2023年7月22日の乾杯
2023年7月22日の乾杯。三鷹市芸術文化センターに「柳家喬太郎みたか勉強会」を観に行った二人の終演後の乾杯です。
👨演劇のおじさんと
👩おねえさんです。よろしくお願いいたします。
👨よろしくお願いします。
👩乾杯!
👨乾杯!なんか今日は良い感じに疲れましたね。
👩うん、疲れました。
👨落語でしたけれどね。
👩うん。
👨久々の喬太郎師匠。
👩そう、久しぶりの喬太郎師匠でしたけれどね、素晴らしすぎて。面白かったですね、とても。やっぱりいいね。
👨はい。
👩そもそもまず、私たち、喬太郎師匠がお弟子さんを取っているって知らなかったけれど。
👨前座で上がられてね。
👩いや、前座さんですらないって言われてたよ。見習い。
👨ああ、そうそう。まだ見習いだっておっしゃっていてね。
👩今日が初高座だって。なんか今まで聴いた中で一番初々しくて。声の、怨霊というか調子が全部変わらないから。
👨そうそう。
👩まさか、初高座だとは思わなかったから。初高座ならね、頑張っていたよね。
👨うんうん。
👩まあ、しょうがないよ。なんか最初ぶるぶる震えていらっしゃったもの。あたりまえだよ。
👨そうだね。
👩その、後高座に上がる師匠がね。まあやなぎさんは二つ目だけれど。
👨でも、やなぎさん、どこか喬太郎師匠と芸風が似ているところがあるし
👩うふふ、うふふふ。そうなってほしいよね。
👨いや、やなぎさんの噺、ベースが『短命』っていうのはすぐわかったけれどさ、聴いていて。でも逆にあの『短命』はすごいなぁって思って。
👩うふふ、えぇ、そうなるのって。面白かったね。
👨うん。突き抜けて面白かった。
👩なんか今日は、落語が初めてみたいな方が私の席の後ろにいらっしゃって。面白かったよね。
👨うん、興味深かった。
👩新鮮な感想だなぁって思って。ああ、「そうなんだ!」みたいに驚いていらっしゃって。かわいらしいなって。
👨でも、最初の落語としてこの会を観るのは凄く幸せだよ。
👩いやぁ、そうですよ。となりの方は初めてではないみたいだったなぁ、わからないけれど。
👨うん。
👩でも、正直チケット良く取れたねぇって思って。
👨うふふ。そうだねぇ。今回も私なんかは昔のチケット取りのノウハウがこんなに役に立つとは思わなかったみたいな感じになってチケットをとったしね。
👩うふふ。
👨でもさ、今回の高座の流れを観ていても、なんか噺家さんの歩みみたいなものを感じて。それもおもしろかった。
👩ああ。
👨喬太郎師匠も枕でおっしゃっていたけれど、見習いで初高座、『道灌』なんかを覚えてね。二つ目になって真打になって、『反対俥』なんかをやって、それから齢を重ねてやる噺も変わってきて。
👩うん。
👨喬太郎師匠なども膝があまりよくないと『反対俥』なんて噺は無理だろうしね。若くて活きのいい噺家さんがやっても体痛めそう噺噺だし。喬太郎師匠の『反対俥』は一度だけ観たことがあるよ。
👩へぇ、いいなぁ。
👱私が観たときには座布団からはみ出していたねぇ、勢いがつきすぎて。
👩あはは。でも、喬太郎師匠の場合にはよくあるから。よく座布団からはみ出ているの見たから。
👱あはは、でも、それに変わる力でしっかり見せるしね。それにしても、喬太郎師匠が最後にかけた円丈師匠作の話は芸術に近いというか。
👩いやぁ、そうよ。だってもう、語りだけでその空気の作り方って凄かったよ。いやぁ、こういうのがあるからワクワクしてしまうし見たくなるのだなぁって。人気なのもそれはそうよってなるよ
👱うんうん。
👩あと、喬太郎師匠は枕が面白い。枕も、だね。ほんとうに待ってましたという気持ちになってしまう。噺はね、もちろん、もちろんだよ。面白いよ。もう最高という感じなのだけれど。メインディッシュの前のアペタイザーという感じで。
👱まあ、枕と言えば、二つ目のやなぎさんがやっていた「芝浜」がらみのあれも。
👩あぁ、あれもよかったね。わくわくさせられた。
👱うん、うまく観客をひっぱってね。
👩しっかりと「芝浜」のいいところをやってくれるのもいいよね。
👱そうそう
👩もうめちゃよかったよ。
👱ここが「柴浜」の一番良いところというのをちゃんと作ったからね。
👩そうそう、ここで「柴浜」なのみたいな。その引っぱり方もめちゃめちゃ上手だったよね。おもしろかったわぁ。
👱そもそもあれを「柴浜」だってわからせるのが芸だからね。
