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土曜日の午後、食事当番は至福のとき②キンキの煮付け

家人とは魚の煮付けの味が違います。いえ、文句があるのではありません。昨年新しい味と出会ったので、自分がつくるときはそれに宗旨替えしました。醤油が違います。小豆島のとなりの家島でみつけた「フジダイ醤油」、今日のキンキの煮付けもこれに限ります。

脂ののったキンキは目が飛び出るほど高くて、よほどでなければ買えません。今日のは小ぶりで、700円とまあまあ。家人には、自分の味付けで煮れば?と一線を引いたのですが、面倒らしく同じでいいということになり2尾を煮付けることにしました。

ウロコをひき、腹を裂いて口まで開き、まず肝を取り出します。エラをワタといっしょにとりきれいに水洗いします。水をきって少々の振り塩をしておきます。冷蔵庫がいっぱいだったので、気温の低い玄関に2時間ほど、冬場は大丈夫ですね。

平鍋にフジダイ醤油を70ccほどいれ、お酒を同量、水を140cc加えます。つまり1:1:2、家島のおばさんは、醤油と水だけ、分量は1:2から1:3と言っていました。まあそこは試行錯誤、お酒を入れることにして、やや薄めのところで落ち着いています。

ショウガは畑でとれたもの。すりおろしてジップロックにいれて冷凍しておくとすぐに使えて便利です。今日はそのすりおろしではなく、残りの小さくなったショウガ片、これも冷凍してあるのを2片、それに紀州南高梅梅干しをひとつ、はちみつの入ってないのが好みです。

沸騰させた煮汁にキンキとショウガ、梅干しを入れ、アルミホイルに適当に穴をあけた落し蓋をして、やや強火で3分。これだけです。肝もいっしょにいれましょう。

芝エビを忘れてました。茹でるのもいいのですが、蒸したほうが美味だと思います。鍋に水をはって沸騰させ、ザルにいれたエビをかぶせて蓋をし、湯気があがれば出来上がり。蒸し加減をチェックするのを忘れてはいけません。1尾とりだし熱々の殻を剥いてひと口、確認がてら「立山」で立ち飲み気分は上々です。

キンキはアタマが大きく、割りに身がすくない魚です。でも、胸ヒレのつけね部分から腹にかけての脂がのったところが好みです。アタマやアゴ、背ヒレなど運動量の大きいところをこまごまとせせるのも、お酒がすすみます。

わたしの田舎では、こういった尾頭付きの煮魚を食べたあと、熱湯をかけてスープにして余さず骨までしゃぶる習慣があります。これを友人とお店でやったところ、そこまでするかとご主人にたいへん喜ばれたこともありました。