ホワイトカラーの生産性低下はエクセルじゃなくパワーポイント
「表計算ツールを使う仕事はホワイトカラーの低い生産性を代表する業務になってきた」
表計算といえばエクセル、これが生産性を低くしている?
そんなことはないでしょう。生産性を低くしているのは他にあると思いますが。
冒頭は日経新聞の記事(2021.3.5)、部門ごとに作成するデータを全社で集計する「データのバケツリレーのような作業」に対してのコメントのようです。そりゃあそうでしょう、汎用性抜群のエクセルといえども、業務に特化したソフトにはかないません。
エクセルは意思決定の道具だと思っています。いろんな境界条件を変更することで事業運営や商品開発のリスクをあぶりだすことが出来ます。古い話で恐縮ですが、昔は手計算なのでいくつもの条件を変えるのはうんざりの作業でした。(エクセルのおかげで素晴らしい商品が出来たかといえば一概にそうとは言えませんが)
生産性を低下させているのは、エクセルではなくパワーポイントじゃないでしょうか。プレゼン用ツールとしては抜群だと思います。簡単につくれるし、色も図形も写真や動画、なんでもござれ。手直しなんかもすぐできる。(少し前までは、紙に描いたものをフィルムにコピーして投影してました。もっと前はポジフィルムに焼いてました)
それが逆にマイナスに作用している。
やりだしたら終わらないんです。時間ぎりぎりまでやっている人もいる。10分ほどの発表なのに補助資料を50ページも用意したり。カイゼンが得意なように、いつまでもどこまでも。
これがホワイトカラー生産性低下の元凶のひとつだと思っています。
見映えも大事ですが、ほどほどに、ね。