居酒屋通い
だいたいのおじさんは、いきつけのお店が好きだ。
時 間:★
コ ス ト:★
おすすめ度:★★★★
おじさんはお酒が好きだ。だいたい好きなもんだ。
ちょっとした日々の幸せが晩酌にあるおじさんも多いはずだ。
最近では、若者のお酒離れなどをネットニュースなどで目にする機会も多いし、時期的なものでお酒離れしたおじさんもそれなりにいるのではないろうか。
しかしながら、お酒で日常の瑣末なストレスをさらっと流し、明日への活力をつけているおじさんもたくさんいる。
既婚者は、仕事を終え、家に帰って晩酌の人が多いだろう。
ところが未婚のオジサンには選択肢がたくさんある。
会社から駅までの公園で、(世間体としてはよくないが)電車待ちの駅のホームで、家に帰ってお風呂上りに、そして今回のお題、いきつけのお店で。
いきつけのお店、これは人によって好き嫌いが大きく分かれるだろう。
常に何らかの刺激を求めている探求者には恐らく向かず、「いつもの」が与える安心感をお風呂のように愛する私のようなオジサンには向いている。
まず、いつものメニューがよい。いつものメニューは、いつもの量で、いつもの値段だ。
その日の献立を頭の中で組み立てながら店に向かう。
今日は寒かったからまずお酒と湯豆腐で、今日は暑かったからまずビールと軟骨からあげで、今日は点心をいってみて・・・ということは紹興酒?などと考えながら歩いているだけで心はうきうき、足がはやくなる。
そして、いつもののれんをくぐり、挨拶をしながらお店へ入る。
初見ではないので、挨拶をしながらお店へ入ることができる。
仕事の世知辛いしがらみもなく、格好をつける必要もない、ぬるーい時間の始まりだ。
ここで重要になるのが、「いつもの」の部分だ。
先ほど書いたメニューうんぬんは言わずもがな、いつものお店は気軽なおしゃべりが醍醐味だ。
そう、世間では嫌われ者になっている、飲みニュケーションだ。
店員さんとはもちろん、「いつものレベル」があがると、お店の常連さんともおしゃべりする。これが楽しい。
お酒も入り、顔はぽかぽかしてくる。おいしいものを食べ、全てのめんどくさいことを忘れ幸せになる。
その時、ほどよい距離感でおしゃべりができる店員さんや常連さんがいることが、とてもうれしい。
最近どうだい?今日は何か元気なくない?そんなさらっとした会話から、お悩み相談、おいしいお店情報の交換など、他愛もない時間が過ぎる。
人は結局1人では生きられない。
好きなもの、好きな雰囲気、好きな時間、そんな価値観を誰かと共有するから明日も生きられる。
それはどんな些細なことでもよくて、その内容に意味があるわけではない。
いきつけのお店には、小さな小さな社会がある。
見知った人、見知らぬ人、その誰もが心のどこかで小さな繋がり、新しい繋がりに期待している。
自分のテリトリーで穏やかに暮らしながらも、ほんの少しの、ちょっとした刺激を求めている。
そんな小さな期待感がいいじゃない。
おじさんは行きつけのお店が好きだ。