10月31日㈭ 自信を持って納得して満足できる仕事をすることが誠実だし快感

・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
落語をやりたいなという気持ちについここ数日で気づいたのと同時に、清掃の仕事はやっぱやりがいを感じることにも気づく。
2年間勤めている中で自分の身体に技術が染み込んできているのも実感するし、きれいになったら達成感とか快感とかもあるし、デスクワークとかよりも清掃のが向いてると思う。


お笑い界とか落語界とか演劇界とか、いわゆる「私面白いことしますよ」みたいな人たちの集まりにちょこっといたことあるけど、客室清掃の仕事始めてみて、ここの職場の人たちの本物の面白さというか、他人を面白がらせようとして面白くしているわけではない純粋培養の面白さ、それも人生そのものを使っての壮大な面白さ、自分が面白いことに気付いていない凄さ、そんなものに小手先で作った面白はそうそう勝てないなっていう、薄めてない原液そのままの面白で生きてる方々はお笑い界とかには行かないでいわゆる「一般」の世界にいるってことを知ったから、わざわざここ離れて薄めて広く流通させやすくした面白の方を求めたいとは思えなくなってしまった。

一度原液の味を知ってしまうと、もう戻れない。


とはいえ、客室清掃は稼げて月10万程度だし、チーフとかになれば20万近くは稼げるかもだけど上下関係が生まれて面白の人たちの面白の部分を知る機会が少なくなるだろうし、そうなるといつまでも続けられないのか、それとも安定して稼げる副業を見つけることさえできればなんとかなるのか。悩ましい。


・マックで時間潰そうとしたらリニューアル工事中で、仕方なくデニーズに行ったら店員さんがメイドカフェみたいな接客をしてくださって、メイドカフェじゃないのにメイドカフェみたいな接客をするものだからふと厨房に戻るときにオフにした表情が暗く陰っていて、無理しないで!デニーズにメイドカフェの接客求めて来てる人いないから!たしかに値段設定高めのファミレスだけど、だからってご主人様扱いを求めるほどの高級店じゃないから!顔面の筋肉とか使わないで接客しても大丈夫な店だから!って思った。



・人妻の家に行ってその家に住んでいる子供に知恵を授ける仕事。
学校に友達がいなくて、しかも反抗期で家族ともあまり話さなくて、そういう子供に、第三者のおじさんが家に来て1時間半話し相手になる、っていう意味ではすごいやりがいもあるし必要な仕事だと思う。

「不登校支援カウンセラー」みたいな肩書の人が来ちゃうと、身構えちゃったり、自分は不登校児ってジャンルに入れられたなっていうそれだけで抵抗感ある生徒さんも少なくないと思う。
私自身不登校だった時期長いけど、あのとき不登校カウンセラーみたいな人来てたらちょっともういろいろもっとダメになってた可能性すらある。

そこに、家庭教師っていう名目でおじさんが毎週通って、実際はじっくり話し相手になるみたいな、それは意義があるなあと思う。

個別塾だと、周りに他の生徒さんもいるからあまりがっつり私語できないだろうし、家庭教師っていう存在がいいんだろうなと。

と、思う一方で、かれこれ13年近くやってる講師業で、そういえば成績とか学力とかがちゃんと上がった生徒さんってほぼいないなということに気付き、どうやったら生徒さんの学力が上がるのかわかんないし、話し相手がいない生徒さんの話し相手になるという仕事は自信あるけど、成績上げられるかというと全く自信なくて、保護者の方に授業内容とか今後の方針とか話してる時にやってることこれ詐欺師と同じだなとか、地面師の方がもっとちゃんとプロ意識持って騙しきってる分誠実だよなとか思って、決断が遅れに遅れたけどそろそろもう潮時だと思う。


清掃の仕事始めて、そこそこ自信ある清掃ができるようになったことで、教育業が自分にとっていかに自信を持てない仕事かを実感している。


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往生際悪之助a.k.a.悪太郎
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