
叔母さんのぼやき
「本日も、10時から販売します」
近所の梨園からの元気な「X」の便りだ。暑い日がつづき、「幸水」もひときわ甘みが増しているという。3年前、台風で梨木が被害をうけ、「Twitter」では「販売見合わせ」など良い知らせがなかったが、今年は違った。
奈良市内に住む叔母さんに梨を送った。「めっちゃ美味しかった」と、はやりの言葉でお礼のメールが届いた。80歳をすぎて遠出は出来なくなったが、近所に買い物には行ける。外人さんですごく混んでいるのだそうだ。観光地はわかるけど、スーパーでねえと言う。
コロナで訪日客が激減し、奈良がやっと静かになった。道は混まないし、人通りも少なかった。それが、また騒がしくなっていると叔母さんがぼやく。
2023年上半期の訪日客は1071万人だった。コロナ前2019年と比べると36%の減少。中国からは59万人で87%減だったが、米国、シンガポール、ベトナムがプラスで中国の大幅減をカバーした(政府観光局)。
現在、中国は日本への団体旅行を認めていない。それを解禁すると日本に伝えてきた。インバウンド景気が再開、再加速するだろうか。モノからコトへと中身が変化するというが、ヒトの往来が増えるのは間違いない。
来年の「幸水」の時期には、どんなインバウンド景気になっているだろうか。観光地から街中へ、民泊、生活体験などに人気が出て、さらに交流が深まっているだろうか。叔母さんのぼやきが、「歓迎光臨」に代わっているかもしれない。