見出し画像

Marine Traffic があれば?

船でも飛行機でもその船名や便名がわかれば今どこにいるか、リアルタイムで地図表示できる。便利な世の中になったものです。

「紅海で足止めかよ。4月には間に合わないなあ。」
スエズ運河のコンテナ船座礁による事故封鎖。Marine Trafficを見ながらやきもきしているのは同僚だけではないでしょう。

スエズ運河は1869年の開通。フランス人のフェルディナン・ド・レセップスが建設したことは小学生の頃読んだ覚えがあります。

思い出したのは司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」。日露戦争時、帝政ロシアのバルチック艦隊が日本をめざしたのが1905年ですから115年ほど前の話です。すでにスエズ運河は完成していたのです。

バルト海を出発して、本隊は喜望峰回り、一部はスエズ運河を通過しました。問題は船の積み荷重量でした。戦艦の設計上はスエズ運河を通過できる大きさだったそうですが、弾薬や燃料の石炭をおろさないと喫水がスエズマックスを上回ってしまう。しかも運河は英国支配、リスクが大きいと判断して、本隊はスエズ通過をあきらめアフリカ南端喜望峰をめざした。

日本の大使館は、その情勢や情報を集めては日本に打電、旅順港への到着日を予測した。

Marine Traffic があれば?

いやいや、あったとしてもAIS(船舶自動識別装置)信号を出して自らの位置を知らせることはないでしょう。戦争ですから。