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【中東問題を理解するvol.1】宗教について
2023年10月7日、
ユダヤ人にとって安息日である土曜の朝、午前6時半
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が、突如イスラエルへの攻撃を開始。
3,000発ともいう大量のロケット弾がイスラエル国内に撃ち込まれました。
同時にハマス戦闘員が次々にイスラエルに侵入。
100人以上もの兵士や市民を、人質として連れ去りました。
こうして突如始まった「戦争」。
イスラエルにとっての「911」とされる今回の大規模
攻撃は、昨年(2022年)のロシアのウクライナ侵攻
と共に、戦争が遠い昔の話だと思っている我々日本人にも現実問題として、深い衝撃を与えています。
とはいえ、中東情勢は複雑で、ニュースを見ていても、大変なことが起こっている事は理解できても
前後関係が良く分かっていないので、状況の把握が難しい。
イスラエルとパレスチナの間に一体何が起こっているのか???
「宗教問題」が根底にあるのは、漠然と理解しておりますが
そもそものきっかけが良く分からない。
自分自身の整理のために、様々に点在する歴史的情報を整理してみます。
あくまで、自分が中東問題を理解するためのメモの公開となります。
■中東は世界最古の文明の発祥の地
学生時代に学んだ「世界四大文明」。
①メソポタミア文明 ②エジプト文明 ③インダス文明 ④黄河文明
この中で最も古いとされるのが、中東の
チグリス川 と ユーフラテス川 という、二つの大きな川の流域で発達したメソポタミア文明 です。
![](https://assets.st-note.com/img/1698752685875-8hMHDk9sWr.jpg?width=1200)
参考HPはコチラ
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メソポタミア文明の発祥は、およそ紀元前9000年というので、今から1.1万年も昔ということです。
因みにザックリですが
黄河文明は8000年前(紀元前6000年)。
エジプト文明は7000年前(紀元前5000年)。
インダス文明は4500年前(紀元前2600年)。
おおよそ農耕の始まりをもって文明の始まりとしています。
なお、日本最古の遺跡、青森の三内丸山遺跡は
現在から5000年〜4000年前のものとされますから、想像がつきませんね。
インダス文明と同じ頃、日本にも文明的なものが発生していたというのは、実に興味深いですね。
※最新の学説では、中国の長江流域で1万6,000年ほど前の遺跡が発掘され、中国文明が世界最古ではとされています。
中東とその周辺の地図
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![](https://assets.st-note.com/img/1698752840769-HLHf7eS0Hc.jpg?width=1200)
「中東」という呼び名は、
イギリスから見た位置から。
だから日本は「極東」となります。
アジアの西側にあるので、「西アジア」と呼ばれることもありますね。
紀元前3000年頃、
現在の「イラク」の辺りで、シュメール人の手で
都市国家が建設されます。
シュメール人の詳細は謎に包まれていますが、
青銅器やクサビ型文字を使用したとされます。
「ギルガメッシュ叙事詩」などの神話も有名ですが、「多神教」であったとされます。
この「ギルガメッシュ叙事詩」には「ノアの箱舟」と同様、大洪水の話が含まれています。
■多神教と一神教
イスラエルとパレスチナの間にあるのが宗教問題。
世界には大きく分けて「多神教」と「一神教」があります。
八百万(やおよろず)の神がいる国が日本。
お寺や神社、教会など様々な神を祀る宗教施設が多数ありますね。
馴染み深い、ギリシャ神話も、ゼウスやヘラクレス、ビーナスなど、様々な神様が登場します。
古代エジプトでも太陽神ラーや女神イシスなど、多々登場。
様々な神様を認めるのが「多神教」です。
唯一絶対の神しか存在しない「一神教」は、それ以外の神の存在を認めません。
「世界五大宗教」とされる
①ユダヤ教
②キリスト教
③イスラム教
は、一つの神様だけを信じる「一神教」。
④ヒンドゥー教は「多神教」
因みに
⑤「仏教」は、悟りを開いて成仏を目指す教えを説く宗教であるため、多神教と一神教の定義には当てはまらないのかも知れません。
■同じ絶対神を信仰する3つの宗教
ここでややこしいのが、
「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」が、唯一絶対の神とするのが、同じ「神」であるということ。
同じ「神」を信じる兄弟の様な関係ながら、
その解釈を巡って争うので、話が複雑になるのです。
神の教えを説いたとされる教典である「聖書」も実は同じもの。
キリスト教では、
ユダヤ教の聖書を「旧約聖書」、つまり神とユダヤ人のみの間で結ばれた古い契約であるとし、
イエス・キリストによってもたらされた、
神と全世界の人々との間で結ばれた新しい契約を「新約聖書」と定義しています。
「ユダヤ教」では聖書は聖書であり、旧約という名称は使いません。
一方、イスラム教では、
「旧約聖書」を認めていますが、
長い間にその解釈に間違いが生じてしまい、
それを正すためにムハンマドによって啓示された「コーラン」が最も重要な正典であると定義しています。
■聖地も同じエルサレム
2017年(平成29年)、当時のトランプ米大統領がイスラエルの首都と認めたエルサレム。
イスラエルの首都ですから、当然「ユダヤ教」の聖地かと思いきや、
「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」は共に
このイスラエルにあるエルサレムを聖地と定めています。
![](https://assets.st-note.com/img/1698752959833-WKgfXHF9Yb.jpg?width=1200)
今から3,000年前の紀元前10世紀、
この地を治めていたユダヤ人のソロモン王が、
エルサレム神殿を築き、
預言者モーセが神から授かったとされる十戒が刻まれた石板を祀っていたことが、その始まりとされます。
紀元前6世紀に、バビロニアによって一度は破壊された神殿は、その後再建されたものの、
紀元前70年、古代ローマ帝国によって再び破壊され、ユダヤ人はエルサレムを追放されました。
ユダヤ人の苦難の歴史は、ここから始まるのです。
現在も残る「嘆きの壁」は、その神殿の遺構であり、ユダヤ教徒にとって、神聖な祈りの場となっています。
一方、エルサレムは、イエス・キリストが、十字架に架けられ、処刑された場所でもあります。
しかし、処刑されたイエスは、この地で復活。
キリスト教徒にとっても、エルサレムは重要な聖地なのです。
当然、同じ神を信じるイスラム教徒によっても、
エルサレムは重要な聖地。
621年、現在のサウジアラビア、メッカに住んでいた預言者ムハンマドは、天使ジブリール(ガブリエル)に、遠く離れたエルサレムへと連れて行かれ、この地で天に昇り、アブラハムやモーセ、イエスといった預言者に会い、神から言葉を授かったとされます。
ムハンマドが天に昇った場所に建つのが「岩のドーム」となります。
4世紀、ローマ帝国がキリスト教化されると、ユダヤ教徒は厳しい迫害にさらされることになります。
一方、7世紀に成立したイスラム教徒は、ユダヤ教徒には比較的寛容だったらしい。
それが現在では、血で血を洗う戦いを繰り広げています。
一体何があったのか?
単純な善悪二元論では語ることのできない、
複雑な歴史と背景をもった中東問題。
自分なりに、その歴史を辿ってみたいと思います。
次回から「聖書(旧約聖書)」に何が書かれているのか、そこから探っていきたいと思います。
今回も長くなり恐縮です。
m(_ _)m
それでは、また。
(つづく)
(2023年10月31日投稿)
つづきはコチラ
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