リカレント、リスキリング、学び直し
平たくいえば、「変化する時代についていけるように、勉強しなおして、手に職をつける」ということでしょうか。ふだんからカタカナ語づかいには惑わされないようにと思ってますが、これも、どうも気にくわないところがあります。みんな同じことを学び直せという。
岸田さんは10月の所信表明でこう言っています。
「構造的な賃上げに向け、成長分野で働くためのリスキリング=学び直しの支援に5年間で1兆円を投入する」
成長分野って何なのでしょうか?
文科省は「デジタル・グリーン等成長分野に関する能力」
経産省は「IT・データ分野を中心とした高度な専門性」
厚労省は「ITリテラシー習得」
と特定しています。
IT、デジタル、データ。わたしも含めて、苦手な人が多いかもしれません。でも、その関連じゃない、ほかのことを学び直すのはリカレント、リスキリングじゃないのでしょうか?
その分野だけが成長するのでしょうか?
学び直しは賛成です。でも、成長分野だからそれを学ぶのじゃなく、学び直してその分野を成長させるというのが本来の姿じゃないかと思います。
いろんな人が、たくさんの分野のさまざまな現場で壁にぶち当たっては工夫をし、勉強してそれを乗り越える。成長とはそういうアプローチの多様性があってこそのものだと思っています。
みんなひとつの方向を向いているあいだに、気がついたら、ほかの国がちがう分野のはるか先を走っていた、そんなことにならないようにしたいものです。