白土三平さんは「点」にこだわらなかったのか
白土三平さん、89歳。先日は「ゴルゴ13」さいとうたかおさんが84歳、巨星があいついで逝ってしまった。少年サンデーの「カムイ外伝」、懐かしいですね。ところで白土さんの「土」の字、点があったように思ったのですが。
白土さんは1960年代から房総半島で暮らし、漁師町のふだんの生活を描いた「フィールドノート」が小学館からでています。わたしの場合、「カムイ」よりこちらの方がなじみが深い。売り物にならない魚の料理法、裏山のキノコ狩り、シカの解体などふだん目にしないものをとりあげたエッセイと写真、これが楽しめた。
そんな白土さんの名前、報道やネットでは「土」で紹介されていますが、「土」に点があったように記憶してました。というのも、ウチの会社にいた「白土」さんは点にこだわって名前を書いていたのを思い出したからです。
調べてみると、点の位置で2種類あるようです(Unicodeで、2123Dと5721、(1)(2))。ウチの白土さんは2123D の方です。「土」と「士」を区別するために、一点を加えたという説があります(3)が、ウチの白土さんからは聞きそびれました。
もどって白土三平さん。机の下の本棚をさがして引っ張り出しました。
「フィールド・ノート 土の味」(小学館、以下同じ)
「フィールド・ノート 風の味」
「カムイの食卓」
「三平の食堂」
表紙の名前は「白土」で点がない。どこかで見たはず、どこだっけとページをめくるとありました。「土の味」に「白土三平の道具」の写真が紹介されていて、二枚貝をむく金具の木の柄に手書きで名前が書いてあります。点の位置はUnicode2123D です(本文のタイトル写真、「土の味」P109)。
これだけのことです。
持ち物の名前には「点」をつけた。でも出版物には「点」はありません。白土さんは「点」にはこだわらなかったのでしょうか。原稿や本、色紙のサインなどで確認したいものです。
ご参考:
(1)https://util.unicode.org/UnicodeJsps/character.jsp?a=2123D
(2)https://util.unicode.org/UnicodeJsps/character.jsp?a=5721
(3)https://ja.wiktionary.org/wiki/%F0%A1%88%BD#:~:text=%F0%A1%88%BD%20%2D%20%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88