2021年8月10日の乾杯
8月10日のおじさんとおねえさん。
オリンピックが終わり、猛暑とコロナ渦の毎日。
そんななかでのマスク談義やおじさんが観てきたお芝居。
話題の映画、演劇とコロナの共存。見通しのつかない中で知らず知らずに変わっていく毎日の有様などを語り合っています。
👨演劇のおじさんと
👩おねえさんです。
👨こんばんは、
👩こんばんは。
👨いやぁ、暑いですね。
👩暑いですねぇ。そしてあれですね、オリンピックが終わりまして。
👨終わりましたねぇ。
👩次はパラリンピックですね。
👨そうですね。でも、なんか、よく終わったよな。
👩本当ですね。私は全然家を出ていなかったから日常でした。意外と変わらないのだなあ、と。もちろん興味はあって、少しは覗いておりましたが。今の状況ですからね、混雑とかもできないし、お客さんも入っていないわけだからそういうのもあったのかもしれないですけれど。少し不思議な気持ちで、。
👨私は、前の職場の方で野球気違いの方がいらっしゃって。
👩・・言い方が(笑)
👨野球が好きで好きでたまらないというおじさんがいて。
👩はい。
👨で、Zoomで呑もうっていう誘いが掛かってきて、決勝戦を一緒に観てました。彼はひとり日の丸を振って盛り上がっていたです。
👩うふふふ。みなさん、それぞれの楽しみ方をされたでしょうか。
👨最初はなんだか物凄く評判がわるかったけれど、終わってみればみんな「それなりによかったね」みたいなことを仰っているから。
👩そんな感じですね、全体的に。
👨日本としても、ちゃんと国の責任を果たせたというか。
👩うん。いろいろなことがあったように思いますが。
👨うん、でもオリンピックって必ずそうみたいですよ。あんなことがあった、これが起こったというのはどのオリンピックでもあったみたいなのでね、どの大会でも。いうてもお祭りだから。
👩ああ、そうなんですね。そういえば、人の金メダル噛んだ方がいて、どうのこうの。
👨いましたねぇ、あははは。で、オリンピック委員会が慌てて取り替えましょうかって言っているんでしょ?今。
👩そりゃ、取り替えて欲しいですよね。
👨けがれますよね、おっさんに噛まれちゃ。
👩他人に噛まれたりとか、何考えてたんでしょうかね。
👨でも、終わって、じゃあオリンピックが終わったから普通の日々に戻るのかといったらこの暑さで・・。というか、体温より暑いのはやっぱり駄目でしょ。
👩駄目ですよ、危ない。
👨思ったのは、中近東とかってね、夏は体温よりはるかに暑いわけですよ。そうすると肌を出したりするのは危ないわけですよね。
👩あぁー
👨だいたい、そもそもみんな熱を放出するために脱ぐわけで、外の方が自分より温度が高い場合は着た方が涼しいわけですよ。
👩うんうん。全体が日陰になるみたいなことかな??
👨そうそう。日傘と同じ原理じゃないですか?だから女性がたとえばチャドルみたいな全身を覆う黒い布を纏っているわけじゃないですか。
👩うん、そうですね。
👨で、そんな風に年々暑くなっていったら、いずれ日本でもチャドルが流行るのではないかと思って。
👩あははは、なんかそのようなものがね。中近東って湿気はどうなんですか。
👨湿気は国によりますね。ゆうても砂漠がメインだから概ねとてもカラッとしているのですけれど。
