モノ言う株主、モノ言わぬ株主、モノ言えぬ株主
東芝が株主総会でもめましたね。モノ言う株主とやらが取締役会議長とほか1名の選任提案を拒否しました。過去に会社運営の不具合な経緯があったとはいえ、ガバナンスだけで会社はうまくすすまないでしょう。
モノ言う株主は何をしたいのでしょうか。投資家として利益還元を要求するのは当然としても、ガバナンスや透明性を盾にして揺さぶります。思うとおりにならなければ、売り抜ける。利益還元、お金だけが判断の基準です。
モノづくりをしたこともなく、サービスで顧客に喜んでもらったこともない。社員や顧客の気持ちは多分わからないでしょうね。残念です。
会社の株をもつ、持ち方にはいろいろあります。
EV用リチウムイオン電池をつくっているパナソニック。2010年、最大の顧客はテスラ、そこで24億円を投入してその株を買ったそうです。業界トップの会社と組み、自社の成長を共にする姿勢です。
結果として、テスラはトップメーカーとなりパナソニックも伸長した。2020年急騰したテスラ株を4000億円で売却し、167倍の価値を得たようです。顧客であるテスラとの取引の地位を確立するという目的を達したら、利益を次の投資先に振り向ける。もちろんモノづくりです。
パナソニックはモノは言わぬが、電池で語り応援しました。株主のひとつのあり方として、すばらしい事例だと思いませんか。
個人の場合はどうでしょうか。
勤めている会社の株を持つ場合、仕事というモノで語ることが出来るかもしれませんし、そうありたいと思っています。パナソニック型でしょうか。
他社の株への投資は、モノも言えず、モノで語ることもできません。ひたすら上がることを祈る日々ですが、なかなか思うようにはなりません。