教頭先生って②出勤簿
「教頭先生、K先生(わたしのこと)の出勤簿、まだですか?」
「K先生、出勤簿、ここにありますから、ハンコ押してください。忘れずにね」
「K先生、入退室記録はこのパソコンにインプットしてください」
影の教頭先生、教頭先生補佐は用務員のおばさんだ。職員名簿をみると、この学校での勤務年数は10年、教頭先生は2年目だ。ベテランの指示は的確だ。
出勤簿にハンコを押し、さらに入退室記録をインプットする。そうそう、もう一つある。月次勤務予定表だ。これを毎月10日までに提出することになっている。
「わたしも無駄だと思うんだけどねぇ。システムがこうなってるからしょうがないのよ。そのうち一本化すると聞いてるけど」
影の教頭先生は憂える。3つ全部見て、照らし合わせてチェックしないといけない。不備があると指摘して直させる。これじゃ教頭先生は大変だよね。
そうか。影の教頭先生は日々目を光らせる。パソコンのシステムは他人のは見れないけれど、紙の出勤簿と予定表はチェックできる。おばさんは頼りになる。つい、「お母さん」って呼んでしまいそうだけど、M先生と「先生」をつけるのが習慣らしい。