【妄想SHOW】就任第一声
え~、このたび首相の重職を拝命いたしました、山田寅太郎でございます。
どうぞよろしくお願いします。
国民生活を守るため、身を賭して尽力する所存でございます。
疫病流布、諸物価高騰、国際争乱。まさに国は未曽有の危機にあります。
皆さまご高覧のとおり、我が国の財政は逼迫の度を高めております。国の借金がGDPの1
0倍を超えるような有様で、社会保障を手厚くしようにも先立つものがございません。
私は正直に申します。もう、お金がありません。打ち出の小づちは、ございません。これが現実です。私たちの世の中は、私たち自身でなんとかしていくしかないのであります。
まだ、打つ手はあります。私は呼びかけます。
日ごろお世話になっているあの人に、贈り物をしましょう。例えば奥様に、花束を。奥様の心に、パッと花が咲きます。それだけではありません。プレゼントをしつらえた花屋さんも、懐がポッと温まるわけでございます。
旦那さんには、とびきりのクラフトビールなんか、いかがでしょう。喜ばれるでしょうなあ。ビールを卸した酒屋さんも、一息つけますよ。
みんながちょっとずつでいいから、お金を使う。モノと気持ちを贈る。そうしていくうちに、世の中のマインドが前を上を向いていく。お金の巡りもよくなっていくのでございます。無理に公共工事を増やさなくても、増税しなくても、身近にやれることはあるのでございます。
動き出しましょう。
さて、私はこれから1件用事がありますので、失礼!
・・・
誰か就任演説で呼びかけてくれないだろうか。国の手出しゼロで、世の中の景気が相当に良くなると思うんだけどなあ。