👩ああーーー。この国は湿気っているから。湿気がもう、凄いから。じめじめした暑さじゃないですか。カラッとの暑さのところだったら着ることができると思うけど。いやぁ、私ね、なんというか、これ以上肌を焼きたくないなっていう気持ちがありまして、夏とか羽織っていたのですけれど、近頃の暑さは羽織りなんかしようものなら、もう汗でびしゃびしゃ。ぶっしゃぶしゃになってしまうので。
👨中近東でもたとえばサウジアラビアのリヤドあたりはとてもドライなんですよ。ただ、ペルシャ湾岸は湿気もあって、海に面したジッダとかUAEのドバイなんかでは意外と湿気が強い季節もあってね、気温40度湿度90%なんてことも起こるのですよ。サウナかっていう。
👩あははは。
👨いやぁ、でもこうやって日本も同じようになっていくと、そのうち109あたりでもお洒落なチャドルを売り出したりするようになるかもって思って。ファッション市場には以外と相性がよさそうじゃないですか、ああいう服って。
👩可能性ある。可能性はあります。
👨うん。で、そもそもアバヤとかチャドルって、あれは外側は黒いけれど時々中は凄く派手だったりすることもありますから。裏地がディオールみたいなこともあったりするから。
👩おしゃれ!!…でも絶対に暑いよ、日本でそれをするのは。お一人様サウナ完成。
👨うーん、日本では駄目かもか。
👩流行るかはどうかなぁって思う。本当にじめじめ暑いから。もし流行ったらみんな着ればいいのにね。性差関係なく。
👨いや、性差はね。でも男の人たちが着ている白くて長い服もあるじゃないですか。だから、きっとあれも流行るんですよ、エアリズムで作って。世界中がそうなっちゃう・・、なんて。でも、そのくらい暑いですよね、
👩暑いですねぇ。
👨で、コロナも相変わらず。
👩ねぇ、この狭い中あれだけ人がいれば…そうなるよな…という気持ちですけれど。
👨世間の風景をみているとね。でも、ニュースとかではみんな騒いでいる割に実際のひとりひとりは意外と動じてないというか。
👩もう各々気をつけるしかないというのは凄くありますよね。その、ワクチンとかを打ったりとかのこともあるし、各々の判断というか。個人に任されているところが多すぎて。
👨私は2回ワクチンを打ったじゃないですか。だからマスクを二重から一重にして楽になろうと思ったのだけれど。やっぱり怖くて、未だにスタイルを変えられないですものね。不織布のものをして、その上からさらに隙間ができないように布製のものをするっていう。ただ最近は不織布のものでも冷感を謳うものがあるので、ちょっと奮発してそれを買ってつけてはいますけれど。
👩ワクチンを打っても、結局感染した場合更に人にうつすというのは変わらないんですよね、感染ということ自体は変わらないから、やっぱりマスクはしっかりとつけるべきというか。
👨そうらしいですね。劇場に行くときにはやっぱり自分からはクラスターを出さないようにしたいというのはその話を訊く前から思っていたし、ワクチン接種後は劇場ではマスクを一重にしようかと一瞬迷ったのですけれど、やっぱり二重のままですね、今。
👩大事。でも、この暑さだと本当に熱中症が心配。マスクをしていると。
👨自分の息が熱いでしょ。
👩そうそうそう。
👨汗だくにもなりますよね。
👩うん、うん、息苦しい。
👨なんかでもね、そうなってくると、必然的にマスクグルメになってくるんですよね。
👩ああ!そうですね。私も気に入っているやつがあるんですけれど、それをまた買いたいなと思ってお店に行ったら、そのお店が潰れていて……
👨あはは。
👩ものすごく欲しいのにもうないから、どこへ買いに行けば良いのだろうと。みなさんどこでマスクを買っているのでしょうかね?
