大井川の源流水が繰れるなら、フクシマの地下水は簡単でしょう
「賀茂川の水、双六の賽、山法師、これぞ我が心にかなはぬもの」
白河法皇も嘆いたと平家物語にあります。治水は土木工学がすすんだ現在もなお課題です。静岡を流れる大井川、この源流水を意のままに操るという話があります。
リニア中央新幹線、東京ー名古屋を40分で結ぶとして2027年に開業予定になっています。大半がトンネルのようですが、着工を静岡県が許可していません。南アルプスの地下に掘るトンネルで大井川の水量が減るとの理由です。
もっともな話です。静岡県内にはリニアの駅はなく、何のメリットもありませんが、いちゃもんをつけているわけではないでしょう。理にかなう説明を求めているのです。
このほど「案」がでました。有識者会合なるアドバイザーの中間報告です。
「水の通り道となる別のトンネルをつくる。リニア工事の間は山梨県側に湧き水が流出するが、工事完了後に湧き水を大井川に戻せば中下流域の水量は維持される」
すごいですね。
地下水、湧き水を意のままに繰る。白河法皇に聞かせてあげたいものです。
本当でしょうか?でも、これを疑うだけの根拠は残念ながら持ち合わせていません。
地下水脈をコントロールする、これができるならフクシマ原発の汚染水を何とかして欲しいものです。1日あたり200トン近くの汚染水の主原因は地下水の混入です。まわりに井戸を掘ってくみ上げ、凍土壁で遮断するなどの対応をしていますが、今年秋には貯蔵満杯になり、希釈して海に放出すると政府決定しました。
有識者のみなさん。
リニアは後回しで結構です。目の前のフクシマの地下水を止めてください。