👩やっぱり一瞬でわかるのが面白いものね。
👱うん。
👩で、ここからやる?何だ?という風に観客が待っている、なになにって。そもそも飛行機で誰しも経験するって言われると何だって思うじゃない。また観客の年齢層もそれなりに高かったから、ぴんとくるだろうし。でも、そう言われるとなんだろうって思うじゃないですか。それが「芝浜」のラストの、そのラストのところが来て、あの感じになって。もう笑っちゃうよね。
👱そりゃ、怒るよね。機長さんも間が悪い。
👩もう、面白すぎた。そこにいくまでの「芝浜」を真剣に演じていらっしゃるのがもう本当に面白いじゃない。
👱そうだね、そのクオリティがあるからこそ、あの落ちが生きてくると言うか。
👩振りが効いているし、言い方がおしゃれだというか。面白かった。
👱あと、今回観ていて喬太郎師匠には良い感じに枯れてきた部分もちょっと出てきた感じがするんですけれどね。
👩うん、またそれが良いよね。なんか前から観ていてよかったな。もちろん私が観ることができているのなんてそんなに昔からではないけれど。
👱私はなんというか歳がバレてしまうけれど、古今亭志ん朝師匠とか先代の金原亭馬生師匠の晩年の高座は観たことがあって。
👩うーん、うん。すごっ。
👱いまにして思えばお二人とも亡くなる数年前のことなのだけれど。ああいう高座を観ておくと、噺家の方の熟した姿というか。どういう風に枯れていくかの姿がなんとなくわかったりもするのね。
👩うんうん。
👱最初から最後まで噺家さんを観続けたことはないからそれはわからないけれど、喬太郎師匠自身のまくらをきいたりしていると、丁度良い塩梅に枯れ始めたのかなみたいな感じというのはあるわけじゃないですか。
👩まあね、でも、師匠の膝の調子がよくなるといいけれど。
👱うん。あの、「オオイタドリ」というサプリメントというかタブレットがあって。ああいうものが役に立つと良いですけれどね。
👩はいはい、私も頂いて飲んでいますけれど、すごく良い。
👱こんどお差し入れをして差し上げようか。
👩あはは、良いかもしれない。
👱まあ、プロとしてされていることだし、そういう類いのものはとっくに試されているともおもうのだけれどね。
👩でも、私も膝が痛くて、あれはもう手放せないのだけれど。
👱そう、あれってさりげなく効くよね。
👩うん、めっちゃ効く。
👱飲んでいるときにはそんなには感じないのだけれど、飲まなくなるとわかるんだよ。
👩それが凄いよ。ところで今日はお話をしながら焼き鳥があがるのをまっているのですけれどね。ワクワクしながらね。
👱なんかこう、落語を聴いたあと茶豆をつまんでいると。
👩二人とも無言になるよね。あの、今食べたのですけれど軟骨をもう一本お願いします。
👱それにしても私、歯ごたえがあるものを食べるたびに、インプラントにしておいて本当に良かったと思う。噺家さんなんかでもそうしている人って多いのではないかなぁ。
👩そうか、しゃべれなくなってしまうものね。商売道具。商売道具のメンテナンスって大事よ。
👱うん。でもさ、話はもどるけれど、改めて喬太郎師匠が円丈師匠の作った噺をすると、新たに凄いのねって思う。
👩うん、めちゃめちゃよかったね。
👱なにかじわじわと、最後はぎゅっと心を締め付けられるような。
👩うーん。あんなに人がいたのに、客席から物音一つ立たなかったよ。
👱時々彼はそういう演目をやるよね。
👩うん、やるよね。
👱そこまでに大爆笑で逃げておいて。
👩うんうん、いやぁ痺れるよ。ああ、来た来た来たと思う。私はああいうのを観ると。
👱今日はこれの日なのねみたいに・・。
👩なるほどねって。爆笑の時と締めるときがあるから。
👱その辺りのさじ加減が他の噺家さんとちょっと違う所なんだよね。
👩そこに華があるよね。
👱うん。華もあるしなんか馬鹿なことを言っても雑味がすくない。
👩うんうん。
👱凄く研がれているよね。
👩なんか得るものが多いのよね、喬太郎師匠の高座って。
👱そうそう。
👩なんかその場だけのものではなくて持って帰るものが多いから凄く好き。
👱そう、残るよね。
👩のこる、残る。
💁次です、どうぞ。
👱ありがとうございます。・・、うわ、美味しい。
👩最高。
💁ねぎまでございます。
👩ありがとうございます。・・・。ここ、今度家族も連れてきたいなぁ。
👱でも、今日はラッキーに飛び込みでは入れたけれどなかなか予約も取れないかもしれないね。