👨ああ、案外Amazonなんかにはいろんな種類のやつが出ていたりするんですけれどね。あと、この間歌舞伎座に行ったときに、歌舞伎座のマークの入っている布製のマスクがあって、それは割と通気性がよいので、不織布の上につけるときには丁度良いのですよ。割合と意匠も粋だからね、お洒落だから、時々それをつけたりもしていますけれどね。
👩いいなあ、欲しい。みなさんも、周りをみているといろんなマスクをつけているから、ちょっと楽しくなってきたというか。本当はね、その下に不織布のマスクをつけるべき。あれが一番感染をしない、させないという話ですから。
👨そうすると、90%以上防御できるみたいなんで。
👩もうだから、重ねるものになってきていますよね、他のマスク。暑いから一枚で出るときもあるけれどさ。
👨きっとファッションセンスが問われているとも思うのね、そこで。白に黒をつけてみるとか、いや黒に赤を掛けるとかね。なんかこの間、シャキッとしたモデルみたいな女性が、黒の不織布のマスクにほんとうに鮮やかな赤の布マスクをしていてものすごくかっこよかったけれど。
👩それはもう、真似をしますね。
👨ファッション雑誌から抜け出してきたような感じでしたけれどね。
👩あははは。
👨あとなんかおじさんで、ピンクの紙マスクにピンクの布マスクをつけている人もみて、
👩いいじゃないですか。
👨この人は本当にピンクが好きなのだろうなとおもったり。
👩昔はあたりまえだったけれど、やっぱり白一辺倒だと飽きてくるんですよね。前は使い捨てマスクで色の違うものをつけていると…なんかちょっと目立ってしまう所がありましたけど。私は黒のマスクがすごく好きだったのですけれど…でもなんかちょっと、視線を感じるときがあったのですけど。それが全くなくなった!みんないろいろなものをつけているし。不自由の中に自由も生まれた。
👨そうそう。最近私は濃い抹茶色の不織布マスクが大好きですけれどね。その抹茶色に黒とか白の布マスクを重ねるみたいな。まあね、この歳になるとやっぱり侘寂を大事にしなければいけないなとおもって。
👩良い合わせ方だと思います。
👨でもねぇ、そこまでしてみんなが注意をしているのに、最近は公演中止とかがまた増えてきたよねぇ。
👩そうですね。
👨いやぁ、ショックだったのは、この間オーストラ・マコンドーの公演が去年の秋に新しくできたすみだパークシアター倉というところであったので観に行ったのですよ。で、私が観たときには全く問題なくできたのですけれど。なんだろ、今度の劇場って新しい分凄く綺麗でね、天井も高いし、座席も一つおきの配置だったし。で、前にあったすみだパークスタジオ倉の時にもそうだったのだけれど、客席にしっかりとした段差があって、真ん中でも多分後方でもすごく観やすいんですよ。
👩へぇー、それはいいですね。ありがたい。
👨それに、舞台後方にも扉があって空気の通りもよく、換気もしっかりできそうな構造みたいだし。
👩それもしっかり考えられている訳ですね。
👨うん、でも、そこまでやっても、出演者の人やスタッフに感染者がでてしまうとそれでもう終わりじゃないですか、
👩そうですね。
👨で、私が観た回の次の次から公演が停まっちゃって。俳優の方達も渾身の演技で美術も見事、ものすごく良い舞台だったので、ほんとショックだったですけれどね。人間のコアのありようがゴリゴリとでてくるようなお芝居だった。舞台には土が敷かれて、中央に水路があってそれが三途の川の見立てに思えて。3ピースのバンドが入り、俳優もがっつりと身体を張って、でも想いの繊細さを失うことなく一瞬ごとを演じていた。楽日までチケットもほぼ売れていたみたいだったし。
👩うんうん。
👨めっちゃもったいないと思った。それと、どんなに頑張っても時として感染者が出てしまうくらいに流行っているのだろうなぁって実感した。
👩うんー…
👨だけど唯一の救いとして、それは感染者がでてしまったという瞬間に公演を止める機能が演劇の世界にきちんとあるということが証明をされたということでもあるので。
👩うんうん。
👨その、そういう演劇公演の機能があるということは、それが他の劇場であったとしても、いろんな状況下でも、安心じゃないですか。
👩そうですね。
👨演劇というか劇場の文化はコロナに対して崩れてはいないということを思って。もちろんまあ、いろいろ考えてはしまいましたけれどね。
👩うんうん。
👨でも、演劇自体も去年のはじめごろにコロナの中でどうやってやるかという配信などの模索から始まって、次第にルールが定まってなんとか演劇ができるようになってきて。初めはどうしてもコロナの影響を強く感じる舞台が多かったけれど、最近の演劇はコロナの呪縛から解かれて、そういうのに関係なくみんな自由に紡げるようになってきているなぁとも思う。これは前にも話したことだけれど。
👩はい。
👨ある意味なんか、いろんなルールをちゃんと守っているということも含めて、折り合いがついてきたような感じもするんですよね。演劇とコロナのな共存というか。
👩うんうん。
