[TRPG]邪神を打ち破るヌトセ=カームブルのシナリオフック
こんばんは。今日は旧き神ヌトセ=カームブルを紹介する。私は基本的にグレート・オールド・ワンの神々が好きで自分のシナリオにも登場させるが、たまには旧き神にも会ってみたい。
一言で言えば、グレート・オールド・ワン絶対殺すウーマンだ。美しい姿と対照的に、汚れた邪神の敗北しか頭に無い、実は脳筋パワータイプなのかもしれない。この神の好きなところは人類に全くの関心が無い点だ。人間を守ってくれる女神様などではないのが絶妙だ。同じ旧き神のノーデンスは人間に友好的な事があると明記されているのと対照的な存在と言える。
覚醒の世界(探索者のいる世界)ではほぼ知られていない存在らしい。彼女を出すとなれば、舞台がドリームランドになり、グレート・オールド・ワンが絡むため、スケールが大きいハリウッドシナリオになりそうだ。
そんなシナリオフックを記載する。
導入
探索者は廃病院で目覚める。あたりは硝煙の匂いと腐敗臭が漂っている。頭をぶつけたのか激しい頭痛と記憶が混濁している。ふと何かの気配がして身を屈めてそちらを見ると、ゴムのような弾力のある皮膚を持つ犬のような恐ろしい怪物が何かの死体を喰っている。
探索者は化け物を恐れて、この場を退散する事だろう。しかし、彼らに見つかり追われる事になる。逃げる中で、世界が荒廃しているのを目の当たりにする。上空は不気味な空色をしており、恐ろしい化け物が飛び交っている。
意外な共闘
グールに追い詰められた探索者は逃げ場を失いこれまでかと諦めた瞬間、意外な言葉をかけられる。しわがれた聞き取り辛い声だが、目の前のグールは探索者に協力を持ちかけるのだ。
半年前に何者かによってドリームランドと覚醒の世界が繋がれ、あちらの化け物が人間界を侵食しているらしい。あっという間に人類は窮地に追いやられ、人間同士の争いも勃発し、瞬く間に世界が荒廃したそうだ。この騒動で眠りにつかされていた邪悪な神々が脈動を始め、ドリームランドの治安すら脅かし始めている。探索者はグールと共に、この世界を元に戻す可能性を探すため、ナイトゴーントに乗りドリームランドの聖堂へ向かう。
世界を打ち砕くもの、ヌトセ=カームブル
グールと共に、ドリームランドに住む最強の神ヌトセ=カームブルの元へ行く。彼女は既に神官たちを従え、ウルタールの猫将軍やグールの群れを率いて、グレート・オールド・ワンの目覚めに備えていた。
彼女の関心はグレート・オールド・ワンの敗北だけのため、覚醒の世界のことや、人類なんて眼中に無いだろう。もしかすると、覚醒の世界が戦地となり地球自体が破壊されるかもしれない。
そんな中、探索者はこの神に共通の目的を提示する事で人類を救う方法を見つけていく。
考えられる展開
既に荒廃した世界を元に戻す方法など無い。
あえて、ベタにご都合主義的な神話生物ニャルラトホテプと交渉する展開にしてもいいが、ここまでの苦労を考えるとやや安易な気もする。
1つの展開例だが、ヨグ=ソトースが招来し1D10/1D100を乗り越えたのちに、ヌトセ=カームブルVSヨグ=ソトースが繰り広げられる最中、ヨグ=ソトース顕現の力を利用して、世界ごと時を戻し、原因となる教信者の悪事を阻止する展開はどうだろうか。
正気度が0になった探索者は過去に戻ってから記憶が引き継がれず、その時代の探索者としてロールプレイをしてもらう。正気度が残った探索者は過去の自分に今の自分の記憶と意識が上書きされる。こうする事で途中離脱無く探索者全員でラストの戦闘が出来る。
最後のどんでん返し
探索者が元凶の狂信者を倒しキーアイテムを破壊しようとする。しかし、このキーアイテムを破壊する事が実はすべての元凶だと気づけるかが分岐となる。これまでの探索から推理することで、ここでアイテムを壊さず別の方法で封印するのがベストエンドだと気が付ける。
人類滅亡の直接的な原因は狂信者ではなく、かつての探索者自身がこのアイテムを壊したから引き起こされたのだ。探索者はこのループの中にずっと閉じ込められており、ようやく今ループから解放される方法に気が付けたのだ。そして、世界が救われる世界線に足を踏み入れ、日常を取り戻す。