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2024年11月21日の乾杯

新しい乾杯、久しぶりに腰を据えて呑みながらの会話。
例によって二人がみたものたちや、久しぶりにおねえさんから話されたいろいろにみたいものとか、もうすこし深い部分にある表現のことやハラスメントのことについて、グラスを傾けながらお話しをします

👨演劇のおじさんと、
👩おねえさんです。よろしくお願いします。
👨よろしくお願いします。今日は都内某所の居酒屋でお話をしていますけれど。
👩寒くなりましたね。急に寒くなった。
👨ほんとうに。私、ユニクロ大好きなんで夏はエアリズム、冬はヒートテック、その間の何か月かを綿のクルーネックシャツですごすという1年なのですけれど。
👩はい。
👨その綿のシャツは10枚とか15枚とか持っていて半分着たら洗濯みたいなルーティンでまわすのだけれど、今年は25℃以上の夏日がずっと続いて、ちょっと秋らしくなったとエアリズムを綿シャツに変えたらあっという間にヒートテックの出番で。衣替えで出した綿のTシャツを秋が長くなかったというか。毎年何枚かは買い足しておいて、よれよれになった何枚かの補充にするのだけれど、今年は新シャツに交換する暇もなかった。
👩秋が1週間 ぐらいしかなかったからね。 ああ、もうちょっとこの季節でいて欲しいなぁっていうのが1週間だったね。 
👨そう、だから、木の葉さんたちが大変。 色を変えようにもどうしていいかわかんないから。
👩春もちょっと少ないしねぇ。ここのところ毎年春らしい春が一ヶ月ぐらいかな。夏が四ヶ月ぐらいあるのに。
👨そう。だからそのうちね、あの桜とアジサイが同じ季節に咲くんじゃないかと思って、すごく怖いんだけれど。
👩きれいかもしれないけど、怖い、怖い。
👧レモンサワーでございます。
👩ありがとうございます。
👨ありがとうございます。とりあえず、乾杯、お疲れ様です。
👩お疲れ様です。 乾杯!これ、すごいね。
👨うん、
👩これはレモンなの? グレープフルーツみたいに実が大きい!
👨ほんとだね。
👧白子ポン酢でございます。
👩ありがとうございます。
👨おねえさん、白子ポン酢が好きだね。
👩冬ですからねぇ。おおー、お酒が濃い!
👱おねえさんは最近ちょっと体調を崩していたこともありアルコールは久しぶりなのですよね。
👩そうなんですよー!白子ポン酢、分けますね。
👨私はそんなに多くなくていいよ。
👩まあまあ、あとこれも食べてください。
👨あぁ、わかめね、わかめは大好き。ちなみに私、白子が食べられるようになったのはおじさんになってからで。
👩そうなんですか?こんなに美味しいのに。
👨あと、ウニとかもそうだけれど、けっこうデビューが遅いんですよ。
👩へぇぇぇ、うにも!
👨ウニなんかは、それで人生の半分を損したって今は思っているけれどね。牡蠣なんかはいまでも苦手で。目をつぶってなら食べることができるようにはなったけれど。
👩そんなことはせんでも良いです。
👨もったいないでしょ?。牡蠣さんに申し訳ないでしょ。
👩そうです!そういうのは食べられる人にまかせておいた方がいいです。
👨牡蠣フライはこの歳になってやっとおいしいかもって思えるようになってきたのですけれどね。それにつけてもこのレモンサワーのレモン、でかくて迫力があるねぇ。
👩うん、これなら、絶対普通のレモンサワーではなく、この特別レモンサワーを頼む。
👨値段もそんなに変わる訳ではないしね。
👩そうだね。でもお酒が濃いです。
👨呑んでいないとアルコール耐性ってなくなるものなのですね。
👩そう感じますねぇ。でも、これは単純にお酒が濃い目!あ!この白子、おいしい。
👨アルコールの量をレモンの大きさに合わせているのかぁ。
👩でもこっちがいい。 お酒が濃いのがいい。
👨お!この白子も美味しいね。臭みがなくて。
👩うん。丁度季節ですからね。
👨今が旬なんだ。
👩そうそう。
👨食欲の秋だからね。そういえば、今人気のYoutuberにMOMOKAさんという方がいらっしゃって。街で来日した外国人のカップルを捕まえては居酒屋に連れていって日本食をいろいろ食べさせるという。刺身とか和牛とか鳥の唐揚げとか、鰻なんていうのもあったなあ。最初は見たことのない料理だからこわごわ食べたりもするのだけれどね、日本料理ってやっぱり美味しいじゃないですか。刺身なんかも日本のは全然違うとかいって感動して食べている。あと、日本って良い意味でのガラパゴスみたいな料理があって。たとえば煮魚とかでもあんな料理って外国ではあまりしないじゃないですか。
👩あの、甘辛い味ってやつですね。というか、そもそも日本人って食に固執しているところがあるから
👨そうそう。そうすると来日して間もない外国の方はもれなく大感動でね。
👩感動していただきたい!日本人って食に固執しているところがあるからねぇ。
👨自分の日常が海外の人にどう受け入れられるかも面白くてなんか見てしまうんだよね。
👩うんうん
👨それはそうと、私の方はここのところ体調もよろしくて、芸術の秋ということもあってけっこうお芝居も観ていますよ。前回お勧めした花香みづほさんが戯曲を書いた「こそ会」の公演も観てきました。
👩どうでしたか?
👨うん、今回もやっぱり面白かった。
👩いいですな。
👨こそ会の『完璧な月夜のつくりかた』というお芝居、西武新宿線上井草駅近くのエリア543という小屋での公演だったのだけれど