👨だから、最近多くの良い芝居に演劇の神様のお導きで巡り会うのですけれど、それはコロナと関係なく凄くよくて。それぞれに流行病の色に染まることなくクリエイティブでありましたけれどね。
👩はい。
👨そうだ、三鷹芸術文化センターでやっていた劇団普通がすごくよかった。
👩ああっ。劇団普通、観たいなぁって思っていたのですよね。凄く面白そうだったので。
👨私はその『病室』の初演も観ているのですよね、池袋の空洞でやっていたやつ。
👩はい
👨それをいきなり三鷹の大きめの舞台に持って行ってしまったから、観る前は大丈夫なのかなぁとは思っていたのだけれど。ほんとに病室の話なんですよ。ほぼ白一色の空間で、舞台には白いベットが4つ置いてあって、そこにいるおっさんの患者と看護師さんや見舞いにくる家族や知人の淡々とした時間が2時間くらい流れていくのですけれど。でもそれを大きな舞台でやってもぜんぜん空気の密度が薄れないの。
👩ふんふん
👨あれはそれだけ俳優さんが腰をすえてやっているからだという気もしたし、本当に普通の時間を。
👩はい。
👨劇団普通だから言っているわけではないけれど、病室のもう本当にありふれた毎日のその時間の中に生まれる起伏がちゃんと伝わってくるんですよね、舞台から。あれはいいお芝居でしたね。
👩うんうん。いいなぁ。
👨評判もすごく良かったみたいですよね、あれは。いろんな口コミなどを見ていても。
👩はい。
👨でも、この作品、コロナというものはまったく介在していなかった。
👩うん。いいですね。もう舞台では非日常というか違うものが観たいもの。
👨そうだよね。中等症の人がたくさんいて苦しんでいる芝居って、物理的にはできるしやってもいいのだけれど、でも観ているときっと辛くなるものね。
👩辛くなる。実際にいらっしゃるから。
👨そうだね。
👩いろんな…ほかのものが観たいと思っているから。良かったなと思うよ。強いな演劇人ってとも。芸術を作る人は強いって思えた、希望があるなぁって思えました。
👨めげたり折れたりしなかったものね、結局。
👩本当に。
👨それはもう観る方としては本当に感謝、作る人たちに対して。その演劇に触れている時間はコロナを忘れられるし。
👩うんうん。
👨まぁ、終わってしまって街に出たとたんにコロナなのだけれどね。
👩ああぁ。
👨たとえそうだとしても、心の満ち方が違うと、それにも耐えられるような力がでてくるというか。
👩うん、そうですね。
👨そういえばね、えーともう終わってしまったのかな、Orgel Theatreというユニットがあってね、そこが『Unplayed Lullaby』というお芝居をやっていたんですよ。
👩はい。
👨新宿眼科画廊地下で。
👩ほうほう。
👨これ、すごくいろんな意味で興味深い作品で。戯曲を書いて演出したのがアメリカ人の方なのですよ。
👩ほう。
👨だけど、その翻訳劇というのとはちょっとニュアンスが違っていて。作・演出がSteven.J.Martinという方なのですけれど、彼は英語で戯曲を書いているのね。
👩うん。
👨女性の二人芝居なのですけれど、それを演じる女優ふたりがそれを日本語に訳して、こんどはそれに対してアメリカ人の彼が演出をするというやり方なのですよ。実際に翻訳のクレジットで伊藤梢、阿久澤菜々という演じたふたりの俳優の名前がはいっているのね。
👩なるほど。
👨だから終演後には、台本も日本語版だけではなくて英語版もそのセットも売っているの
👩おじさん、どっちも見られるからいいじゃないですか。
👨まあ、英文の方も平易というか、私でも辞書なしで読めるくらいの感じで。でも、そうはいっても、思考が英語じゃない。それをふたりの俳優さん達が訳したときの日本語の響きやニュアンスのつくりかたというのがあって、それもめっちゃおもしろくて。
👩はい。
👨いいお芝居なんですよ。ほんとに。女性が会社を辞めてしまって、要は折れてしまって、それが、思索のなかで、もう一人の彼女と言葉を交えながら立ち直って行くというか。その対話のなかで、自分が隠していた自分や縛っていた自分を見つけて立ち直っていくというような話なんですけれどね、私の解釈だけれど。
👩ふんふん。
👨で、それって最初から日本語で紡いじゃうと、すごくベタベタした風合いの話になるような気がするのね。だけど、ああやって最初に英語があって、そもそもアメリカ人の男性がアメリカ人の思考で書いたものという裏貼りがあると、日本語側に不思議な硬質さというかクールな描かれ方の味わいが生まれるんですよ。その思考を骨に日本人の女優達がニュアンスや想いの肉付けをして物語を構築していくからこその今までにないテイストというか内心を見るクリアさを持ったお芝居ができていてね。ほんと惹きこまれたしおもしろかった。
👩ほおお
👨まあ、眼科画廊での公演なので、そんなにたくさん観た人はいなかったとおもうのだけれど。あれはもうちょっと大きなところで再演してもよいお芝居だと思いましたね。
👩気になるものが一杯だけれど、全然観にいけてないな。舞台に観に行くっていうのが・・。多分今、ちょっと辛いんですよね。舞台を観にいくのが。ちょっとだけ。
👨それは、おねえさん的なこととして?それともコロナの中でという話をしています?