👩うん。
👱予約といえば、喬太郎師匠のチケットは、今私がチャレンジする中でも一番厳しいチケットのひとつかもしれなくて。さっきも言ったけれど、なんか昔、というかたまに今でもだけれど、セゾンとかぴあで参戦したチケット争奪戦の経験がちゃんと生きているなぁと思うもの。もっとも神田伯山先生の三鷹公会堂での独演会なんかになるともう予約システムのキャパを超えちゃっているのか往復はがきで申し込んでの抽選になるのだけれど。
👩それはそうだよ。それはそう。でも凄いな。
👱でも、神田伯山先生は寄席にも出ていらっしゃってね。それだと並んだりで一席聴くとができることもあるの。
👩えぇ、そうなの。
👱うん。意外と観ることができるの。
👩意味が分からないね。
👱まあ、喬太郎師匠でも勉強会だと2席だし、伯山先生も独演会だと3席たっぷり聴けるわけでそういうのとはまた違うんだけれど。寄席の持ち時間とも相談での軽めのものを読まれたりするのだけれど、あれはあれでなかなか良いのよ。あのおいしさもあるなって最近は思っていますよ。
👩うんうん。
👱ただ、正直なところ、喬太郎師匠が寄席に出る場合は伯山先生とはまたちょっと様子が違ってね。喬太郎師匠が主任を撮る時って前売りでもう満杯になってしまったり、並べたとしても前座のあたりからもう満席になってしまっていて。伯山先生の場合は平日の昼間なんかだと意外とエアポケットのように立ち見で聴けたりもするのね。
👩でも,喬太郎師匠は勉強会でいろいろと出してもらえるのが嬉しい気がするなぁ。そりゃ勉強会も人気になるよ、観たいもの。
👱そうそう。たとえば今日の噺、大トリであってもあの噺を寄席で掛けるのは難しそうだね。
👩無理だね。うん、あれを寄席で掛けるにはだいぶハードルが・・・。というか無理じゃない?
👱寄席だと怒って帰ってしまう人も出てくるかもしれない。
👩うーん、良いのにね。というか、「わからない」という演目、こんな落語もあるんだって思うかもだよね、知らない人だと。
👱うん。
👩あるじゃない、その、締まるやつ。笑いも極力はいるけど、最終的には、なんだろうね、ほんとに。落語ほど、演劇もそうなのだけれど、時間も全て、時間だったり場所だったりそういうものを、いろんなものを超越してたどり着かせてくれるみたいな。場面だったりとか、時間の経過なんて一瞬でほんとに。ほんとに振り返った一瞬だけで。まあ舞台でもあるよ。舞台にもあるんだけれど、それが今回凝縮されている感じを喬太郎師匠を観ていて思ったけれど。
👱あと、まくらなんかでもおっしゃっていたけれど、落語というのが時勢を反映する力を持っているというか。だからこそ逆に影響も受けやすくて、ちょっと前だけれど韓国でセオゥル号沈没があった時にはネタを前出ししていた『佃祭』がとてもやりにくかったとか、なるほど、そういうデリケートさも持っているのだなぁって、なんか考えてしまった。
👩意外と考えているみたいなことをおっしゃっていて、そうかって思って。なんか繊細よね。
👱まあ、同じことを歌武蔵師匠がおっしゃっても、いまいち説得力がない気はするのだけれど。
👩いや、まってよ。歌武蔵師匠だって考えているって。歌武蔵師匠もすごく考えていると思うよ。
👱いや、絶対に同じように考えていると思うのよ。絶対考えていると思う。
👩うんうん、それはそうよ。
👱でも、それをおっしゃってもそれがあまり似合わない芸風じゃないですか。その説得力がね。
👩うふふふ。でもさ、もう一度振り返るけれど、今日の会は満足感が高かったなぁ。
👱いわゆる、出來が良かった。
👩うん、とっても。いやぁ、あれもよかったね、「偽甚五郎」
👱あぁ、あれもよかったね。
👩というか、その噺に入る前の、その前ぐらいからの繋がりが最高なのよね。
👱うんうん。
👩そのところまで行ってもその前の弟子のね、えーとあのなんだっけ。柳家・・、頭に自己紹介をされなかった、おい太さん。柳家おい太さん。
👱「おい太」という名前はどこから来たのだろうね。
👩うふふ。そのおい太さんのネタというかやったことをいじりつつ、弟子とかとっている場合ではないんですけれどねからの、その「偽甚五郎」の自分にループするような、自分に返っているような、喬太郎師匠はこんなことを考えているじゃないかなって、勝手に、観客が勝手に考えてしまうような憎い演出?