エリア543


👩はいはい。 
👨なんというかとても贅沢な客席の切り方で、全部つまっても15人くらいの感じで。だからといって木戸銭がとりたてて高いわけでもなく、
👩えぇ、贅沢、なんと良心的な。
👨逆に団体の運営を考えてちょっとドキドキもしたのですけれど。で、内容はというとマイナーなWebゲームで知り合った年齢が同じ世代の上から下までみたいな6人がオフ会をやって凄く気が合ってグループとして歩み出すのだけれど、やがてちょっとした一言から想いや考え方の異なりが浮かび上がりメンバーがひとり、またひとりと離れていくというストーリーなのですけれど。
👩うーん、せつない。
👨で、離れた人達の交わりもあるのだけれど最後は一人になって月を眺めるっていう話なのだけれど。
👩寂しい。
👨まあ、そうなのだけれど、その別れ方みたいなものの作り方がとても良く切れていて上手い。なんだろう、その理がしっかりと語られていて、そのなかで今もいったようにそれぞれの人生があって、彼らが散らばりながら、その中でひとりの女性が歩んでいることの俯瞰のようにも感じられるのね。
👩うん。
👨ただ、ひとりなのだけれど、ラストシーンで月を眺める彼女は、そうして自分の選択を続けて訪れた孤独とともにあるひとりなのだなぁとも感じて、そこに感慨も生まれたりして。。
👩そうなんだ。
👨とにかく、そうやって集団から人がばらっと剥がれていくところの描き方も彼女は抜群に上手い。
👩うんうん。オンラインゲームに限らず、そういう状況ってあるからなあ、
👨ああ、実際に?。
👩うん。
👨気があうところというか気があう部分で仲間になっているものが、そうではないことの気付きあったときに人はどうなるのか、みたいな。
👩オンラインって良くも悪くも見えるし、見えないし…というか。
👨あぁ。
👩見せたくない部分が隠せるところはあるからね、
👨ああ、なるほどね。
👩人間関係の。 面白いところででもあり、めんどくさいところっていうのをすっ飛ばせる気がするのね。
👨それがオフ会になると
👩そういうところも見えてくるかな?それも人間関係の面白さなんだけどね。
👨まあ十年ぐらいの物語なのだけれど、数年に一度オフ会でそこは違うんじゃないという話が出されて、
👩 離れていくの?
👨離れるというか剥がれるというか。彼女はそういうところを本当によく描いている。
👩なるほどね。あ、お寿司のたまごをください。
💁はい、かしこまりました。
👨うん。なんか、以前に王子小劇場で観た彼女の作品とはまた違う語り口があって、彼女の力をもっと観たいと思ったりもした。そうやって才能というのは舞台を重ねるたびに次々とでてくるのですよ。
👩ありがたいことです。
👨ところで彼女は今度べつの団体にコメディを書くらしくて。
👩へえ、なんてとこ?
👨えーとね、「阿呆勘定」。名前を聞いただけでコメディの匂いが漂ってくるじゃない。
👩なんかニコニコしちゃう
👨これもApoc Theaterでもうすぐ始まるらしいけれど。
👩ふむふむ…あ、ちょっとお寿司を注文したいですね。すみません。
💁はーい。
👩たまごといくらと煮穴子を2貫ずつ、ひとつはさび抜きで分けて盛ってもらえますか?
💁かしこまりました。
👩そうすればわかりやすくていい。私、お寿司にはわさびをいれたくないから。
👨へぇ、そうなの。
👩ちょっとのせて食べる分にはいいけれど、中に入っていると逃げ場がなくていやなんですよ。
👨あぁ、なるほど、それはそうだ。話を戻しますけど、花香さんは今年の新しい発見のひとりだったのだけれど、昔から観ている方でも発見はあって。あの、解散してしまったFUKAIPRODUCE羽衣に浅川千絵さんっていらっしゃったじゃないですか、その前はバナナ学園純情乙女組にいらっしゃった。
👩存じ上げております。
👨今回彼女が作・演出をした公演があって。
👩凄そうだね。面白そうだね。なんか彼女は昔からやっていなかったっけ?
👨いや、作・演出は今回が初めてだったみたいなことはおっしゃっていたけれど、バナナの時から独特の個性という印象があったよね。
👩滅茶苦茶おもしろいですよね。私、大好き。
👨観客はみんな口をあんぐりあけて観ていましたけれどね。