👩お姉さん的な・・、いや、どっちもかな。どっちもあるかなぁ。大きいのはお姉さん的理由のほうかな、多分。前におじさんにはちょっとお話ししたことがありますけれど。自分が今、舞台に立てないから。その中で舞台を観たときに、やっぱり…悔しい、切ないという気持ちが、凄く出てきちゃうんですね。
👨私は観客だからわからないけれど、
👩はい。
👨わかると言った瞬間に嘘つきといわれるけれど、
👩うふふ、いえいえ。
👨だけど、会社なんかで仕事をしていてもね、一定の年齢になると一線から後方支援にまわる時期ってあるじゃないですか。それまでラインっていって一番最前線でやっていたのが、もういいから指導のほうにまわってみたいなことを言われるわけですよ。
👩うん。
👨なんかそれって、自分が歳を喰ったというさびしさもあるのだけれど、それとは違う寂しさもあるんだよね。全然意味もなく、自分が以前やっていた仕事をしている若い人を見るのがちょっと辛くなるというようなことがありましたね。まあ、それまでやっていたことを引き継ぐわけじゃないですか。
👩そうですね。
👨だから、もうここまでやったのだから、極めたのだから、荷をおろしていいよって言われているんだから凄くめでたいことなんだけれど。それでもやっぱり、そういうことではないじゃないっていう気持ちがあって、人が動くとか仕事をするというのは・・。
👩うん。
👨だから、おねえさんの話とは全然違うんだけれど、人間にはそういう、自分が手の届かなくなったものを見る時に感じるさびしさというのはありますよね。
👩自分がやろうと思えばできる、それを選ぶかっこよさというのも知っているから。今の大変さもわかっているわけで。そう思うと、眩しいというか、かっこいいなって思う。…それを選べない、選ぶことが出来ない自分には、、、少し苦しくて、しんどい。
👨ああ、なるほどね。
👩うん、舞台は観たい。観たいですけれどね。観たいけどっ!うん、もう少し時間がかかるんだろうと思う。なかなか難しい。悔しいって言えないというか、だって選べばいいんだから、自分が。選ぶという覚悟を決めるというのができなかったりとか、いろんな事情だったり…あるから。まあね、複雑なんです。気持ちが。
👨どんなことでもね、やっぱり腑に落ちるという話があって、自分が納得しなければいけないことだし、それは。
👩うんうん。
👨自分が納得しないままでわかりましたといえるんだったら誰も苦労はしないよね、きっと。
👩うん、そうですね。
👨まあそうはいっても、でもその代わりのことというのをおねえさんはいろいろ始めているからいいんじゃないですかね。やっているわけだから、そういうお仕事を。
👩うふふふ、そうですね。できているのかどうなのかという感じはしますが。
👨そういえば、映画もここのところちょこちょこ観るようになって。あ、あれ面白かったですよ、『竜とそばかすの姫』。
👩ああ、もう滅茶苦茶観たいですよね。今一番観たい。なんだろ、もう本当にめっちゃ観たいからーーーー。朝から行こうかと思うくらい。
👨明日はレディースデーだよ。
👩あら、それは。行こうかな。
👨えーとねぇ、ストーリー的に言ってしまうと、なんか少し強引なところはあるんですよ。それはいろんな人が言っているけれど。だけどね、なんかそういうのを超越しておもしろい、あれは。
👩あ!!あんまり言わないでください、めちゃめちゃ楽しみにしているんで。
👨私は目を見開いた。
👩わかりましたっっっ。もうっ、楽しみに、滅茶滅茶楽しみにしているので!!!