👱うん。
👩そんなの、こっちは勝手に考えてしまうよ、こっちはさぁっていう。憎いってもう。
👱やっぱり噺家さんにはカラーっていうのがあるじゃない。それこそ白酒師匠なんかの語り口っていうのは全然違うし、兼好師匠なら兼好師匠でね。歌舞伎なんかでもそうだけれど、その中に役者ごとのさまざまな色を観るのが楽しくて。たまに観に行く落語教育委員会なんてその最たる物だけれどね。
👩良いバランスだよね。喬太郎師匠と、兼好師匠と、歌武蔵師匠って。滅茶苦茶バランスが良いんだよなぁ。面白い。
👱というか、ほんと、全然バラバラだものなぁ。
👩うん、ばらばら。でもさ、歌武蔵師匠ってなんかめちゃめちゃ好きになっちゃわない?
👱いやぁ、あの人を憎む人っていないと思うよ。
👩ねぇ。めっちゃ好きなんだけれど。歌武蔵師匠が出てくるとにこにこしちゃうんだけど。
👱そうそう。
👩あの、喬太郎師匠とは違うにこにこなんだよね。めちゃおもろいんだよな。
👱まあ、上方になるとまた違う人脈があってね、王子なんかには米紫師匠が定期的にこられているけれど、彼の芸風というのもまた独特でね、彼もやっぱりひとつずつ噺を憶えて間口を広げていくみたいなね。笑福亭由瓶師匠と二人で200の噺をする観たいな企画もやられていたけれど。まあ今、喬太郎師匠がいくつ噺をお持ちかしらないけれど、そういう風にして、また芸が進めば進むほど噺も増えていく時期ってあるんだよね。それぞれの噺家さんのそういうのを目の当たりにするのもいいなぁって。芸って良いなぁと思う。
👩うん。あの、すみません。生ください。
💁はーい、
👱私も角ハイを。
💁はい、ちょっと待ってくださいね。あと、ぎんなんです。
👩はい。・・・美味しい。
👱私もぎんなんは好物でね、それを焙じる金網みたいなものも持っていますからね。
👩うふふふ。
👱で、毎年季節になると箱で買ってきて。あんなに食べても大丈夫なのかなって思うのだけれど、けっこうぎんなん食べると体の調子がよいような気もして。気のせいかもしれないけれど。
👩すいません。ぎんなんのおかわりをください。
👱わたしも。
👩わたしはもう2串ください。
💁あぁ、あと2本でおしまいなのですよ。それも最後の1串は4個ではなくて3個しかついていなくて。
👱ああ、その2本で大丈夫ですよ。
👩じゃあ、私にはその4個刺さっている方をください。
👱どうせ私は1個少ない3個の方ですよ。
👩じゃあ、テーブルも少し片付けて。
💁生ビールと角ハイのおかわりです。
👱ふう、ありがとうございます。
👩ありがとうございます。ふう、やっぱり生は美味しい。
👱そういえば、落語としては9月に同じ三鷹で桃月庵白酒さんの会もありまして、そちらもお誘いしますので。
👩楽しみ。そういえば、今思うと、あれって何年前でしたっけ、喬太郎師匠がスズナリで、何日間でしたっけ。
👱あぁ、あれは4年前かな、2019年だったから。確かひと月まるまるスズナリを借り切ったんだよ。休演日もあったけれど昼夜の日もあって。たしか「きょんスズ30」と銘打っての30回公演じゃなかったっけ。
👩ねぇ、あれって今考えると、話題にもなっていたけれど、めちゃめちゃ贅沢じゃないですか?