STUDIO ZAP!


👩へぇ…最高だね。
👨それはもう規格外におもしろかった。ちゃんとした俳優達を揃えているのよ。その、コント系の人達ではなくて。
👩浅川千絵さんも凄く良い女優さんだからさ、めちゃくちゃ面白いし、独自の世界観を持っているけれどしっかりと自分が求められているオーダーに敏感に合せられる滅茶苦茶良い女優さんだとも思っているから。大好きだし、すごく信頼もされているのだろうね。
👨今回、彼女自身が舞台に立たないことには違和感があったのだけれど、多分彼女は今回演出というところをすごくやりたかったのだろうと思うのね。
👩彼女はバナナ学園にも出ているでしょ。その時のことを伺ったことがあるのだけれど、自己演出力が高い方だなぁとお話を聞いて思って。ということは、その応用で他の演出へも変換出来るはずだから。頭が良いのだなぁとも思うんだよね。
👨うん、彼女ならではのものの見え方というのは絶対にあって、それを表現にする力というのもしっかりとあって。
👩それを表現してくれる仲間というか表現者を揃えたというのも凄いよね。それは信頼だものね。素晴らしい。
👨ただ、俳優たちはみんなバテバテになっていらっしゃいましたけれどね。
👩そうなんだ。やっぱりあれなのかな?自分が演じていたときに演出を受けたこととか、オーダーとか、これくらいならできるだろうというレベルが高いのだろうね。
👨色んなイメージを一瞬毎に作らせていくような部分もあって。それってなんか、物語自体にはとてもルーズな印象があるのだけれど、で、最初はなにをやっているかわからないというか本当にコントみたいな感じでやっているのだけれど、その一瞬ずつに決めみたいな部分があって、ほら、歌舞伎なんかでもきまるところがあるじゃないですか。
👩はいはい。
👨そういう感じできまってとまるところがあったりすると、そこに描かれている宇宙が全然違うような感じがするの。
👩そういうのも世界を作るのが上手そうだもの。
👨彼女はまだ演出が最初だっていうことだけれど、回を重ねて腕を上げればいつかとんでもないものを作るかも知れないなぁとか思ってね。
👩おもしろそうだね。
👨あのさ、観ていてなんかシャガールとかのイメージがね
👩あぁ、なんか分かるかも知れない。
👨もしくはミロの描く猫をみるようなイメージがね。
👩はいはい。あはは、面白いなぁ。そうかも。シャガールはすごくしっくりくるなあ。好きな絵描きさんの絵、私はミレーが凄く好きなのだけれど、是非ミレー展がまた日本に来てほしいと切望しているのだけれど。もちろん私のお芝居がミレーみたいという話ではないよ。脳みそというか考え方とかこうありたいみたいなところって出てくるような気がするんだよね。自分が好きというのと自分がどういうスタイルのお芝居をしたいのか、世界をもっているのかというのは違うけれど、浅川さんがシャガールを好きかというのもわからないけれど、でも端から見ていると、その色使いといいますか、けっこうしっくりくるね。
👨一瞬ダリも想像したのだけれど、ダリだとしっくりこない部分があるのだよ。
👩ダリだとちょっとあわないねぇ。あのひと「わざと」だから。
👨そう、尖りすぎているのよ。
👩ダリはわざとやっているから。そう思っている。だってあれは自然じゃない。自分を演出している。自分でちゃんとわかってやっているというというのを感じるから、それはちょっと違うと思う。それはそれでダリも私はすきなのだけれどね、でもあれはわざとやっているから。偏見ですけど(笑)
👨あははは。
👩これはいろんなご意見をもらえそう。
👨しかも最後に満を持して登場するのが、あの・・・、森田ガンツさんって知ってる?
👩うん、存じております。
👨机と椅子が並べられて学校の話の態なのだけれど、ガンツさんが最後に好調で出てきてよいところを全部持って行ってしまうの
