自分が過ごした時代の線を面にする「私の履歴書」
自分が過ごしてきた時代を、記憶の「線」じゃなく、少しでもカタチにしたい。20年ほど前から日記を、昨年から毎日noteを描いています。でもそれは一本の細い線。それを補助してくれるもののひとつが「私の履歴書」(日経新聞)です。
裏一面(最終面)掲載の「私の履歴書」、書いている先輩諸氏の年代に近づいてきたからか、より身近に感じられることが多い。それをピースとして埋めることで、自分の過ごしてきた時代を「面」にしてくれるのです。
今連載されているのは、和歌山の島精機製作所会長、島正博さん。一代でニット編み機のグローバル企業に育て上げた人。最近のは1980年代について書かれています。
80年代初めといえば、NEC#8001が発売され、パソコンという名が出来たころ。カセットテープかフロッピーを記憶媒体としていた。まだ漢字表示ができず、カナかローマ字でした。
タイプライター代わりにと、衝動買いで奮発して(たしか15,6万円)#8001を買ったものの、プリンターやフロッピーが買えず、家のテレビにつないでゲームをしていた記憶があります。そのうちに漢字がつかえる#9801が出て会社に導入され、その時点で#8001はお蔵入り。日進月歩の時代でした。
そんなころ、NASAで使ったCGボード3枚が払い下げられることになり、島精機が1枚を1500万円で手に入れたそうです。CGを編み機へ応用(CAD)、その後の会社の急成長に貢献したといいます。また、残り2枚のうちの1枚は、スティーブ・ジョブスさんが購入した由。1984年発売の初代マッキントッシュにつながったのではと、想像できます。
「使えないなあ」と#8001をなじっていたころ、世の中ではこんなことが起きていた! 線を面にするピースをひとつ手に入れることができました。
わたしにもチャンスがあったはず?
そんなことを勝手に思いながら「履歴書」を読むのが毎日の楽しみになっています。
げげげ
20210324
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