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第6回寄稿 ふわふラプニカ 「どうせ染まるなら骨の髄まで」

見本市2024「しばいぞめ」では、活動最初期にあたる9団体を選出し、ショーケース型の公演を行います。

【公演詳細】
見本市2024「しばいぞめ」
2024年1月5日(木)ー9日(日)@王子小劇場

インタビュー企画に続いて"団体からの寄稿"を集めました!
公演に先駆けて、団体さんの個性を知っていただく機会になれば嬉しいです。
第6回目の寄稿はふわふラプニカさんからお寄せいただきました。

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お初にお目にかかります。
ふわふラプニカの制作担当岩瀬と申します。
今回の寄稿テーマが「芝居染め」という事で、今日は私の芝居染めについてお話させていただきます。
お読み苦しい所もあると思いますが、最後まで是非お付き合いください。

私が芝居と出会ったのは8歳の頃の事です。まぁ、芝居と言っても小学校の学芸会ですが…
オーディションで、「嫌だ!嫌だ!僕が鬼だなんて嫌だ!」というお題の台詞を皆が必死になって言ってるのを見て、(皆下手くそだなぁ…)と思った事を覚えています。
発表順が1番最後だった私は、自分の番が来ると満面の笑みを浮かべ、立ち位置に着きます。先生の合図と共にまず、地団駄を踏みました。眉に力を込め、腕を大きく振りながら顔を真っ赤にして、渾身の「嫌だい!!嫌だい!!僕が鬼だなんて嫌だぁ!」…圧勝でした。僕の圧勝でした。無意識のうちに、しかも8歳でスタニスラフスキーシステムを取り込んで演技を行ったのです。小学生の私に怖い物なんてありませんでした。
小学生のうちに芝居に出会い、天才子役級の演技をしていた私ですが、その頃は芝居を積極的にやろうという気持ちはなく、芝居に染まったのは高校1年生の頃です。
演劇部の可愛い女の子にまんまと騙され入部届けを提出し、いつの間にやら役者として舞台に立つことが決まりました。高校生での私の演技は、もう目も当てられませんでした。日々同期に差をつけられ、先輩や顧問からのアドバイスは止まらず、後輩からは哀れみの目を向けられる始末です。
そんな自分が情けなく、様々な本を読みました。その時にスタニスラフスキーを知り、(私の演技法は間違ってなかったんだ…!)と思い、同じように演技を続けても、やっぱり自他ともに認める大根役者でした。
なんで自分はダメなんだろう…ずっと考え続けた結果、1つの結論に至りました。「自分と向き合っていない」という事です。
小学生の頃は「嬉しい」「悲しい」「楽しい」等、大雑把な感情しか持ち合わせておらず、また、小さな身体を全力で動かしながら日常を送っていましたが、中学高校と成長するにつれ、様々な人生経験、社会との関わり、身体の成長により、自分という物がより複雑化したんだと考えます。そこに向き合わず、昔のままの身体、感情で演技をしようとしても大根役者になる訳です。
よく演劇の勧誘として「自分じゃない何かになれます!」という文句を見かけます。それも嘘では無いと思いますが、演劇、芝居において演技をするという事は「自分をよく知ること」だと思います。自分を知り、役を知る事によって演技を行い、また、その演技がお客様に伝わる事によってお客様もまた様々な感情に染まっていくのではないかと…
少し話が脱線してしまいましたが、私にとって「芝居をする」から「芝居に染まる」に変わった出来事、私の芝居染めとは、自分と向き合うことであったと思います。今回参加する見本市2024には様々な特色、意思、コンセプトを持った団体が参加しています。映像が主流となった現代、是非劇場まで足を運び、芝居と向き合ってみてください。きっと面白い自分、新しい自分が見つけられると思います。

ふわふラプニカ制作 岩瀬

稽古の様子

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ふわふラプニカ主宰のおさべです。
「しばいぞめ」ということで見本市では新年から劇場にいらっしゃった皆さまをぜひふわふラプニカ色に染め染めしちゃおうと思ったのですが、その前におれ自身が芝居に染まりきっていて、いくら洗っても擦っても落ちないんだこれが、骨の髄まで染みててもう後には引けないレベルまでおれの方が芝居に染まっていました。味染みおでんみたいで美味しそうなので、早くみんなもこうなればいいのにな〜〜と思っています。
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ふわふラプニカ主宰 おさべ

稽古の様子

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「出血大サービス‼︎天使の羽根もぎもぎ放題〜ただいまセール中〜」フライヤー


「出血大サービス‼︎天使の羽根もぎもぎ放題〜ただいまセール中〜」フライヤー


◎作品情報◎
ふわふラプニカ
「出血大サービス‼︎天使の羽根もぎもぎ放題〜ただいまセール中〜」

~あらすじ~
自分の性嗜好を肯定できない木津根翼(きづねたすく)は、その苦しみを作品にすることで満足と葛藤を覚えていた。幸か不幸か、同じ性癖を持つ後輩綿貫まりあと出会い、2人は自分たちの生まれ持った性嗜好と向き合うことになる。多様性が認められつつある現代社会でも、誰かを傷つけることでしか得られない幸せは肯定されるべきなのか。傷ついているのは他者か自分か。生きやすい社会の裏に生きる、生きにくい人々のお話。

*この作品は性嗜好の問題をテーマにしているため、性的・暴力的な表現を大いに含みます。具体的には被虐、加虐などの性嗜好に伴う暴力の演技、性的行為の示唆となっております。
ご観劇に不安のあるお客様には事前に戯曲を送付致します。下記の連絡先にご連絡をお願い致します。
連絡先:info-ohsho@proof.ocn.ne.jp


~作・演出~
おさべせりな  

~出演者~
木津根翼役:おさべせりな  
綿貫まりあ:しょげ  
狩屋優人役:岩瀬優

〜スタッフ〜
制作:岩瀬優
宣伝イラスト:おさべせりな
宣伝デザイン・小道具:野間晟樹

~参加チーム・タイムテーブル~
Aチーム
(ちょっとはいしゃく、三転倒立と同時上演)

2024年1月
5日(金) 14:00
6日(土) 19:30
7日(日) 11:30
9日(火) 13:00
受付開始・開場は開演の30分前。
上演時間は約100分予定(1団体につき約30分の上演)。

〜ご予約(ふわふラプニカ扱い)〜
https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?o=afjvz3qc

※次回は明日、ちょっとはいしゃくさんからの寄稿です。次回もまたお会いしましょう!


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