👩そうなんだ。
👨うん、かれも名優だし、あとエンニュイなんかによく客演をされている浦田かもめさんもご出演で、いろんな心の奥を作れるとても良い女優さんだなぁと思って観続けている方なのだけれど、彼女が普通に出て普通にコントをやっているのね。しかも名女優は名コメディエンヌとあるようにコントもめっちゃ上手いの。
👩それはすごいなぁ。
👨うん、好き嫌いはものすごく分かれると思うけれど。私は次回公演をやってほしいと凄くおもったけれどね。
👩そういえば、私もこの先観たいものが2作品ほどあるから、このあとご紹介したい。できればおじさんにも是非に観て欲しいのだけれど。
👨おねえさんのお勧めといえば、先日お話をしていた映画、観ました。あれは、おもしろい。
👩どれをご覧になりましたか?
👨あの、『リバー、流れないでよ』
👩面白かったでしょ。だって作っているところが
👨ヨーロッパ企画ですものね
👩そう、ヨーロッパ企画さん!観たあとに…あのループものじゃないですか、あとからその撮影を1回毎に長回しでやっているのを後から聞いてもう最高って、最高に面白いって思って。なんていうのかリアルだなぁ。ライブだなって。私さ、最初は映像に酔ってしまったのよ。手持ちのカメラで走って行ったりするから。
👨あの、ループということでは、昔アゴラでも上演したのだけれど大阪の中野劇団が作った『10分間』という名作があって。
👩舞台上で10分間やるの?それをループさせてってこと?
👨うん、最初10分間を演じて、それが少しずつ変化しながらループしていくの
👩うわぁ、もう俳優が大変そうでひえぇってなるね。
👨で、ループに気がついている人が途中を変えていくと、そのループも途中からどんどん変わっていくのよ
👩うんうんうん。俳優としてはもう、怖い、怖い。
👨さらには、こうするとこうなるとか登場人物が学習して、前回の行動を避けたりもするものだから。しかも、気付いている人が増えていくから、ますますタイムループの中がロジックに合せて変化していったりもして。
👩それは観たかったなあ。
👨いや、映像なら観ることができるよ。確か観劇三昧のサブスクメニューに入っていたと思うんだけれど。何回みてもめっちゃおもしろいよ。それにしても、ほんとおねえさんはタイムループものが好きだね。
👩おもしろいんだよね。
👨昔、鳩が窓にぶつかる映画を教えてくれたじゃない。
👩『Mondays』ね!
👨それも観たんだけれど、おもしろかったね。
👩すごく面白いよね。もうひとつ、何で見たのかな、歓迎三昧の防犯カメラからみる世界がタイムループになってしまってみたいなものがあって、それもちょっと面白そうだなぁ、どうしようかなぁって思っているのだけれど。タイトル分かんないんだよね。
👨なるほど。
👩あと観たいものはいろいろとあって、ひとつは十角館の殺人に出ていた小林大斗さんがひとり芝居があるのと、
👨どれどれ、ちょっとググるね。
👩はい。
👨あぁ、劇団あしからずの『石を投げる』というお芝居ね。
👩それと私が大好きな魁ウェンズデーさんがご出演のお芝居があるのと
👨それはらむらどうプロデュースの『うみのかたわれ』だね。それは私も観に行く。
👩あとはね、Marcoさんが作・演出・出演をされる『毛皮のマリー』。『毛皮のマリー』は12月末の2日間しかなくて、でも絶対に良いものをみることができるからみたい。
👨なんか久しぶりにおねえさんが観に行きたい舞台の話を聴いた気がする。
👩まあねえ、ちょっと私が珍しくお芝居を観にいこうという気落ちにもなったのだから。
👨それはそれは。覚醒したのですね。
👩まあね。
👨そうか、まあエヴァだって時がくれば覚醒しますからね。
👩うふふ。
👨ところで、おもしろいものといえば、先日駅前劇場でみた劇団チョコレートケーキもおもしろかったですよ。

