続きの簡素化の詳細が昨日発表されました。細かい点については確認しきれていない部分もあるのですが、大まかな概要についてお伝えします。

1.両助成金に共通の変更点

休業計画届の提出が不要になりました。

・2020年1月24日から5月31日までの期間に実施した休業については、8月31日まで申請が可能になりました。

オンライン申請が本日(5/20)から受付開始されます。
→5/20追記:不具合のため受付延期のお知らせがありました。

・中小企業のみ、4月8日から6月30日までの期間に実施した休業については、60%を超えた部分については10/10(100%)の助成となります。

最後の点については少々ややこしいのですが、仮に従業員に100%の休業手当を支払い、解雇などを行っていない場合は
 60%部分への助成    :60%×9/10(90%)=54%
 60%を超えた部分への助成:40%×10/10(100%)=40% 
合計94%が助成額となります。(つまり、経営者側の負担額としては6%ということになります)

2.小規模事業所の事業主への特例(両助成金共通)

まず、小規模事業所の定義ですが、「常時雇用する労働者が概ね20人以下」とされています。

雇用調整助成金における「常時雇用する労働者」は、「2か月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の従業員と概ね同等である者」とされていますので、正社員およびフルタイムのパート・アルバイト社員が含まれることになるのではないかと思います。


→5/20追記:今回はどうやら「中小企業基本法」における「小規模事業所」の定義を用いるようです。この場合、正社員だけではなく、パート・アルバイト(場合によっては短時間勤務者も)含まれるようです。正式な発表があり次第追記します。

この条件を満たした場合、簡素化の特例が適用されます。簡素化の主な内容は以下の通りです。

・申請書類が簡素化されました。(Excelファイル1つになり、複数のシートに記入していく形となります)

・所定労働日数の計算において、簡易的な算出方法を使う事ができます。

・休業規模要件が、「従業員2人あたり1日以上休業」でOKとなります。

3.小規模事業所特例・助成額の計算方法(雇用調整助成金の場合)

・助成金の支給額を、以下の2つのいずれかから選択することができます。

a)休業期間中に支払った休業手当の総額を元に、昨年度の労働保険料申告書から算出した平均賃金額や、助成率および休業等延べ日数を用いて算出した額

b)休業期間中に支払った休業手当の総額×助成率

これはa)の計算方法が複雑だという意見から加えられた特例ですね。b)ではかなり計算がシンプルになりますが、一方で助成額としてはa)の方が多くなる可能性もあるので、a)b)どちらの方法を使って計算した方がいいかの判断が重要になってくると思います。

・「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」を平均賃金額の計算に用いることができます。

4.小規模事業所特例・助成額の計算方法(緊急雇用安定助成金の場合)

緊急雇用安定助成金は、雇用保険に加入していない従業員が対象のため、助成金の支給額については、

休業期間中に支払った休業手当の総額×助成率
(ただし、雇用保険の基本手当日額の最高額×休業延べ日数の額を超えた場合は、当該額が上限)

ととてもシンプルになります。

ざっと全体を見た印象としては、小規模事業所に該当する経営者の方にとってはかなり申請しやすくなったのではないかと思います。

ただし、雇用調整助成金については助成額が選択できるようになった分、どの従業員をどれだけ休ませるか、どちらの助成額の計算方法を採るかという新たな判断ポイントが出てきたように思います。

申請期間自体は8月31日までに延長されましたので、じっくり助成額について検討することが重要ではないかと思います。


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