2月19日㈪
・ホテルの部屋に人間がいた痕跡を消す仕事。
エレベーター点検のため、12時30分~14時30分の間、建物全体が停電されることに。
暗闇の中で作業しなければならないのか、そんなこと本当に可能なのだろうか、とビクビクしていたが、いざ停電してみると、そういや昼間だから外からの光でまあまあ見えるし、非常灯も作動してるから、思ってたほどではなかった。
ビジネスホテルにしては暗いけど、ラブホテルだと思えばまあこんなもんかもしれない、ってくらいの暗さ。
なんなら、いつもとちょっと違う雰囲気で作業出来てちょっと楽しかった。
とはいえ、電気のありがたみを改めて実感。
いつも明るい場所にばかりいると、光のありがたさをついうっかり忘れてしまう。
定期的にあえて暗いところ、光の届かないところへ意識的に行くようにして、光のありがたみを忘れないようにしたい。人生において。
20歳同僚のOさんは、今年から確定申告デビューするらしい。
Oさんはめちゃくちゃ爽やかイケメンで、謙虚で真面目で礼儀正しいし、しかも僕と同時期に入ったからかれこれ1年以上この職場にいる。爽やかイケメンが1年以上も続ける仕事ではないから、ものすごく珍しい。
それでいて、毎朝ハーレーダビッドソンに乗って通勤しており、仕事が終わるとピアスをつけたりと、ワイルドな一面も持っていてギャップがすごい。
Oさんは子供の頃にアクション教室に通っていて、今はパルクールのプロを目指して、清掃の仕事が終わったら近くの公園やパルクール仲間が集まる広場で練習に励んでいるそう。練習風景をYoutubeにVlogとしてアップしていて、動画編集も自分でやっているらしい。パルクール仲間とパルクール教室の運営もしていて、若いのに立派。本当に偉い。
22歳同僚のAさんは、確定申告しなくていいと思っていたらしいけど、たぶんしなきゃいけない。まあしなくてもバレないとは思うけども。
Aさんは大学で美術系のことを学んでいて、この仕事とコンビニを掛け持ちして自分で学費を稼いでいる。
で、バイトのシフトを入れ過ぎたことで単位を落としてしまって留年することになったのだが、その分の学費もまたこの仕事とコンビニのシフトを増やして稼ぐとのことで、また単位を落とすかもしれない。
前にミーティングで支配人が全員に紙とペンを渡して
「みなさん今から、家、の絵を描いてください。描けましたか?では見せてください、私が今、家、の絵を描いてください、とだけ指示しましたよね。そしたら、こうやって三角屋根の家を描く人もいれば、このように三角屋根、あ、また三角屋根だ、えっとこちらは、三角屋根だね、あ、みんな三角屋根か、あの、あー、えっと、あ、忘れて、はい紙とペン回収しまーす」
って何かしらの教訓に繋げようとしたかったっぽいけど失敗してて、その時にAさんがめちゃくちゃ精巧な家の絵を描いていて熟女同僚達が「あら上手ね~!」ってちょっと盛り上がった。
この職場は、コミュニケーション能力がバリ高い熟女子持ち人妻か、無口な若者(31歳の私もこの職場では「若者」の括りに入れてもらえる)、の二種類しかいない両極端な構図となっているのだが、Aさんは21歳にして誰とでもフランクに話せる珍しい若者で、私にもよく話しかけてくれて、とても良い人。
15時に事務所に戻ったら、熟女同僚のMさんが
「テレビ台の前に石が3つ並べて置かれている部屋があった。しかも、神秘的な感じの石ならまだしも、普通の石が3つ、テレビの前にきれいに並べて置かれていたの」
という変な部屋に遭遇して怯えていた。
・チー牛なので松屋でチーズ牛めしを食べる。とても美味しい。
・人妻の家に行ってその家の子供に知恵を授ける仕事。
小学生のHさん。別の曜日にパルクール教室に行っている。
ほぼほぼ引きこもりで人見知りで人間関係が希薄な私の交友関係において、同時期にパルクール関係者が2人も出現するとは。
今月からパルクールのプロコースに入ることになったらしく、しかも今月から中学受験を目指すことにもしたらしく、ハードスケジュール。若いのに立派な御方。
・チャンスの時間の永野さん回を観る。
もし僕がお笑い芸人になったとしたら、お笑いをやることでモテようとか権威を得ようとか格好良いと思われようとか、そうやってお笑いが目的ではなく手段になることが目に見えている。私はそういう人間である。
だから、永野さんもそうだし、ハリウッドザコシショウさんとかくっきーさんとかRGさんとか桂枝雀さんとか、めちゃくちゃ面白いけどその芸風を貫くことでモテるってことはまず無いだろうなっていう、面白く在ることに全てを振り切っている人は本当に凄い。笑いに対する真の誠実さを感じて、めちゃくちゃ美しい。