駅前劇場


👩はい。
👨歌人の斎藤茂吉の晩年を描いた舞台なのだけれど、以前に同じテーマの『白き山』という舞台をやはり駅前劇場で観ていて。今回はその続編的な舞台なのだけれどね。
👩なるほど。
👨あの、昔北京蝶々にいらした帯金ゆかりさんって知ってますか?「
👩存じ上げております。
👨彼女が音無美紀子さんと母娘役でね。斎藤茂吉は尾方晋さんが演じているのだけれど、その二人の息子と二人の娘がそれぞれに父と母の血を引いているあたりがとてもうまく描かれていて。
👩へぇ。
👨前作の『白き山』では歌人の創作についてのことが描かれていたのだけれど、今回はそこから更に時間がすぎた先の再晩年の話が描かれていて。もちろん創作についての話も織り込まれてはいるのだけれど、その中で家族の血というか妻の音無さんと帯金さんに流れる血が同じみたいなことも本当に良く作り込まれているのよ。音無さんが演じる妻はお嬢様の出で、途中10年くらい家を出て夫と別居してしまったような人なのだけれど、その血をほんとうにうまく帯金さんが共振させていて、一方で夫の器用さとか几帳面さとかえp受け継いでいる宇野愛海さん演じる末娘との対比もあって、そうして家族の姿がとてもよく浮かび上がってきていて。
👩うんうん
👨それにつけても帯金さんは本当に良い俳優になったよね。
👩もともと酔い俳優さんではあったけれど更に練れたというか。
👨そうそう。 その演ずる間口が広がった感じもするしね。彼女はブラジリーアン山田さんが始めた劇団チリの即興劇にもしっかりと呼ばれているし。
👩そうなんだ!
👨以前は動物電気なんかにも出ていたじゃない。
👩出ていらっしゃいましたねぇ。
👨盥が落ちてくるのがお決まりの。
👩うふふふ。
👨なんかさ、彼女は観るたびに芸の幅がどんどん広がっていったような気がして。来年2月にはザ・プレイボーイズの主役を務めるそうだし。
👩それはそれは。
👨その音楽はウクレレ高円寺さんが担当みたいだしね。
👩ああ、帯金さんのことが大好きな。
👨そうそう。
👩あのさ、ちょっと話がずれるのだけれど。なんか二人がデレビに取り上げられて流れるという話があったみたいなのだけれど、でちょっと私は詳しく知らないのであんまり言えないのだけれど、その中で登場している某ライブハウスというのがこう題材っていうか、そのライブハウスにはちょっといろいろな出来事があったらしくて、実際どういうことだったのかっていうのを私が知ってるわけじゃないから、そんな外側から何も言えないけれど、でも苦しんだという人がいるのならそれはちゃんと解明するべきだしとういうことで放映がなくなったんだよ。・
👨へぇ。
👩私は帯金さんも存じ上げているし、ウクレレさんもまた別枠でライブハウスに出ていたときに、別の人を見に行ったのだけれど偶然お会いしてめちゃめちゃ面白い人だということでお話をさせていただりもしていたから、みたい気持ちもあるのだけれど。
👨うん。
👩ただ、誰かが傷ついたりとか苦しんでいるのであれば、放映するのは違うよな…と。
👨はい
👩芸術がひとを傷つける…そうじゃなくて、どうか優しいものであって欲しいとおもっている…うーん、なんかね、 より辛くなるようなことになってはいけないから。いくらいいものでもそれを流すことでより、傷ついてしまう人がいるのであれば、それは。 流すべきではなくなってしまうというのは、うん、思うのね。
👨はい。
👩芸術がひとを傷つけたら、いろんな人がいるから、難しいところなのだけれど芸術が毒にも薬にもならないものであるなら、それは薬にならなくなってしまうから。芸術というのはいろいろとあると思う。人によっては見ないほうがいいものとかあるからこそ選択の自由があるわけだけど、テレビで流されてしまうっていうことってまだちょっと別で。舞台でやっていれば、観に行かないという選択肢が取れたり、気をつけてねっていう注意書きができたりするけど、テレビで流れるということは。
👨まあ、流れているからねぇ。
👩流れているからならみるみないじゃなくて、それが世の中に出てしまっていること自体が問題。
👨うん。
👩流されているという事実がもう問題というかもう良くないっていうか、傷つけてしまう。みるみないの問題ではないから。みて、そうなんだぁってほがらかにみてしまう人がいる事実に傷ついたりもするわけじゃない。 芸術も難しいし、そのお笑い芸人さんとかもさ、規制、規制の世の中ですってなって、確かにそうなのかもしれないけれど、でもそこを無視してしまっては。 芸術がそれを無視してしまっては、それはもう、なんだろうね、考えることをやめてはいけないところだと思う。 どこまでもずっとついて回るし、何かのこう良い薬にと思ったりとかさ、誰かの助けになったりとか、誰かの人生をちょっとだけ変えたりということをするためには、やっぱりその。 外側に出さない毒みたいな部分から薬にして出す。でも普通のお薬でも、人によっては体の状態や症状によっては毒になる場合もあるわけだから、難しいし、ずっと考えなければいけないよね。いろいろ考えるし、それを出すのって怖いけどさ。
👨今はあれだよね、演劇の場合、問題になる可能性があるとかそういう場合には。 予めを台本を貸し出したりとか、そういう形をとっているところもあるよね。
