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不可抗力(フォース・マジュール)じゃない、これは人災だ

習近平さんが掲げた方針、
「二酸化炭素排出量を2030年までにピークアウトし、2060年までにゼロとする」
これが今回の騒動のもとです。フォース・マジュールなんかじゃありません、いかにも中国らしい「人災」です。

取引先のA社が中国から原材料調達ができなくなってフォース・マジュール宣言を出した。供給できないのは不可抗力だから免責だという。それがなければウチだって製品がつくれない。そんなことは後回し、威張ってないで代わりのモノを探してきてほしい。

聞いてみると、地方政府が出した「エネルギー消費抑制通知」をもとに現地企業の原材料生産が大幅削減されたからだといいます。雲南省で出した通達によると、鉄鋼、セメント、黄リン、肥料、基礎化学原料、鉄合金などが対象業種になっている。

最近、中国の電力不足が深刻化して各地で停電が起こっていると新聞でも報ぜられています。

なるほど、こういうことなんでしょうね。
地方政府は中央への忖度と数字の達成が第一、だって自分の出世がかかっていますから。中国は7割が石炭火力発電に頼る国、これを絞れば二酸化炭素が減る。これがいちばん速くて効果的だ。それには電力多消費工場を止めれば済む。経済混乱なんか二の次、よその国のことなんか知ったことじゃない。

習近平さんが掲げた目標、国際社会のリーダーを自負して「いい恰好」をした。それは彼の勝手ですが、足下をきちんと見てからやってほしい。それに地方政府のやり方もわかっているでしょう。

「中央に政策あり、地方に対策あり」

これが「人災」になっていると思います。


ご参考:https://www.hitachi-hri.com/keyword/k073.html