👨はい(笑)というか、ストーリーとかは別に、日本のアニメ映画の力というのが。なんだろ、一時ジブリって凄いなって思っていたのね。あと京都アニメーション。で、このあいだ改めてエヴァって物凄いなって思ったんですよ。エヴァを観たときには、これはもう頂点ではないかと思ったけれど、でも、そうは言いながらもたとえば『天気の子』とか観たときに思ったようないろんないろんな凄さってあるじゃないですか。同じように、そういう力の広がりのようなものをすごく感じる映画でしたね。
👩ほうほう。楽しみにしております。もうこれ以上はっ!これ以上はやめてください!!!本当にすごく楽しみにしているので。なにがこう、ああなってしまうか分からないので。私は本当になにも情報を入れずに観たい。あれを。
👨あははは。まあ、私も劇場での予告編以上にまったく情報を持たないで観たから、その面白さが倍だというのはすごくわかります。
👩うふふ。
👨映画館もね、コロナ渦の中で一時よりは若干空いているように感じる。まあ、私が平日に観にいけるようになったからかもしれないけれど。
👩ふんふん。
👨まあ、もろにサラリーマンだったころには平日というのは当然に観にいけなかったわけで。あと、土日というのはやっぱり混んでいるのだろうと思うし、そう考えると幸せなのだけれど。なんだかんだ言いながらキャパが半分になっているわけじゃないですか、ここのところ映画館も。
👩そうですね。
👨で、あんなに良き映画なのに、それでも割合と空席があったから、平日は。まあそれは極めて健全なことなのかもしれないけれどね、このご時世に対しては。
👩うん、そうですね。
👨だけど、なんかもっと盛り上がっても良いなぁという気もしたけれど。
👩でも、ほんとに面白いものはじわじわでも!絶対良いものだってなっていくと思うから。
👨うん。
👩もう本当に楽しみで。映画っていつもひとりで観にいくんですけれど。そのー、腰が痛くて動いてしまうから。でも動くと迷惑をかけちゃうじゃないですか。
👨あははは。でもさ、今の映画館って背もたれが凄く高いから。
👩そうそう、そうなのよ。だからいいのよ。
👨一回転してもだれも気がつかないよ、きっと。
👩いや、一回転はしないけれどね、さすがにどうしたってなっちゃうじゃないですが。
👨でもほら、オリンピックのあとだからさ、流れで難度Cとか出るかもしれないじゃないですか。
👩あはは!意味が分からない、意味がわからないですよっ。
👨おお、ここで一回転みたいな。ひねりがはいったとかさ。
👩かぶれてしまってる!!
👨なんとか360とか540とかいう言い方があるじゃないですか。
👩あははは、はい。まあまあ。そういう面で言えばいろいろね。なんというか人との距離が近いなぁと思っていた人間にしてみればめっちゃ良かったりするの。良い面もあるの。
👨映画館のご厚意でね。
👩あとね、コロナ前は劇場でもめっちゃ距離が近かったりしたでしょ。あれってけっこうストレスだったから。それはね、もう詰め込んでね、一杯のひとに観て欲しいと思うし、自分が観たい時にぎゅぎゅってなっていてもそれは覚悟してというか、みんな同じだから。みんなぎゅぎゅっとなってて辛いねという状態だからこその、みんなで頑張ろうという気持ちなのですけれど。でもねーーーー、知らない人とめっちゃ近い、なんならちょっと動けばすぐ当たるみたいなのは……
👨あのさ、私も自分がけっこう太っているからあれだけど、隣の人の息づかいが聞こえてくるとかいうのは厭だよね、やっぱり。
👩うーん…そうですね。もうね、それはねぇ、ちょっと私はまあまあ…女性として生きているのであれなんですけれど、やっぱ、あのね、プレッシャーというかね、あるから。いろんな人がいるから。怖い人がいるからね、たまに。
👨ああ、
👩うん。いるんですよ。あるんですよ。それはなかなか伝わらないことかもしれないですけれど、あるの。
👨あと、総じてやっぱり、なんていうの?劇場でも舞台に対して結局人が少ないということは当たり前だけれど隙間が多いから、舞台に対する視野は広いですよね、そもそもが。
