「厚み」のある紙の本
電子本だと本の「厚み」がわからない。内容じゃなく本そのものの厚み、つまり分量のことです。この紙の厚みが意外に役に立っています。
紙の本はやっかいものです。
重いし、場所をとるし、放っておけば埃がたまりいつも家人に小言をいわれる。本は捨てられないという気持ちがつよく、BOOKOFFに何度か持ち込みました。それでもすぐに埋まってしまう。いっそのこと電子本にしようか思って何冊か読んでみたのですが、つづきませんでした。
電子本はトシヨリの味方である、これは間違いありません。明るいし、小さくて読みにくければ大きくもできる。それに寝ころんで読みやすい。そう、ページめくりが簡単だし、縦にも横にも自在だ。新聞だって同じ。ページめくりの「紙の音」がしないし、電車内で隣の人を肘で突っつくこともない。
それでも、わたしは紙のほうがいい。
しおりをつけたり、線を引いたりしてあとでみなおすことが多い。これは電子本でもできるようなのですが、地図や系図など何度もそのページを開いては戻り、また開くというふうなときは、紙が圧倒的に使いやすく軍配が上がる。
しおりをつけ忘れて、どこだったかと、あとから探すときも本の厚みが役にたちます。「はじまってほどなく」とか、「まんなかくらいだった」など見当をつけやすい。
推理小説などは、二転三転、どんでんがえしがあったりして結論がわからないものほど面白い。でもね、厚みがあると「そろそろかな」と邪推してしまう。まあこれはマイナス効果かもしれません。
もうひとつ、本を読み切ったときの達成感。内容はともかく、厚い本を眺めては満足感がひとしおです。
おまけで、積読もたのしい。机の端に寝かせ、表紙がみえて「厚み」をよみとれるのが大事なのです。時間を推しはかって次に手に取る本を選べる。
電子本じゃこうはいきません。
やっぱり、本は紙に限ります。