👱そう。
👩めっちゃ贅沢だった。何回行けたのかなぁ、2回だったかな。
👱というかスズナリで一ヶ月通してあんなにチケットが売れた公演って最近はないんじゃないかなぁ。あれも瞬殺で消えましたものね。
👩そりゃそうだよ。でも、もう出来ないだろうからねぇ。
👱次に出来るとしたら、もう師匠が死を覚悟してのことかもしれないね。
👩まあね。そもそもまず、スズナリでは無理だよ。階段がしんどいし。
👱ああ、そうか。でも裏から入れるからね。
👩あはは、そうだね。しんどいのは我々だけか。
👱そう、我々だけ。でもさ、
👩あの、ごめんなさい。ふっと湧いた単純な興味なのだけれど。喬太郎師匠ってエゴサするのかな。
👱どうだろう・・。
👩しないかな。
👱少なくとも昔はしていたとおもうんだよ。でも,今やっているかと言われると、わからない。
👩でも、昔っていってもさ、そんなに昔じゃないんじゃない、多分。
👱だから、10年前とか20年前とか。でもなんかさ、今はもうエゴサをするような段階ではないのかなとも思うのね。
👩もうね。いや、わからないけれど、それは。
👱というか、貶すよりも褒める人の方が圧倒的に多くなっているから。
💁アボカドです。お待たせしました。
👱ああ、それは私です。少し食べます?
👩アボカドだと、私はおなかが疲れてしまうから。もったりしているから。
👱まあ、植物油の塊みたいなものだからねぇ。でも、アボカドってね、頭のなかの馬鹿になる成分を溶かしてくれるみたいよ。
👩ええ、なにそれ。知らなかった。そうなの。
👱なんかで読んだ。
👩でもさ、じゃあ自分で食べようと思えたら食べるけれどなんか苦手。もっとほかにもない?そういうもの。どの成分が効いているのだけ聞いてそれを取りたい。重たい物が好きじゃないというかこってりしたものが好きじゃ無いから。なんかアボカドってこってりしているじゃない。疲れちゃうんだよね。だからこってりじゃないものでお願いしたい。
👱ああ。
👩だけど、世の中にはアボカド食べた方が良い暴れん坊している人がいっぱいいるじゃない。そういう人には食べさせてあげたいね。
👱あははは。
👩だっているじゃない。
👱うん。
👩最近思ったの、我が身を振り返ってね。なんか人間って生きていると、基本全部はわからないじゃない。 自分ですら全部は分からない。
👱そうだね。
👩あとで自分が後悔したり良くないことをしたなとおもうところってめっちゃあるでしょ。でもそれは、その時自分が信じていることっていうところもあるじゃない。
👱うんうん。
👩そこで誰かを傷つけたりしてしまったときに自分はこれは悪いことではないとおもっていたけれど、だれかにとっては悪かったりもするじゃない?
👱はいはい。
👩そういうのは視野を広げたりとか、そういうのはどうだろうって、自分の価値観の中だけの正義が正義ではないと思うんだよ。それを気をつけなければなと思って。年齢を重ねれば重ねるほどわからなくなっていくから、一番気をつけなければいけないなって。自分の価値観のなかで良いことだと思ったことは世の中の正ではないと思っていないと良くないなと。
👱というよりはね、ある方がおっしゃっていたのだけれど、若い頃は正しいことってこれだよってそれを信じているのだけれど、歳をとってくるとその正しいことが増えてくる人もいるんだって。
👩ああ、いると思う。なんでそんなことを考えているかというと、というより最近ずっと考えていたのだけれど、気をつけなければいけないし、でも疑わずにいる場所もちゃんと作るためにちゃんと考えなければいけないと思って。
👱たださっきの話というのは逆もあって、若い頃にはいろんなことがたくさんあって、でも、だからこそ、正しいことは一つではなければいけないと思っている人もいるんだって。
👩ああ、なるほどね。
👱でね、実はどちらが幸せかというと、私にその話をしてくれた人は前者の方が幸せだっていうのね。正しいことがたくさんあってそれを全てちゃんと受け入れられる人の方が幸せなんだって。
👩なるほど。
👱でも、世の中には正しいことはひとつしかないよって、そうなっていくひともたくさんいる。