👩それね、すごく良いと思う。一昔前にはなかったじゃない。直接私を知ってる人が誘ってくれる時は、今回は少し苦しいかもしれない。とか、しんどいところがあるかもしれないから無理しないでと言ってもらえたりもしていたし。。
👨だからそういうしんどいものがある可能性に対して前もってチェックできるというのが、文化になってきたからね、やっと。
👩 やっとね。素晴らしいことだよ。遅かろうとなんだろうとそうなったことが素晴らしい。これからも日々は続いていくわけだから。 一歩一歩。
👨ただ、やっぱり難しいんだよ、たとえばこのわさびという辛くも感じられたりおいしくもおもえたりするものをどう扱うかみたいな話ともちょっと似ているし。
👩そうだね。あとさ、演劇に関してはちょっとまた別の話に少しずれるけど、私が今舞台に出たりとかっていうのを積極的にやっているわけじゃないからあれなんだけれど、そのオファーした時の金銭的なことだったりとか契約の条件だったりということがこれまであまりにも緩かったからちゃんとしていこうってしようとして下さっている方たちがいらっしゃるじゃないですか。それって、すばらしいなぁと思って。
👨私ね、とあることでお芝居を作る裏側というかそのあたりの実体を垣間見たことがあって、そのルーズさにびっくりしたことがあったのね。えぇ、そうなのって目が点になった。
👩そうそう。そうなんだよ、本当に。
👨それはねぇ、直接関係はなかったけれどなんとかしなければと思った。
👩うん、良いことだ!
👨知り合いのそういうのに立ち会ったとき、一応はまっとうな仕事をしている者からのアドバイスとして、せめて覚え書きを交わすようにアドバイスしたのね。その時、ギャラもそうなんだって思ったけれど、話を訊いてみるとほかのいろんなことも余りにもルーズだなぁって思った。
👩ほんとうに。
👨まあ、別に労務管理とかの経験とかはないのだけれど、それでも一工程当たりのコストってどうやって計算するんだろうって。たとえば稽古を一回やったときの経費というものをどう考えているのかみたいな話をしても全く通じなかったので。
👩あまりにもね。
👨それはそれで凄いなぁと思って。
👩いや、よくないよ。なぁなぁじゃない。
👨まあ、そうはいっても主宰の皆様は興業を赤字にはしたいはずがないので、助成金の申請書類を書くのでもう大忙しみたいだけれどね。真摯になにかをつくろうとしているのは良く伝わってきたのだけれど。でも、それだけで解決しないことがあるような気がする。
👩それでいうとさ、お話しするのはデリケートな問題なのかもしれないけれど、
👨はい。
👩でも、こういう話をするためのおじさんとおねえさんだから言ってしまうのだけれど、
👨はい。
👩舞台の現場って、正直男女に関係なくパワハラとかセクハラが今なお凄いと思う。まだまだあると思う。で、戦ってくれる人達がいるじゃない。私はおねえさんと言われる通り、 色んな意味で女性なので。
👨存じ上げております。
👩表面に浮かび上がっているものがいくつもあって、ひとつは裁判もしていたの。そこ、経緯をね、やっと見たんです。少しだけだけど、読んだ。
おもてだって言うことは、私はないのだけれど。出来ないのだけれど。…もっと真っ当になって欲しい。そういうことがあるから良いお芝居が作れるなんて、そんなことは絶対にないと思う。どんどん新しいお芝居をやっていこうという人達はいるわけでさ、どんどん世界は変わっているのに昔の人だけかわっていないなんてかっこ悪いし、アップデートする努力をしていこうよって。
👨そうだねぇ。
👩うん。そう。
👨それはまたちゃんと話すことだと思うよ。とはいえ、だいぶいろんなことをお話したので、そろそろ今後のお勧めにいきましょうか。
👩うふふ、はい。
👨さっきおっしゃっていた毛皮のマリーはもちろんなのだけれど、そのほかに青☆組の公演がありまして、なんかあそこのお芝居ってクリスマスにもマッチしているような印象がある。先日の公演もとても良質な演劇空間だったからね、おすすめです。あと、あやめ十八番の番外公演みたいなものもある。
👩へぇ。
👨出演は劇団員の女性二人、大森さんと金子さんとあと女優が二人。日本の戯曲のなかで女性4人でやる代表的な舞台と言えば?
👩4人姉妹の…
👨いや、若草物語ではなくて「楽屋」ですね。
👩あぁー、そうだぁーっ
👨一時期とても流行っていたことがあったよね。年間にどんだけ「楽屋」をやるんだっていう。
👩そうだっけ。
👨おかげで筋立てはがっつり覚えたけれど、でも今回初めてきくような会場でやるみたいなので、それも楽しみで。
👩なんというところですか?
👨澤田写真館というところ。なんかお茶会つきの回もあってそれは早々にチケットが売り切れていたけれど。小さい会場なのかなぁとも思って、そうすると今からではチケットも厳しいかもしれないけれど、でもおすすめはしておきたいので。
👩はい。
👨今日はけっこうよく話したね。おいしいものも食べたけれど。
👩そうですね。
👨そんな感じで、そろそろ終わりにしましょうか?
👩はい。
👨それでは演劇のおじさんと、
👩おねえさんでした。
👨また、次回をお楽しみに。

