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ネガティブ・インセンティブーマイナカード保険証

厚労省が、マイナカードと健康保険証をひも付けたマイナ保険証を使わないと患者負担額を引き上げるという。マイナ保険証普及のためのネガティブ・インセンティブだ。しばらく前に岸田総理大臣はマイナ保険証を持ってなくても保険診療を受けられる制度を用意すると国会答弁したが、それは金次第ということか。

今年の10月からすでに、従来の保険証を使えば窓口負担を12円上乗せしている。来年4月からさらに数円引き上げ、再診時も同様に負担させられるという。たかが数円というなかれ。根本の考え方を問いたい。

そもそも、今の保険証を使っている限りはなにも変わらないはずだ。ところが、マイナ保険証に切り替えると、医療機関が数十万円の機器代などの導入費用を負担しなければならない。だから当初は、マイナ保険証を使用すると21円の負担増になるということだった。ところがこれだと普及に逆行するからと、いつの間にか従来の保険証使用の負担増に付け替えた。ネガティブなインセンティブ、この金は医療機関への補填である。

費用増は受益者が負担すべきである。使いたくもないマイナ保険証にしないと余計な金を支払わなければならない。医療機関に支払う金は診療報酬であり、患者が医者に診てもらったサービスの対価である。どの保険証を使おうが従来とサービスが変わらないのに患者負担が増える。これは、とても理解できることではない。

マイナカードの普及は、メリットがあれば自然に増加する。インセンティブをつけないと普及しないのなら、何かが足りないのだ。そこから見直すべきだ。