👩なるほどね、でも、自分の中で正しいことがいっぱいあれば世の中にいっぱいあるということも受け入れやすいということね。
👱そうそう。
👩なるほど、それはそうだと思う。
👱正しいと思うときってそこには理があるのよ。それは他の人から見たら「嘘つけ!」みたいな話なのかも知れないけれど、なんかそれを抱く人にとっての理があって、それがひとつだけだと意固地に思えるだけだけれど、たくさんあればそこにいろんなものが見えてくる。
👩それは本当にそうだと思う。今日なんでこの話をしたのかというと、私はバスで来たんですよ。で、乗っていたら後からのって来た、なんだろご夫婦かなぁ、わからないけれど、だいぶ年齢がいっていた方なんだけれど。「ありえないよなぁ」みたいなことを滅茶苦茶大きな声でバスの中でしゃべっていて、目の前でどうのこうのとかあんなの絶対あり得ないみたいなことをずっとしゃべっているの。ふたりともなの。ふたりとも気づいてないの。まわりから迷惑になっているわけだ。その状態があんまりありえないけれどとおもったわけね。それって見えてないんだなぁって。自分たちがありえないっていっていることが、今のだれかにとってのありえないことになってしまっているということに気づいていないのだなぁって。いやぁ怖いなぁ。本当に気づいていないんだなぁって。
👱うん。
👩でもそうだね、いっぱいあればあるほど、その、まわりの世の中、自分以外のところのそういういろんな考え方も許容しやすくなる。受け入れやすくなる。耳に入って来やすくなるというのはそうかもしれない。でも、自分をそのように慣らすというのは大変じゃない。
👱あの、さっきも言ったけれどさ、たとえば噺家さんにしても、この師匠ひとりということではなくて、いろんな芸風を受け入れた方がたのしいじゃない。歌舞伎なんかにしてもそうなのだけれどね。なんだろ、間口を広げるというかね、間口のたくさんある人というのは感性の貯金もたくさんあってきっと豊かな人なのだよ、という風にはおもうのだよね。
👩うん、ししとうが辛くておいしい。辛くないのもあるけれどね。
👱最近万願寺とうがらしとじゃこの炒めたのが大好きで。万願寺とうがらしはもれなく辛くはないけれど。
👩どうやって作るの?
👱味醂とお酒と砂糖と塩で合せ調味料を作っておいて、まずちりめんじゃこをかりかり煎って、そこに合わせ調味料を絡ませて、さいごに1~2センチの長さに切った万願寺とうがらしを加えて、すこししんなりするまで炒めるの。京都の人に習ったのだけれどね。
👩合せ調味料の分量は?
👱お酒だけほかの調味料の倍みたいな感じかな。
👩なるほど。
👱別に万願寺とうがらしをいれなくても、ちりめんじゃこの甘辛いのだけでもけっこう美味しいけれどね。
👩ピーマンでもいいのかなぁ。
👱うん。ピーマンでもいけるよ。まあ、話を戻すと、芸を観るのは間口がひろければひろい程いいなぁというはなしだったけれどね。それにしても今日はいろんないいものを観ることが出来て、目から鱗も落ちたので、また間口が少し広がったかなって。
👩本当に、本当にそうよ。
👱まあ、三鷹市芸術文化センターの制作スタッフのいろいろなものを選ぶ力というのは凄いよね。落語にしても演劇にしてもそうだけれど。
👩ほんと、素晴らしいと思う。あの、誰だっけ。あそこのスタッフの方。
👱ああ、森元さんだっけ。
👩私、以前喬太郎師匠を観に行った時に、会員制度について彼に質問したことがあるの。そうしたら本当に丁寧に教えて頂いて。
👱ああ、そうなんだ。
👩うん。
👱なるほど。よいスタッフがいらっしゃる劇場は観る側にとっても宝だからね
👩はい。
👱さてと、だいぶ酔っ払ってきたので今夜はそろそろ終わりにしましょうか。
👩そうですねそうですね。
👱それでは演劇のおじさんと
👩おねえさんでした。
👱また次回。
(ご参考)
・柳家喬太郎みたか勉強会
2023年7月22日 18時
@三鷹市芸術文化センター 星のホール
「道灌」 おい太
「プラグ短命」 やなぎ
「偽甚五郎」 喬太郎
―仲入りー
「「夏泥」 喬之助
「三遊亭圓丈作 わからない」 喬太郎