👩ああー、そうですね。観るにあたって圧迫されていないというのはとても良いですよ。まあでも、だから久しぶりに、なんかねー、一瞬劇場への規制が緩和されたときに、大丈夫になったときにね??なったときに…あの、滅茶滅茶お客さん入れてるところに当たってというか…観にいったら凄い入れていて。あっ、これ前の乾杯の時にも話してましたね!こんなに人がぎゅうぎゅうになったところで観劇をしていたのかと驚いて。劇場はすごく楽しい場所だし大好きだけど。多くの所は気をつけてくださっているのだけれど!!久しぶりだから、面食らってしまいました。
👨本来はやっぱり、ちゃんと100%受け取るためのスペースってありますよね。
👩ありますね。
👨必要というのはわかる。
👩はい。
👨そうか・・・。でも、これ、コロナっておさまるんですかね。
👩どうなんだろう。
👨見通しが立たないってけっこう辛いですよね。
👩すごく辛いですね。終わりがみえないもの。
👨うん。このままなんか、こういうふうな文化に慣れていっちゃうのかなぁっていう感じがしないでもないですけれどね。
👩もしかしたら、、、そういう未来もあるのかもしれませんね。
👨今NHKで「映像の世紀」っていって100年前に始まった映像記録という手法からいろんな時代を切り出してくる番組があって、その当時の出来事っていうのは今の価値観とは全く違うけれどその当時はまっとうな常識だったわけじゃないですか。
👩うんうん。
👨で、何かが起こったことでそれがガラッとかわってしまうというのは、もう歴史の中ではごく普通にある話なので。
👩はい。
👨あと半年もすれば、昔を忘れて、それが当たり前になっているのかもしれませんよね。
👩うん、そうですねぇ。先の事は分からない。
👨だから、その中でも演劇というものが、以前にあったようなクオリティのものを上演しつづけてくれているということにはちょっとほっとします。
👩うん、変わるところも一杯あるのだけれど、変わらないところの安心感を生み出し続けてくれている。
👨一番コアのところまで歪まないというのはなんか、
👩大事だ。
👨そう、大事だと思いますね。
👩うん。
👨まあ、ともかく。まずはこの夏を乗り切りましょうね。
👩はい。皆さまも体調に十分にお気をつけくださいませ。コロナもですが、熱中症がすぐ近くにある状況でもありますから。
👨水分の補給を絶対に忘れないで。
👩皆さまの健康を我々、演劇のおじさんとおねえさんは心の底から願っております。
👨だれかが倒れたなんていう話を聞こうものなら、とても悲しいので。
👩そうならないよう、身体を大切に。
👨がんばって夏を過ごしましょう。
👩無事に過ごしましょうね。
👨はい。ということで演劇のおじさんと
👩おねえさんでした。どうもありがとうございました。
👨また次回をお楽しみに。
(ご参考)
① オーストラ・マコンドー 『孤独』
会場 : すみだパークスタジオ倉
公演期間 : 2021年7月30日~8月1日まで、(以降8月8日までの公演は中止)
脚本・演出 : 倉本朋幸
出演 : カトウシンスケ 後藤剛範 梅舟惟永 坂元 新
松永大輔 清水みさと 小林 光 西中村豪起
【バンド】
the hollows
vo. gt.:西中村豪起 Bass::川崎テツシ Dr :岡山健二
② 劇団普通『病室』
公演期間 : 2021年7月30日~8月8日
会場 : 三鷹芸術文化センター 星のホール
作・演出 : 石黒麻衣
出演 : 用松亮
渡辺裕也 折原アキラ 小野ゆたか 函波窓
安川まり 松本みゆき 小野寺ずる 石黒麻衣
③ Orel Theatre 『Unplayed Lullaby』
公演期間 : 2021年8月6日~8月9日
会場 : 新宿眼科画廊地下
脚本・演出 : Steven J Martin
翻訳・出演 : 阿久澤菜々、伊藤梢
音楽 : Kim Allen Kluge、Kathryn Kluge
④ 『竜とそばかすの姫』
公開日 2021年7月16日
原作・脚本・監督 : 細田 守
企画・制作 : スタジオ地図
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