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写真の産まれ方#3

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2018年10月末

りっこちゃんは"モデル業"を頑張りたいってよく話してくれる。


お芝居のレッスンが楽しかったです

ウォーキングの練習がダメダメだった

結婚式でメモリプレイやるんです

とよく連絡をくれるようになった。
僕はりっこちゃんに、広島のポートレートカメラマンを何人か紹介した。

もっとこの人は経験を積んだ方が、より力を付ける気がすると思って。

尾道で撮影決まりました!
ケンさんと!

ケンさんは僕と同時期にポートレート撮影を始めたカメラ仲間で何度か一緒に撮影した事がある。

良かったね!
楽しんでね。

すると

当日一緒に来てくれませんか?
尾道だと遠くて

撮影場所は尾道の生口島「未来心の丘」

んー....
確かに、車が無いと移動が難しい。
ただ、僕が行くとケンさんの邪魔にならないかな?
邪魔にならない様に撮影中は見学に専念したら良いかな。
ケンさん迎えに来れないのかな?
よし、ケンさんに聞いてみましょ。

どうやらケンさんは、その日四国からやってくるらしい

りっこちゃん、行く足が無いのによく撮影決めたなぁ笑
んー.......

たまには見学してみるか!

尾道へりっこちゃんを送迎する事が決定した。

撮影当日
生口島



午後14時頃到着。
ケンさん、1時間遅れて到着。

今日はこんなの持って来たよ
これ使って今日は撮ろう!

ケンさん、ドライフラワー持ってきてる!
やるねぇ!!!
りっこちゃんもテンションあがった様子。

撮影が始まる。
未来心の丘は、真っ白な大理石で作られた建造物。
床も壁の真っ白。上を見上げれば青い空。

前に一度だけ来たことあるけど、僕はここで撮るのがとても苦手だ。
思った様なコントラストになった事がない。

カシャカシャカシャカシャ

撮影は順調に進んでる。
どこにりっこちゃんを立たせてどうするかは全てケンさんに決めてもらって僕はあくまで見学に徹した。

でも、ケンさんが休んでる間に少しだけ撮った。

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だんだんと日が傾いてきた。
夕日は、どんなカメラマンでも写欲が高まるシチュエーションだ。

"見学"と言いつつも、シャッターを切る回数が増えてしまっていた。

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ケンさんが撮影した写真


17時頃になりケンさんの口から

この近くに海あるよ

って

マジ?それマジ??
夕日と海って最高じゃん!!!

ケンさん!!それって近い??
行ってみたい!!!
車で10分もかからないよ
よし!行こうケンさん!!
ね!りっこちゃん!!


サンセットビーチ

到着した時には既にもう太陽が山に隠れ始めていた。
島根に続き、2度目の海だ。

島根からの帰りの車中、こんな会話があった。

こんなに濡れるんだったら海、全身入りたかったです。
マジ?
次また海行く時は着替え準備しときます。
なら全身海に浸かって髪も濡れてたら良い感じの撮れるかもね。
えー!やりましょうよそれ!
そうだね。近いうちに海リベンジしたいね。


リベンジチャンス


目の前にリベンジチャンスが転がって来た。
でも辺りは薄暗くなってきてる。
時間が無い。

りっこちゃん、リベンジ今しよう!
えぇぇぇ!!!やります!!!

海に入ってく僕らに

マジで?笑

とケンさん

ごめんケンさん。あと20分くらいで夜になる。
ここは頼む。俺に撮らせて!
と勝手な自分都合で海に向かう。もう誰も止められないのです。

そんな様子をケンさんは写真に残してくれていた。

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島根の反省を生かし、りっこちゃんは自ら全身海に浸かってくれた。
僕はこんなシチュエーションは2度とないと思って悔いの残らないように彼女に伝えた。

髪も、いっとく?

鬼ですね僕。

少し間を置いて、何かを決心したりっこちゃんは頭の先まで海に潜った。

とにかくそれからはシャッター切りまくった。
連写しまくった。
出来るだけ多くの彼女の表情を残したかったからだ。
どれだけ撮っても、秒間5コマ連写のカメラでは、些細な表情の変化は撮り逃してしまう。

でも出来るだけ、カメラの限界まで残したかったんだ。

僕はひとしきり撮り終え、まだ満足出来て無かった。


まだ見たことの無い彼女の表情を残したいな。
どうすれば引き出せるだろう?
でも考えてる時間は無い....




この言葉に、賭けてみよう。


りっこちゃん
"女"な部分出してほしいな
え....



戸惑い纏ったその顔は
僕の知ってるキミじゃない



僕のこの目に映るのは
初めましてなキミだった



未だに
ハッキリ覚えている。


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そんなこんなで産まれた写真。


予定に無かった撮影と。
予定に無かった場所で。

予想もしてなかった写真が産まれた。



リベンジは成功したようだ。



この写真は今でも僕達の名刺代わり。
撮った瞬間に、これ程気持ちが高揚したことなんてなかった。

僕はこの日を境に、この人をずっと撮っていくと密かに決めた。

そして、家に帰ってこの日の写真を確認し



"僕達の写真展を開く事を決めた"



別アングルでケンさんが撮影した写真

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写真提供
Ken Tagashira


最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました😊

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