エリア543

(ご参考)
・浅川さんの企画『虫さされジョアンナ』
2024年11月14日~17日@studio ZAP!
脚本・演出:浅川千絵
出演:宇田奈々絵、浦田かもめ、
葛生大雅(サンバーチャイチャイ/マチルダアパルトマン)、
林美月(にもじ)、本宮真緒(チャリT企画)、村田天翔、
森田ガンツ(猫のホテル/なかないで、毒きのこちゃん)

・こそ会『完璧な月夜のつくりかた』
2024年11月9日~2日@エリア543
脚本:花香みづほ
演出:過当広佑
出演:篠原諒 てらだゆい 浜舘洋
藤屋安実(藤一色) 宮内萌々花 
ゆで ちぃ子。(イマにヒとコへ(え))

・劇団チョコレートケーキ『つきかげ』
2024年11月7日~17日@駅前劇場
脚本:古川 健
演出:日澤雄介
出演:緒方晋(The Stone Age)浅井伸治(劇団チョコレートケーキ)
岡本 篤(劇団チョコレートケーキ)
西尾友樹(劇団チョコレートケーキ) 帯金ゆかり
宇野愛海 音無美紀子

(今後のおすすめ)
・Marcoひとり芝居 『令和版 毛皮のマリー』
2024年12月28日~29日@GYOEN BOSSO 198
演出・出演 ;Marco a.k.a 飛田大輔

・青☆組 クリスマス公演『星降る教室』
2024年12月7日~15日@アトリエ春風舎
作・演出:吉田小夏
出演:福寿奈央 藤川修二 大西玲子 
土屋杏文 蓑輪みき 吉田小夏 - 以上青☆組
林 竜三 細身慎之介(CAVA)
新部聖子(少年王者舘)大石 樹(エイトビート)

・あやめ十八番『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしきー』
2024年12月12日~15日@澤田写真館
脚本:清水邦夫
演出:堀越涼
出演:大森茉利子(あやめ十八番)
金子侑加(あやめ十八番)蓮見のりこ

内田靖子


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演劇のおじさんとおねえさん
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